- Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093523660
作品紹介・あらすじ
“天才”太宰と駆けぬけた著者の青春回想録
作家・檀一雄は太宰治の自死を分析して、「彼の文芸の抽象的な完遂の為であると思った。文芸の壮図の成就である」と冒頭から述懐している。「太宰の完遂しなければならない文芸が、太宰の身を喰うたのである」とまで踏み込んでいる。
昭和八(1933)年に太宰治と出会ったときに「天才」と直感し、それを宣言までしてしまった作家・檀一雄。天才・太宰を描きながら、同時に自らをも徹底的に描いた狂躁的青春の回想録。作家同士ならではの視線で、太宰治という天才作家の本質を赤裸々に描いた珠玉の一編である。
感想・レビュー・書評
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・太宰治コーナーにあったのがびっくり。
・檀一雄さんの太宰治愛がすごい。ほー。
こんな友人というか師というかいい関係。迷惑かけたりかけられたり。かけられたりのほうが多かったかもやけど。
・走れメロスのきっかけになったんじゃないかという熱海事件。なんでああいうことになってしまうのやら。お酒飲みは。
・ふわふわとたゆたうように生きるおおばようぞう。もとい津島
,中原中也も。立原、菊谷栄。
・70p
太宰の散歩姿が、今でもはっきり目に浮かぶ。まるで、悪魔に捉えられた囚人のようだった。
・太宰治の口ぐせ
何にも見るな。何にも聞くな。ただ巧言令色であれ
どういうことだろう。夢の世界で生きるってこと?
・太宰治に比べると周りの人は真面目にみえてくる
・檀一雄さんが太宰治を懐かしんで、近づこうとするけど近づくことがむずかしいそう思っているように感じたのは何故だろう。太宰治に憧れてたのかな。
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元々読みたかったもののなかなか見つけることができずに諦めようとしていましたが、P+D BOOKSとして再登場?してくれたおかげで読めました。
太宰について調べているとたびたび出てくる言葉がどのような場面でどのように出てきたのか気になっていたのですが、この本を読んでやっと知ることができ満足です。
太宰がどんな人間なのか、太宰の周りにはどのような人がいたのかなど、太宰を知ることによって太宰の作品を読んだときに感じることがまた変わってくる気がするので、太宰の作品とともに繰り返し読みたいと思います。 -
太宰治と親友だった作家壇一雄の小説。太宰治との交流が書かれている。一緒に遊んだ日々や会話。それはたぶん事実に基づくものなんだろう。プライドの高さ繊細さが見え隠れする。著者は太宰治は「自死しないと自分の文学は完成しない」と思っていたと書いている。太宰治といえば何回も自殺未遂を繰り返し(心中を計画し女性だけ死亡したケースも何回かあり)最期もやはり心中だったという作家。彼が自殺した理由は文学の為だけだったのか。一緒に心中した女性については一行も書かれていない。そこに著者の色んな感情が隠れているような気がする。