手塚治虫の収穫 陽だまりの樹〔全6巻〕 (3) (ビッグコミックススペシャル 手塚治虫の収穫)
- 小学館 (2008年9月30日発売)
- Amazon.co.jp ・マンガ (407ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091820709
作品紹介・あらすじ
▼第21章/想われる者▼第22章/七化けお紺▼第23章/縁組▼第24章/難題▼第25章/使節江戸へ▼第26章/本陣待ち伏せ▼第27章/将軍のいちばん長い日▼第28章/裏切り者▼第29章/西郷登場▼第30章/巻き添え▼第31章/やけ酒万二郎▼第32章/東京大学事始め
●主な登場人物/伊武谷万二郎(江戸・小石川に住む26歳の府中藩士。不器用な性格だが剣の腕は高い)、手塚良庵(江戸・小石川に住む府中藩藩医の息子。29歳にして大坂の緒方洪庵のもとで蘭方医をめざす。女好きだが、腕は確か)
●あらすじ/高熱で寝込んでいた万二郎のもとに、若い女が訪ねてきた。その女は大坂蜷屋の娘・品といい、安政の大地震のさい自分を救ってくれた万二郎へのお礼を渡して立ち去っていく。それは娘が手縫いで仕立てたと思われる高価な生地の羽織袴で、万二郎の母は、品が息子に恋していることに気付くが、当の万二郎は…(第21章)。
●本巻の特徴/アメリカ通商使節の警護役となった伊武谷万二郎は、言葉や慣習の違いから何度も衝突しつつも、総領事ハリスらの信頼を勝ち得ていく。一方、大坂の適塾に学んでいた手塚良庵は、父の種痘所設立計画を手伝うため江戸に戻るが…?
感想・レビュー・書評
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種痘所ができるくだりは感動的。
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1981年から5年半に渡って連載された歴史長編。幕末好きの僕にとってはそれだけでも愛すべき作品なのですが、見事すぎる物語の巧みな構成と登場人物それぞれの魅力(義理に生きる伊武谷万次郎と人情に生きる手塚良庵の対比をはじめとして)を通して、最も好きな手塚治虫作品のひとつです。
終盤、おせきさんに最期の別れを告げに行ったあとの万次郎の無言の2ページがいかに雄弁に万次郎の心境を物語っているか。これからも、この作品を読み返すたびに手塚治虫の偉大さを思うことでしょう。