泥 (児童単行本)

  • 小学館
3.90
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784092906228

作品紹介・あらすじ

これまでにない近未来パニック小説

タマヤたちの小学校は、立ち入り禁止の森に囲まれていた。森には、サンレイ・ファームという農場がある。クリーンなエネルギーを研究しているらしい。

タマヤの大事な友だちマーシャルは、いじめっ子の存在に悩んでいた。この日も、いじめっ子チャドが待ち伏せしていることを知り、いつもの道をさけて帰ろうと森の中に入り込む。心配したタマヤも後を追った。しかし、このことに気がついたチャドが、追いかけてきたのだ。
森の中でつかみ合いになり、タマヤは、マーシャルを助けるために、足下にあった泥を投げつけた。ブクブクと泡を出している無気味な泥、手に取ると生暖かい。タマヤとマーシャルは、必死にその場を逃げ出した。

翌日、いじめっ子は、学校に来なかった。
そして、タマヤの手にできた水ぶくれは、どんどんひどくなり、広がっていった。

"あの泥"が原因に違いない!

あの森で、なにか恐ろしいことが起きている・・・・・・。
何が起きているのか?





【編集担当からのおすすめ情報】
映画化もされ、世界中で数百万部を超えるベストセラーとなった『穴』の著者として知られるルイス・サッカーの新作。
近未来を舞台に、環境問題、社会問題と言った大きなテーマと、子どもたちのいじめや、友情のあり方を描いたエンターテインメント。

感想・レビュー・書評

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  •  題名と作者名からして面白そうな気配がプンプンしていましたが、これは面白かった!
    初めて読む作家さん。『穴』という著書が映画化までされていて、有名だそうです。

     訳者あとがきには、エコ・バイオテラー・ミステリー・スリラー・コメディだと書かれていました。確かに色んな要素が盛り込まれていて、でもよくまとまっていて、簡単にいうとパニック小説
    です。

     下校するのに森を通った子供が、そこにあった泥に触り、皮膚に異常を来します。一体この泥は何なのか?街全体に被害は拡がっていきます。酷い症状は治るのか?

     学校での子ども同士のいざこざ、それぞれの家庭環境、ほのかな恋心、子供達の瑞々しい心情も描かれながら、同時にハラハラさせられるスリラーミステリー。しっかりとハートをキャッチされて、あっという間に読み終わりました。

     中学生くらいから読めるので、ぜひ、夢中になれる一冊として出会ってほしいなと思いました。

  • 面白いうえに読みやすい!
    ぐいぐい引き込まれるようにして読み終えました。
    ドキドキのパニック小説、それに伴いきめ細やかな人間関係の描写、途中で挿入される記事と本編との伏線回収、いい読後感でした。
    詳しいあらすじはブクログさんが書いてくれているので割愛。
    主人公の少女タマヤの勇気と優しさに胸が打たれます。

  • SFスリラー。パニック小説。ジュブナイル。
    小中学生向けと思われる娯楽作品。
    読んでいて連想したのは、瀬名秀明さん『パラサイト・イヴ』。
    主人公がとても良い子で好印象。
    著者の本を読むのは初めてだったが、期待以上に面白かった。

  • 怖かった!

    私にはタマヤのような勇気ある行動はできないなあ。
    マーシャルはもっと男らしくしろ!
    チャド、どうしてそんなにひどいの!

    と思いながら読みましたが、最後はちょっとウルッ。

    映画化されているそうですが、そちらは見たくないです(苦笑)

    ドキドキしたい子におすすめ…かな?

  • 環境問題を解決するひとつの手段として開発された、粘菌エルゴニムをもとに作られるバイオエタノール「バイオリーン」。
    クリーンなエネルギーをもたらす発明かと思われましたが、製造工場のそばにある森から、不思議な「泥」が見つかります。
    その「泥」に触れた近隣学校の生徒に発疹が現れ、やがて症状が重くなっていきます。
    いじめ問題あり、ミステリの要素あり、青春・成長物語ありと、中学生や高校生に是非薦めたい作品です。

    事件後の公聴会の場面が折々で挿入されることで、読者には事件の真相が少しずつ見えてくる中、登場人物たちが右往左往する様子にはヤキモキさせられますし、同時に主人公たちのそれからにハラハラします。

    自分の身を守るだけでなく、「勇気」を出していじめっ子を助けにいくという選択をする主人公の姿に、単なる「いい子ちゃん」ではない「強さ」を感じることができると思います。

  • 児童単行本・近未来パニック小説 。タマヤたちが通う学校の隣には森がある。森の中は入ってはいけないと決められている。タマヤと家が近く一緒に登下校するマーシャルはチャドにいじめられている。チャドが待ち伏せしているのでマーシャルは森を通って家に帰ろうとするが、森の中でチャドに絡まれ、タマヤが泥をチャドにかけてなんとか逃げる。その後、タマヤの泥を掬った手は水ぶくれになり、チャドは行方不明となる。泥には何が、そして治療のすべはあるのか。人口急増に伴うエネルギー不足を解消すべく、バイオテクノロジーによる新エネルギー開発、それが突然変異によりパニックを引き起こすといったもの。子供の家族背景、心理、勇気も十分に書かれているし、途中にある2x1=2 2x2=4 2x4=8 とか科学者とのインタビューがより恐怖や謎の解明に向けてのアクセルになりうまく構成していた。怖すぎないのが良い。

  • 恥ずかしながら著者の名前を知りませんでした。
    初めて作品を読んでみましたが、スリルがあって、ティーンエイジャーのリアル心情が描かれていて、社会情勢も組み込まれていて、とても面白かったです。
    タマヤは立派だ。タマヤに比べたら、マーシャルは年上男性なのに頼りなくて、イライラしました。後半はマーシャルも頑張ってくれましたが。

  • すごく面白く読んだ。 
    子どもたち3人の生活に、サスペンス、環境問題とかが入ってきて、ハラハラドキドキ。特にぐっとくるのが、年下の真面目な女の子の勇気。作家が子供のことを信頼している感じが伝わってくる。

  • おもしろかった!リアルだった

  • 久々にルイスサッカーさんの本を手に取った。増え続ける世界人口に対して、エネルギー不足を補うために人間が生み出した微生物の脅威を描く。テーマがなんともリアルで、心置きなく楽しめる!って感じでは受け止められない作品になっていた。それでもルイスサッカーさんのユーモア、子ども達の生き生きとした描写は見事に健在で、もっと読んでいたかったなぁという気になった。本当に、人類はどうなっていくんだろうねぇ…衝撃的だった「サピエンス全史」の後編をまだ読んでいなかったことを思い出して、人類の未来についてまた考えたくなった。

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