おうだんほどうのムッシュトマーレ (創作児童読物)

著者 :
  • 小学館
3.46
  • (1)
  • (4)
  • (8)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 86
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (159ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784092897410

作品紹介・あらすじ

朝読に最適、朝から心がぽっかりする小品集

心のなかの信号を無視して突き進もうとする人たちに、「ちょっと待って!」と声をかけ、どこからともなくあらわれる謎の男ムッシュ・トマーレ。心の中の信号を無視して、横断歩道を「えいっ!」と渡ってしまおうとする人って結構いるのです。そうすると大変です。どうなるかっていうと・・・・・・もやもやした気持ちを抱えたまま“まよいの国”に入り込りこんでしまったり、むしゃくしゃして“なげやりの国”に迷い込こんだり。ひとりぼっちになってしまう"こどくの国"やいつもいらいらしている"いらだちの国”なんていうのもあります。そこに入り込んでしまうともうもどってこれなくなるかもしれません。ムッシュ・トマーレが、それぞれの心の声に正直になることに気づかせてくれます。みなさんの前にもムッシュ・トマーレが出没するかもしれませんよ。気をつけてくださいね。

【編集担当からのおすすめ情報】
2012年読売新聞に読み切りで掲載された掌編「横断歩道のたいぞうさん」から着想して、中編として書き下ろしました。小学生、中学生、おばあさん、おじさんと、いろいろな人たちの心の中をのぞかせてくれる、5本の小品集です。
読みやすく、心がほっこりしてくるようなお話しは、小学生の朝読に最適です。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 横断歩道の見張り番、ムッシュ・トマーレは、真っ赤な服装の小太りなおじさんです。フランス語まじりに、渡ってはいけない横断歩道を渡りそうになっている人を助けます。

    連作短編で、4月から8月、主人公をかえて5つの物語が入っている。

    心の横断歩道。
    まよいの国、なげやりの国、こどくの国、いらだちの国、かたくなな国・・・そんな国に迷い込んでしまいそうな心に、ストップをかけてくれるムッシュ・トマーレ。

    自分の心の中の交差点、赤信号を渡らないよう気をつけなくては。

  • [墨田区図書館]

    表紙の絵からは突拍子もない空想世界の話かなと思ったけれど、中をパラパラとめくるとショートストーリーに分かれていて、それぞれ小学生の心情に焦点をあてた本だったので借りてきてみた。

    正直自分からは読まないだろうなとは覚悟していたので、なかなか進まないクマのパディントンシリーズの二巻、「パディントンのクリスマス」と並行して夜の読み聞かせ本に。ただ、いざ読んで行くと、私の方が眠くて寝てしまったりしたら、その話の最後までは自分で読んだりしていたみたいなので、思ったよりは心に響いた?気に行いった?みたい。良かった良かった。

    個人的には最近「かんぱいシリーズ」で知って気に行った「宮川ひろ」さんを思わせる感じの本で、下手な道徳本よりもずーーっといい感じ。そしてかんぱいシリーズはやや自分の内情に焦点があたっていた気がするけれども、この本のほうは少し中学年向けの作りのハードカバーなので一見字も小さくて本のボリュームは感じるものの、ショートストーリー形式なので一話がさほど長くないからか、主人公の心情は語るものの、やや第三者的に、その前後の出来事や情景を書きだしている感がする。

    内容も文体も恐らく変わらないんだろうけど、単に記憶の中のイメージで何かしらの差を感じようとしている勘違いなのか、このムッシュトマーレ(第三者)の存在によるものなのかは分からないけど、他にもこの人のお話があるといいな、読ませてみたいと思った。ただ、ポツポツ読んだせいもあるけど、佑太と涼が誰なのか、ピンと来てくれなかったのは、ちょっと残念だなー。ウサギ小屋とか、四か月の妹とか、気づきやすいキーワードはあったのに!私が読み聞かせずパラパラ読んだ話もあったので思いついて最後に確認で読み探してみたらピアノの子も同じウサギ小屋の世話係りグループだったね。

  • 娘が読書感想文を書くための候補として、親子で読みました。
    投げやりになったり、友達の話が聞けなかったり…。誰にでもあることだと思います。
    そんな時、ムッシュトマーレはやってきて問いかけます。
    「心の信号は青でしたか?」
    「このままでいいですか?」

    娘の小学校にも来てくれたら、友達同士の色々なもめごとが早く解決できそうだな~と思いました。

    私は読書感想文の本として、これをオススメしましたが、娘は別の本を選んでいました~。

  • 誰にでもある、迷い、やけくそ、孤独、苛立ち、頑なさ。
    ムッシュ・トマーレが気付かせてくれるのはそこに点った赤信号。
    表紙の赤さのインパクトに負けず劣らず面白かったです。

  • 人の心の横断歩道。赤信号なのに気づかせてくれるムッシュトマーレ。自分で青にするやり方にも気づかせてくれる。心温まるお話です。

  • 朝の飼育当番を二日続けてサボった佐久間君に、当番のみんなは怒って、バツをあたえると言っています。
    裕太は、佐久間君の遅刻の理由を聞いてないので、賛成したくなかったけれど、それをはっきりと言葉にできませんでした。

    放課後、佐久間君が一人で飼育小屋のそうじをしているのを知りながら、裕太は家に向かいました。
    佐久間君が当番に間に合わなかった理由は何だったんだろうと考えながら歩いていたら、横断歩道で変なおじさんに止められました。

    おじさんは、自分は横断歩道の見張り番で、きみの心の中の信号は青でしたか?と言いました。
    ぼくの心の中の信号?
    そんなもの、あるのかな?

    横断歩道の見張り番のおじさんが、5人に声をかけて道路を渡るのを考えさせます。

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

香坂 直
『走れ、セナ!』で、2004年第45回講談社児童文学新人賞佳作、2006年第16回椋鳩十児童文学賞を受賞。2007年『トモ、ぼくは元気です』で、第36回児童文芸新人賞を受賞。『みさき食堂へようこそ』などの作品がある。

「2013年 『YA! アンソロジー エール』 で使われていた紹介文から引用しています。」

香坂直の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×