てつほうの鳴る浜

著者 :
  • 小学館
3.62
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本棚登録 : 53
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784092893207

作品紹介・あらすじ

戦乱時代を強く生き抜いた少年の冒険物語 武士が嫌で商人になりたいと家出した少年長種は、博多を目ざそうと、無断で水軍の船倉に忍び込むが、見つかってしまう。「武士をやめたい。おれは商人になりたいのです」そういう長種に、水軍の大将は、「人それぞれに決まった運というのがある。運を変えようと思うな。運に心を任せれば、かえって勇気が出るぞ」そう言って大将は、豪快に笑い、懇意にしている商人の家に連れていって、奉公できるように取りはからってくれる。こうして長種の新たな運命は動き出す。元寇という史実の中で翻弄されながらも強く生き抜く少年を描くエンタティンメント。 【編集担当からのおすすめ情報】 時代背景、地域の歴史を調べ尽くして書かれた鎌倉時代の戦乱時代ファンタジー。大人も楽しめる作品です。

感想・レビュー・書評

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  • 1270年、元寇の時に活躍した少年の話。
    いと、という不思議な少女の登場でファンタジー要素があり、地味におもしろかった。
    運命を楽しめ、がキーワードだけど、自分の意に反して、過酷な戦いに巻き込まれる。
    嫌な出来事も楽しめって、厳しい。
    成長過程の子どもたちには、勇気になるのかな?

  • ○時代物というだけではなく、ジュブナイル作品として楽しめた

    鎌倉時代、武家の家に生まれたものの、生家は貧しく自身も血生臭いことが苦手な長種。
    博多で商人になろうと家出をした先で、水軍の大将、異国出身の商人、鏡をよむ娘と出会う
    大陸の出来事が、やがて博多の海へと押し寄せてくる

    ○「運命を楽しめ」という言葉が、届くといいな!
    ○歴史教科書的な元寇ではなく、もしもその場に自分がいて巻き込まれたら…
    兄さんの季長は実在
    ○いとの存在と出来事が、混じり合わないような異物のような
    正体がはっきりわからないところが、この物語にそっているような
    島の名前と同じなのがヒントなのか

  •  鎌倉時代。九州の片田舎の武家の次男の長種は、武芸が嫌いで商人になりたくて家を飛び出した。水軍の大将竜玄の船に無断で乗り込み、見つかった長種は竜玄に助けられた。
     竜玄の紹介で長種は、博多で塩田を営む鳥飼二郎の元で働くことになった。

     元が猛威をふるった時代、九州は大変だったんだ・・・。

  • 福岡が舞台の戦乱時代ファンタジー

    長種は、武士をやめ商人になるため船に忍びこむが、水軍の大将竜玄に捕まってしまう。長種は竜玄に博多の大商人のもとへ案内され、そこで鏡に未来を映す謎の少女「いと」と出会う。それが、長種が歩むことになる不思議な運命の始まりだったーー。一人の少年が蒙古襲来に立ち向かう時代ファンタジー。突如現れた大船団、元軍に遭遇した長種の決断とは。

    「おまえに、おれたちの合言葉を教えよう。『上げ潮に入船』だ。」

  • 設定が盛りだくさんだったけど、読み応えがあって楽しめました。
    運を楽しめ、という言葉がテーマであり印象的で、運命について考えさせられます。

  • 蒙古襲来が舞台の歴史ファンタジー。肥後の武士・竹崎長種の闘いと成長を描いた物語。

    元の船と海上で闘うシーンではまるで自分も戦に参加しているような臨場感がわいた。

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著者プロフィール

森川 成美
東京都生まれ。「アオダイショウの日々」で第18回小川未明文学賞優秀賞。『マレスケの虹』(小峰書店)で、第43回日本児童文芸家協会賞。そのほかの作品に『さよ 十二歳の刺客』『はなの街オペラ』(ともにくもん出版)、「アサギをよぶ声」シリーズ、『ポーン・ロボット』(以上、偕成社)、『夢の発電って、なんだろう?』『光るマウスが未来をかえる』(以上、講談社)、『てつほうの鳴る浜』(小学館)など。

「2023年 『かわらばん屋の娘』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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