ボクって邪魔なの?

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 25
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093453134

作品紹介・あらすじ

親から虐待されていた大介…。施設に向かう道すがら、大介はそっとささやいた。「先生、ボクのこと忘れないでね…。」感動ノベル。

感想・レビュー・書評

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  • 教育問題を扱った小説2篇。
    心が痛かった。
    人間関係が辛かった小学校時代の自分と、子供の心に気付いてやれない大人になってからの自分。
    両方を思ってしまった。
    何が最善かは分からないけれども、前向きに真剣に取り組んだら何かが生まれると思った。

  • 学校の先生がメインの話でした。実話を元に作られたと言うので、余りにもひどい場面を読むと先に進めないほど辛くて。私は子育てにポリシーみたいなものはありません。そんな風に冷静に子育てが出来ませんから。してはいけないなと思うことはあります。いけないと思ってもしてしまうこともたくさん。自分がいいと思うことをいつもしてあげたいと思ってもそれも出来ない。子育ては自分を育てることでもあるんだろうなと思います。子育てをしてみて初めて自分の幼さを自覚したり、自分の負けず嫌いを悟ったり、短所ばかりが目に付くようになりました。自信がなくなってしまうこともたくさん。だから人に強気でいけなくなりました。決して自分が正しいとは言えないよなと妙に弱気になることも増えました。そんな自分の弱さを息子に曝け出すことにも抵抗があります。親になることはとても大変です。自分らしく生きていくことに疑問を感じてしまうこともあります。


    そんなことが頭の中をぐるぐるしている私には先生の格闘がとても貴重なことだなと感じました。昨年の息子の担任には辛い思いをさせられたので余計に。所謂ベテランの教師には自分よりも若い母親の言うことなんて表面上は聞いていても、実際に心には響いてないんだと言うことが良く分かりました。私はもっと気持ちをぶつけて戦った方が良かったのかなと今は少し後悔する時もあります。でも親がそうすることで息子に矛先が向いてしまうかもしれないと思うと、どうしても強気に出れなくて。


    先生だって親だって決して完璧ではないということを忘れてはいけない。そう思います。





    本の感想じゃないかもしれない。

  • 親子の間の話かと思ったけど、小学校の先生のお話だった。
    一話めはベテラン教師である主人公が担任をしているクラスにいじめが発生して、いつもの要領で丸く治めようとしたのにうまくいかない・・・。
    疑問を抱きつつも家に帰ると今まで素晴らしくいい子だった中3の娘が塾へ行かず部屋に閉じこもって出てこない。ご飯も食べない。
    あとは家族関係とクラスがガタガタと音を立てて崩壊していく。
    子供は親が見たまんまではないこと。
    親がいい子だと信じて、言葉にすることが必ずしも子供のためにならないばかりか、大きな負担を負わせることにもなるとこの話を通じてわかった。
    2話めもやはりクラス崩壊。
    親に虐待されている小学校2年の男の子が問題を起こす。

    どちらの話も解決の糸口は、自分に自信を持っていたときは軽蔑していたり、軽くあしらっていた同僚や保健室の先生に大きな力を借りて
    自分の間違いに気づいていく。

    先生をしている人が読めばかなり共感して、おもしろいのかもしれない。
    2008.7.25

  • モンスター、さらにネグレクトな母親、その子どもにそれぞれ振り回されながらも、着地点をなんとか見つけるまでの教師たちを描いた小説が二編収められている。家庭が安全基地とは言い切れなくなっている現在、そのしわよせは確実に学校にきてる気がする。でも、学校という場所で悩めるココロを真正面から受け止めることができたなら、子どもたちは確実に羽ばたける。教師たちだけで対応できないなら、スクールカウンセラーなどのココロのプロの力をかりてでも、ここは真摯になる道を選ぶ―。日本の教育の場がそっちに向かっていくことを見守るだけでなく、共に手を携えていきたいと思った。

  • 教職員を目指す人すべてにプレゼントしたい。
    ひとりよがりな金八かぶれを増やさないために。
    著者には珍しく小説形式ながら、たしかな取材に基づいている。
    シャイな学生さんは嫌いな先生の下駄箱にこっそり入れておくといいよ。

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著者プロフィール

吉永みち子
1950年埼玉県生まれ。東京外国語大学卒業後、競馬専門紙「勝馬」の記者となる。吉永正人騎手と結婚後、『気がつけば騎手の女房』を発表し、大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。ノンフィクション作家としての執筆活動を続ける。テレビコメンテーターと活躍するとともに、政府税制調査会などの委員を歴任。現在は、映画倫理委員会副委員長、民間放送教育協会会長、日本年金機構理事などをつとめる。著書に『試練は女のダイヤモンド』『終活にハマる女たち』『増補文庫版 怖いもの知らずの女たち』などがある。

「2022年 『老いを楽しく手なずけよう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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