Metro2033 下

  • 小学館
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093567121

作品紹介・あらすじ

アルチョムの暮らす博覧会駅に現れ、人々の心を操り、銃弾をも恐れぬ謎のモンスター。アルチョムは駅を救うために暗く、危険なトンネルを旅し、様々な駅を巡る。人類と"黒き者"の戦いの結末は-?暗い地下世界の冒険もヒートアップ。

感想・レビュー・書評

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  • 核戦争後の荒廃したロシアを描く本作。
    以下、ネタバレ含みます、注意。




    下巻では、エホバとイエスの救済を説く宗教団体に拾い上げられたり、カタコトの言葉を喋る食人種の原人たちに捕まったりと、相変わらずアルチョムの旅は忙しい。

    ハンターとの約束によって、結果的に仲間を増やすことには成功した。
    だけど、アルチョムが自分の使命「黒き者」とのバイパスになるには、あと一手足りなかった。

    父を失い、希望も失ったエンディング。
    えっと、ここで、終わりますか?(笑)
    上巻で999に似てると言ったけど、後味も似てるなぁ。

  • 終末戦争から十数年後の2033年、生き残った人類はモスクワの地下鉄(メトロ)に逃げ込み、細々と生活していた。
    放射能で突然変異した生き物からの侵入や自治国化した駅同士の小競り合い、人種やイデオロギーの対立など、人間の悪い部分を集めて煮込んだ闇鍋のような世界になっている。

    主人公アルチョムは自分が育った故郷(駅)が「黒い者(チョヌルイ)」と呼ばれる化け物に侵略を受けている。

    全身真っ黒で、叫び声により人間を錯乱させ、銃で打ってもなかなか死なないモンスター。

    なぜ自分の駅にだけ出現するのか。
    どこから来ているのか。
    侵入を許せばメトロすべてが黒い者に殺されてしまう。

    打開策を見つける使命をに担い、メトロの奥地へ旅立ったアルチョムの冒険。

    個人的には「そう来ちゃいます?」という意外な結末でした。

    しかし全体を通して見れば、一貫していいて悪くない人間らしい結末だと思います。

    いやーしかし路線図見ながら読むの大変!

  • 私は現在モスクワ在住です。
    この小説の舞台となっているモスクワの地下鉄、普段から非常に良く利用しています。
    なので、附属されている駅の地図などを見なくても、おおよその場所は把握する事ができました。自分の最寄り駅が出てきたときも驚いたくらいですし(笑)ただ、長い駅名やロシア人名が多いので、慣れていない人は読みにくいだろうなぁと思いましたね。

    ストーリーも面白かったですが、結末に少し切なくなりました。
    人間の愚かさや傲慢さなどを、非常に良く表せている小説だと思います。
    「METRO2034」が続編として出版されているようなので、こちらもモスクワの書店で探してみようと思います。
    またこれを原作にしたゲームもあるようなので、やってみたいと思いました。

  • ■後半になるとストーリーはどんどん加速して行く。次から次へと困難に直面する主人公だけど、本人の努力と偶然の幸運が重なることが多く、問題を解決して突き進んで行く。

    ■その幸運の繰り返しに「なんでこんなにラッキーが続くのさ..」って思いながら読んだんだけど、それもちゃんとラストに謎解きがされる。宿敵である「黒き者」を一閃するラストシーンは思わず「ウワ~ッ!」って声が出ちゃうほど。

    ■こんなに悲しい結末だったなんて...ね。道内某所へ出張する往復のクルマの中で読了。(笑) これって、既にゲームにもなってるんだね。確かに面白いかもね。

  • アルチョムの母とスホイに対する想いには涙が溢れました。
    エンディングは基本的にゲームの2033と同じですが、ラストライトの要素も含まれています。
    あとがきに書かれていたバットエンディングより、本作のエンディングのほうが心に刺さるものがあります。

    途中に少し中だるみした感じがしましたが最後まで読みきると、過ちを繰り返す人々を描くのにどれも重要で、無駄のない内容だったと感じました。

    続編がどうなるか凄く気になるので、続編の日本語訳を出版社さんお願いします!

  • うわ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    電車で読み終わって、家に帰った後、ウッ...と泣いた。

    大体はアルチョムが[地下都市]にたどり着いてからの話。
    あとがきにある地下都市前で命を落とすっていうエンディングは大概だけど、こっちのエンディングも大概だ...。そのこともあって下巻の方は少し蛇足感がある印象で星4つだけど、お話としてはも〜〜5つ付けまくり。

    これまでアルチョムが感じてきたこと、体験してきたこと全てが最後の[黒き者]のシーンに集約されていく。快感と絶望感やべ〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    アルチョムはドロンのような気持ちになったのでは、と思うけど、少し質の違う絶望の気もする。これからどう生きていくんだろうか。

    メリニクと隊員たちと歌うところと、博覧会駅に帰ってきたシーンがグッときた。

  • アルチョムの長い長い旅が終わる。 エンディングはゲーム版と同じ。その時のアルチョムの心情が綿密に描写されている。エンターテイメント性という点ではしっくり来ない終わり方だが、核戦争後の人類の「業」を正直に描いている。 ゲーム版では描かれている続編である「METRO2034」の翻訳も期待したい。

  • ポストアポカリプス物。ゲームから入った口だが、文が平易で分かりやすいことも手伝ってゲームクリアより先に読了。巻頭に路線図が付いてるのも親切。
    使命を持った若者が様々な人との出会いと別れによって精神的に成長していく典型的なストーリーだが、故に結末の虚無感も大きい。地上を追いやられ生きる舞台を地下に移したところで、人間の本質は変わらない。経済が生まれ、イデオロギーが生まれ、宗教が生まれ、争いが生まれる。
    放射能の影響で精神攻撃能力を得ることについては触れない

  •  同名TVゲームで遊んでいる頃から興味があったので、購入しました。
     ゲームは大変面白かったですよ!

     さて、原作小説はといいますと、主人公の青年アルチョムの心理描写が丁寧にされています。苦難の連続にぶつかりながら、自分の使命を果たそうと果敢に進む姿が印象的。

     下巻では様々な場所で苦難にぶつかり、人々と出会いながら、人類の存亡をかけた戦いに身を投じるアルチョム。人類をメトロに追いやった「裁きの火」をミュータント達に放つ事ができるのだろうか?

  • 上巻から間を置いてしまいましたが読了しました。
    核戦争後に地下鉄に閉じこもる生活をする人々は、宗教や理想を杖に歩き続けている。
    主人公アルチョムが様々な思想や思念と触れることで、何が正しいのか、人生とは何なのかと悩む後編です。
    お話の最後はアルチョムにとって虚しいものとなりますが、これこそが人間という生物なのだと痛感します。
    しかし残念なことが一つ。
    読み終えても解決されない謎が多いことです…。

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