- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784092701236
作品紹介・あらすじ
アイヌ語を命がけで残した一人の少女の生涯
アイヌは北海道をはじめ、樺太や北方四島に住んでいた日本の先住民族である。豊かな自然に育まれた狩猟採集の民であり、歌や踊りに秀でた、独特の文化を持つ民族であった。だが、明治期に入って日本政府が北海道を開拓し始めると、様相が変わってくる。アイヌは住んでいた土地を追い払われ、いわゆる「同化政策」によって日本人化させられるに至ったのだ。アイヌは言葉を持ってはいたが、文字は持たなかった。日本語教育によって、徐々にアイヌ語を話せない人々も出てきた。アイヌ語という民族の精神的な拠り所すら失われつつあったのだ。そんな中、アイヌの少女・知里幸恵とアイヌ語研究者・金田一京助の運命的な出会いが訪れる。生来聡明であり、偉大な語り部を祖母に持つ幸恵は、アイヌ語と日本語を巧みに操れる唯一無二の存在だった。そして幸恵は金田一とともに、一生をかけた大事業に取りかかる。『アイヌ神謡集』である。
【編集担当からのおすすめ情報】
解説は小説家の池澤夏樹氏が寄稿。
感想・レビュー・書評
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文字を使わなかったアイヌの伝承文化。現在文字になって残されていて私達が読むことが出来るのは、知里幸恵さんの大きな功績。それにしても、あまりにも速く駆け抜けた人生だった。後世に大きな影響力を持ち、アイヌ民族に大きな希望を与えた。また現在もご子孫が活躍されている金田一京助さんとの出会い。手始めに「アイヌ神謡集」を読んでみよう。
また池澤夏樹さんの解説がとても良かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
#知里幸恵とアイヌ
#小学館
#児童書
#読了
こんな学習漫画があったんですね。アイヌの人々は文字を持たず、口承によって文化を伝承してきた。そのため明治政府の同化政策によりアイヌ文化が廃れてしまいそうになる。そこで知里幸恵は金田一京助と一緒にアイヌ神謡集を書き上げる。大変興味深かった。 -
口に、せいちょうしたかわりに、くちにいれずみをいれることがわかった。
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物事を後世に伝えることは必然的である。
最後の解説の濃さが、この本の情熱を物語る。
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100分de名著に誘われて、図書館で借り受けて読了。とてもよくできた学習まんがであった。知里幸恵の、わずか19年という短い生涯で成したことの大きさが、よく伝わってくる。
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私はアイヌがかっこいいと思いました。
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【刊行形態】単品 漫画
【利用対象】小学5~6
「アイヌ神謡集」というアイヌ語の物語集を書き上げて、わずか19歳という若さでこの世を去ったアイヌの天才少女・知里幸恵の人生をまんがでたどる。見返しにマップあり。 -
知らなかった。アイヌの人が書き言葉ではなく話し言葉で多くの歌や言葉を伝えてきたこと。その残されてきた言葉はいまの私たちが忘れかけている自然に対する感性に満ち溢れていること。そして知里幸恵がそれを後世に伝える人であったこと。