弥勒世(みるくゆー) 上

著者 :
  • 小学館
3.69
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本棚登録 : 159
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (609ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093797825

感想・レビュー・書評

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  • 昔読んだ本

  • 沖縄返還目前の時代を舞台に、同じ施設で育った尚友・政信・仁美の微妙な関係、米軍内の人種差別、沖縄内部の差別などが、尚友の視点から描かれます。
    全てに絶望している尚友は、汚れ仕事に手をつけることも辞さず、CIAの犬となり米軍内の反動勢力、反米活動家たちと接触します。暗く重い内容ですが、面白くて引き込まれました。続く下巻で物語が、どこに着地するのか楽しみです。

  • 最高!

  • 沖縄の地理、世相、方言を理解していないと入ってこないかも馳さんは沖縄に住んで書いていらしたのかな
    ハードな内容ですがご本人は愛犬家らしいので(バーニーズマウンテンドック)自身と重なりなぜか安心

  • 上巻完読。
    なんだか馳星周ぼくないというか。現実離れした暴力とカオスと迫力が、良くも悪くも色だと思うんだけど、大人しすぎて「あれっ?」って感じる。
    ひとまず下巻に期待。

  • $$最近はマンネリ&ワンパターン気味。$$テーマも沖縄で馴染めないし、方言も$$かえって分かりにくい。

  • いつもの馳節。早いテンポは健在。

  • 舞台は返還少し前の沖縄。やまとんちゅでもうちなーんちゅでもない、local identityを持てずにいる男が主人公。狂気に呑込まれていくノワール小説という枠組みはいつも通りだが、その中に沖縄の一時代をうまいこと盛り込んだと思う。
    僕自身うちなー好きで何度か訪れたけど、基地関連の土地はまだ通り過ぎただけだ。当時(40年以上前)の面影は殆どないのかもしれないが、一度はコザや嘉手納にも行ってみないとな という気になった。
    物語全体の展開は・・・ちょっと冗長だったかな。amazonなどでは「イッキ読みできた」的なコメントが散見されたけど、僕は読了するのに予想以上に時間がかかった。

  • 沖縄などを舞台とした作品です。

  • (要チラ見!)/文庫

  • 文章から匂いそうなくらい漂うリアル感。当時の沖縄は知りませんが、丁寧な描写はさすがです。また、この上巻では、助走、助走、ということを言い聞かせながらなんとか読み進めました。下巻へ続く。

  • 沖縄関係の映画や本を読むとき、「悲しい過去や弱い者たちを金儲けに利用してはいないか?」と考えてしまう。
    経験した事のない事を種に「世界平和だ」とか、実際にそこに暮らしていないのに「自然保護だ」とか、キレイゴトのメッセージに身を委ねて気持ちよくなるのは、その地で懸命に生きる人に申し訳ない。
    そんな事を考えながら、この本を読み始めた。
    まだ、上巻しか読んでいないが、この本は金儲けだけの本じゃない気がする。
    この本は売れない。
    なぜなら、重い。
    ページ数が重いのはもちろんのこと、話題が重すぎるし、救われない。
    でも、私は この本に期待をしている。
    さ、下巻よも。

  • 佐藤政権の沖縄返還前、施設で育った暗い野望を持つ記者の尚友、三線の名手で天才の政信、混血の仁美。沖縄の混沌とした時代を、彼らを軸に描く。基地内の黒人と白人の対立、日本からもやって来る運動家、尚友の見る沖縄に光はあるのか?下巻が楽しみである。

  • 沖縄返還前の米兵と沖縄島民との対立,また米兵の中でも黒人と白人の対立.そんな中を米軍のための新聞の記者だった伊波尚友は,全く逆の労働者のための機関誌の記者になるが同時にアメリカ側のスパイになる.

  • ものすごく長編ですが、とてもおもしろかったです。
    沖縄の返還の時代の日本とアメリカーの間でだんだんと鬱屈していくうちなんちゅーの様子や、主人公をとりまく人間関係や、精神状態の機微などがとても興味深くて私を含め根暗な人には最高です。
    沖縄の言葉のやわらかさが内容の深刻さを少し救っているようなそんな印象でした。

  • 感想は下巻に

  • 素敵♪素敵♪ これぞ馳さん♪

  • <DIV style="background-color : white ;color :black ;padding : 8px 8px; border : 1px inset #ddd; margin : 0px 5px;">沖縄返還闘争の実像とはかなり距離がある描写のように感じた。テロリズムに流れる憎しみと虚無感は伝わる。存在しない感情とも言えないだろう。しかし、だ。あまりに希望を捨象しすぎではないか。馳作品に希望をもとめるすべもないが…。歌舞伎町での抗争には野獣めいた、明日なき闘いが似合う。政治の場合は、そうではないだろう。</DIV>
    返還前夜の沖縄の現実を抉り出す暗黒小説。コザで英字新聞の記者を務める伊波尚友はCIA局員から反戦活動に関するスパイ活動を迫られ承諾。激化するベトナム戦線をめぐる黒人と白人の対立、地元住民の不満が燻る中、反米活動を続けながら情報を集めていく。

  • 2008/ 9/20 より読み始める。現在、まだ45ページ目。

    馳 星周の作品は好きなので、読み勧めるとハマるはず。
    まだ45ページ目なので、なんとも。

    読後、感想を更新します。。

  • 沖縄本土返還前の話。尚友、政信、仁美、同じ施設で育った孤児。孤独に生きている。世を憎み、憎しみが生きる力になっている。アシバーのマルコウやアメリカーのミスタホワイト、スミス。学生も加わったり、サイドストーリーがあちこち入りながら進んでいく。読み応えある。考えさせられる。2008.4.21

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著者プロフィール

1965年北海道生まれ。横浜市立大学卒業。出版社勤務を経てフリーライターになる。96年『不夜城』で小説家としてデビュー。翌年に同作品で第18回吉川英治文学新人賞、98年に『鎮魂歌(レクイエム)不夜城2』で第51回日本推理作家協会賞、99年に『漂流街』で第1回大藪春彦賞を受賞。2020年、『少年と犬』で第163回直木賞受賞した。著者多数。

「2022年 『煉獄の使徒 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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