- Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091913944
作品紹介・あらすじ
「すべての幸福は恋愛的瞬間から始まる」という、心理学博士・森依四月。彼の恋愛クリニックを訪れる患者は、皆風変わりで…。
感想・レビュー・書評
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「人は幸福になる義務がある。」
これは、とてもいい言葉だ。
森依のいう「恋愛的瞬間」というのは、今ひとつよくわからないけど、恋愛そのものではなくて、その刹那、刹那に幸福感があるというのなら、なんとなく理解できる気がします。
結局、人が納得する形が「しあわせ」ではなくて、自分が(または自分たちが)、納得する瞬間が「しあわせ」なわけです。
好きな話は、「螺旋の中に住む」です。
誘拐された女の子の話。実は、わたしのとっては、この話の救いの部分は、付け足しにすぎないのかもしれません。
でも、それでも、物語の終わった後も、こんな風に、物語が続いていったら、幸福かも。
含蓄があるなぁと思ったのは、「恋をしたことがない」かなぁ。 -
台詞、演出が秀逸、良作。
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<うーん すばらしい…! 思った以上の歯ごたえ!!> 男の子になりながら、女の子になりながら、ヒトの深層心理を大胆にめくり上げてゆく。絵も可愛らしい。第4話「大胆不敵な男」の、舞台劇のような構成が面白かった。
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これ、すごく好き。見透かされそう。どんな感情も執着もある意味恋愛的瞬間なのかなぁ。
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自分の感情を自分で分析できる。
でも、それだけでは解決できなくて、
他の人に分析して、そのうえで存在を認めてもらわないと
どーにもこーにも、わだかまりって消えないのが人の感情というもの。
心理学って奥深いよなー -
これまた好きなのに、☆の数はあがらない不思議。
最初の恋愛的瞬間、いつか酷い目にあえるよ、運命を踏みつけにする、そういった部分が鮮やか。 -
作家買いしてしまう人がリストにまた一人加わった。
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恋愛クリニックを舞台にした短編集。
女性作家の短編は、ラディカルで切れ味鋭くて好きだ。(意外に男性作家の短編の方が割り切れない話が多い気がする。そしてそれもまたそれで好きだ)
”先生、私保母に戻ることにしました。
たぶん私はずっと問題から逃げてばかりいたんです。
それでその逃げ回っている弱さが、追いかけたいと思っている人たちを引き寄せてしまうのじゃないでしょうか?
私、あの時誰があの手紙を書いてもおかしくないと思いました。
誰もが書きそうで、誰も信じられなかった。
私は犯人を捜すより、信頼できる人間を決めなければなりませんでした。
他人を信頼するためには、自分を信頼できなければいけないのだと知りました。
そうしてはじめて私は、他人(ひと)を愛することが出来るでしょう。”-
「ラディカルで切れ味鋭くて好きだ」
吉野朔実のマンガを読まなくなって久しい。読んでて辛くなるのは何故だろう?
ラディカルと言うより、ドライな...「ラディカルで切れ味鋭くて好きだ」
吉野朔実のマンガを読まなくなって久しい。読んでて辛くなるのは何故だろう?
ラディカルと言うより、ドライな感じ(10年以上前の記憶だから変容してるかも)。
軽い軽いエッセイは読みます(本や映画の紹介は視点が面白くて好き)。2012/07/31
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