- Amazon.co.jp ・マンガ (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091863997
作品紹介・あらすじ
仕事は、悪人を作るのだろうか?
日本経済新聞の「仕事マンガ」 第1位
「このマンガがすごい! 2014オトコ編」 第4位
「このマンガを読め!2014」 第2位
「マンガ大賞2014」第6位 …等々、
皆様から熱い支持をいただいている本作!!
新人作家の想像を絶する苦悩、
その才能に対して担当編集者が差し伸べる手。
仕事の苦悩は仕事でしか解消されない。
それぞれが相対する「漫画という仕事」とは…!?
【編集担当からのおすすめ情報】
なぜ漫画を描くのか。
なぜ漫画しかないのか。
新人作家という「まだ何物ではない彼ら」の姿、
今巻で松田奈緒子先生は余すところなく描き切りました!
感想・レビュー・書評
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4巻目突入、だんだん賛否両論入り乱れてくるだろうが、この4巻、私はとても好きだ。
「熱をどこまで保てるか」。
帯文句のこの一文が4巻のキーワードのように感じられる。
言うまでもないことだろうが、きれいごとだけでは仕事はできないのが実情。様々な事情が絡み、やる気や熱さは空回りする。体力気力共に消耗し、どん底に落ちたところで、這い上がれるかどうか。時には非情な現実が待ち構えている。
これまでもちょこちょこ登場していた、内容の良さに反し結果が出せず、無常にも廃刊となったマンガ誌「FLOW」の裏事情。廃刊を機に人が変わってしまった安井氏。悪名高き安井氏が何だかダースベイダーのようで切ない。
「理想だけで仕事ができる人間は、この世に何人くらいいるのだろうな」
何とも重いセリフだ。非情な人間を「悪」と一方的に決めつけてよいものか、考えさせられた。何と言われようとも、異動後の安井氏はきっちり数字は出しているのだもの。雑誌を維持するためには結果を出さなければならない。余裕がなければ冒険はできない。シビアな現実を目の前に突き付けられたような気がした。
その安井氏に振り回され、体がガタガタになっていく絹ちゃんもまた見ていて辛い。やっぱり今回もお母さん目線になってしまうが…「男の10年と女の10年は違うからよ。ましてや20代なんて女には大切な時期よ。」のセリフが響く。無茶は若さの特権だけど、自分が20代なら「古いよ!」と一蹴しそうな絹の母の言葉は、ある意味間違いはないのだと40代になってよくわかる。どんな人生にするかは本人の意思だ。けど、選択肢を狭めないためにも、お願いだから体は大事にしてほしいって…母なら思うよね。
一方の、大御所漫画家アシスタントチーム。色んな意味で「ブラックホール」のような末恐ろしさを孕む中田、彼の才能に強烈に嫉妬するチーフアシの沼田。歪んだ感情が引き起こした事件、それがきっかけとなり導き出された結論。この一連の流れもまたやるせない思いでいっぱいになりました。
苦しいよな、どんな道も。でも、どういう選択をしても正解も間違いもないのだと思う。そんなことを嫌っていうほど考えさせられた。そして、絹ちゃんや中田君はどう脱皮していくのか。目が離せない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
東江さんと「ツブシの安井」の話、中田画伯と沼さんの話。これまでよりも、より、仕事や漫画にまつわる負の人間ドラマが描かれていて、心が「頑張りましょう!!」という一言で(漫画的に)安易に進んだりしない面を掘り下げていたのがとても良かった
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今回はなかなか苦しい巻だった。
安井さんをすごく悪者のように思っていたが、
過去を知ってから安井さんのことを酷いの一言では言い表せないなと思うようになった。
仕事だからと割り切っているけれど、
寂しさを拭いきれていない顔に見えるのは過去を知ってしまってからなのか…。
雑誌自体がなくなってしまっては元も子もないし、
編集者にだって家族がいていつも仕事優先していいとも思わない。
でも漫画家からすると安井さんはあまりにも非情で。
このマンガなら皆が納得できるようにストーリーを持っていってくれると信じている。
重版出来!の中田くんや、(いきなりだけど)ハイキュー!!の影山くんみたいに
空気を読めない人の言葉だから信じられる、救われることもあるんだなと思った。 -
前の巻で発掘された新人さんの
それぞれに進む道。
同人誌からスカウトされた絹ちゃんの
担当編集者である安井の過去。
心ちゃんが担当する中田の
異形の才能を見せつけられて
凡才な自分の姿に苦しむ沼田。
「仕事は、悪人を作る」
帯のこの文章がせつないなぁ(T - T)
舞台が出版社だから作家と編集者の関係だけど
これが商社やメーカーで
作り手と売り手の関係だったとしても。
どんな仕事をしていたって
きっと世界のどこかで同じような思いをした人が
たくさんいるだろうな。
だからこそ、踏ん張って。
次の展開が開けるのを読みたいです。 -
ドラマで描かれていたあたりが掲載されている巻。
やはり原作の再現性が高いことを実感。
読みながら、ドラマのシーンが蘇る。 -
東江さんの葛藤、安井さんの過去と現在、
中田クンの生立ちと精神と成長、
中田クンの周囲の話・・・人間ドラマな4巻ですね。
沼さんのネーム読んで泣いた中田クンが良かったけど、
対人関係がこれからどう変化するかどうかは
未知数ってとこかな? -
新人として歩み始めた中田と東江にスポットの当たった巻だった。中田はマイペースで周りに影響を与えてしまう。三蔵山先生のところでなければ弾き出されていたろう。東江の人生の選択が今後どうなるかが不安要素。お仕事漫画として、作者はどのような展開をさせていくのか楽しみだ。
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芸術でもスポーツでも、その才能がどう花開くか、いつ実を結ぶかで、全く社会の評価が異なる結果に至るのは致し方ないとしても、とても切ない。
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編集の安井さんにそんな過去があったなんて。
そして、沼田さん。沼田さんに感情移入しまくった。