- Amazon.co.jp ・マンガ (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091884961
作品紹介・あらすじ
▼第7話/ラブ・ストーリー▼第8話/マイ・ルーム▼第9話/逆転サヨナラ▼第10話/ブランド▼第11話/逃げ出したい▼最終話/テーマソング
●あらすじ/まじめに受験勉強をしていたにもかかわらず、志望校にことごとく落ちてしまい、自分のレベルより低い大学へ進学した河合ショウゴ。周囲の学生を見下し、学内で浮いた存在となってしまうが、唯一の趣味である映画では、同好会内に仲間が出来始めた。そんな中、ひょんなことから知り合った同級生で、交友関係の広い荒川マイコが人生初の彼女になって…(第7話)。
●本巻の特徴/ふいの一言、ふとした風景で、積み重ねた日常が輝きだす――恋愛初心者の大学生、安定志向の会社員、タフなOL…。平凡な町・美咲ヶ丘にあふれる、それぞれの人生の“宝物”6編を収録。平凡だからこそ愛おしい美咲ヶ丘在住者たちを、実力派漫画家が描き切る読切連作、第2集!
感想・レビュー・書評
-
登録してなかった……
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
会社を辞めて「自由だ~」だなんて思ってた頃、本屋で立ち読みしたときに、この本に収録されている「逆転サヨナラ」に出会った。
この話で主人公は、過去甲子園・プロを目指した高校球児で、途中肩を壊しその夢を諦めざるを得なくなる。
将来に希望をなくした青年は自暴自棄となり、高校卒業後出版会社に就職することになる。
日々の仕事をただ淡々とこなし続ける毎日に嫌気が差し、仕事に対してもやる気が出ない状況まで落ち込み、出社拒否。そして会社の上司との話し合いで、遂にキレてしまう――
会社辞める理由は人それぞれあると思うけど、結局は現実を受け入れなければいけないんだよね。
全てを放り出して逃げる、というのもすごい楽だしひとつの手かもしれないけど、一番やってはいけない手段なんだよね。周りにどれだけ迷惑をかけるか・・・
結局、逃げても楽にならないし、逃げたことで自分自身にそのときの負い目やうしろめたさを感じてしまうと思う。
そのまま前を歩くにしても振り返って戻るにしても、そのときの経験を次に生かせるようにしないと意味がないし、同じことを繰り返してしまうことになる。そんなもんだよ、人生。
ほかにも「ラブ・ストーリー」「マイ・ルーム」といった名作ぞろいの短編がつまっているので、読んで損はないマンガのひとつです。 -
まんがに限らず、絵とか音楽で無性に心が揺さぶられた時に、心のどこかで「ああ、今の私だからこんな気持ちになっているんだ」と思う事ってないでしょうか?今までさんざん見ていたはずなのに、突然来る事もあります。そんな時って、嬉しいのですが寂しくなります。もうこれ以上に浸る事は出来ないだろうな、なんて気持ちがしてしまうのですよ。だからといって、その対象物がつまらなくなるの事はないですよ。
これを読んで久しぶりにそういう気持ちになりました。短編集で、働き盛りの男女が主人公の話が多いです。この人のコミックスは7〜8年前くらいから読んでいますが、今までは割とアンハッピーだったり、ずばっと終わっている事が多かった気がしますけど、この本に限っては意図的なのか救われています。こんなに心が揺さぶられたのは、私自身がちょっと疲れていたんだろうなぁ。
今読みかえしても、あれほどの気持ちにはなれないけど、きっとずっと置いておく本になります。 -
戸田さんの作品は、ぞわぞわするところがあって、入り込めるんだけど、それを拒否したくなる自分がいる。日常が描かれすぎてて、読んでるうちに辛くなってくる感じがある。ぞわぞわ。これ自分ジャン?みたいな感じ。
-
戸田誠二先生らしい“日常の中に潜むドラマ”を描き出したステキな短編集。「マイ・ルーム」、「逃げ出したい」あたりが特に好きな作品。日常から脱しようともがき苦しんで、苦しんだ末に見えた一筋の光…みたいな感じの話が好きみたい。「ラブ・ストーリー」は…なんか心が痛い作品だなぁ(汗)。こういうこと、あるよねー(苦笑)。どうやらこの作品集もこれで完結?みたいでかなり残念。次回作も期待。
-
人間の青臭さを書くのが上手い。野球の話は最初、主人公に対して「うぜえ・・・」と読んでいてつぶやいてしまった。実際にこんな人がいたら嫌だなと想像させるくらいリアルで。全部の話の結末は、昔の戸田誠二に比べていい方向に進んでいると思います。