あなたにも5000万円貯まる信じられない「仕組み」: 上地明徳の投資信託ゼミナール積立投資のすすめ

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  • Amazon.co.jp ・本 (159ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093797870

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  • アメリカの調査で、1984年~2002年までのアメリカ株に投資する投資信託の平均リターンが約10%だったのに対し、実際にこうした投資信託を購入した投資家がその期間に得たリターンの平均はわずか2.6%だった。

    これは、投資信託を保有し続けているだけで10%の利回りが得られたはずなのに、その間に余計な売買をすることで収益を逃してしまったということ

    多くの人が損失を出してしまう理由は、実は人間の本能と深く関係している

    人間の脳は利得よりも損失に2倍敏感。

    投資の成功を阻んでいる最大の要因は、人間の「感情」

    これからの時代、国民が不安や忙しい中で、投資は誰でも簡単にできるものでなくてはならない

    昔から資産運用が盛んなアメリカでは、ごく普通のサラリーマンが退職までに億単位の資産を作るのも珍しいことではない

    若いうちに億万長者を目指すには、特別なチャンスや才能が必要だが、リタイヤまでという十分な時間があれば、億万長者を目指すのはちっとも難しくない

    「投資信託」と「積立」がキーワード

    カリフォルニア大学バークレー校のフィリップ・テトロック教授は、著名なエコノミストや評論家の相場予想の精度を8000件のデータで調査した。

    その結果、彼らの正答率は50%を下回っていた。上がるか下がるかを予想するだけなのに、半分も当たっていない

    そもそも、もし彼らが正確に相場を予想できるとしたら、その通りに売買すれば常に大儲けできるはずだが、それで長い間儲け続けている人は聞いたことがない

    常に正しく予想ができる人なら、テレビや雑誌に出たりしないで家でトレードをしているはず

    プロの予測でも、しょせんはこの程度。相場予測で投資をするのはギャンブルと同じになる

    書店で「1年で3億円儲けた」とか「月に100万円を稼ぐ」とかの本の人は、たまたま2分の1の確立で当たり続けた、幸運が続いただけ

    市場の値動きは相場観ではなく、統計学の観点で判断する方が正しい結果を得られる

    ニューヨーク株式市場の過去208年のデータを分析すると、平均すれば4年に1年は下落相場となるが、他の3年は上昇している

    また下落相場が続いても最長で4年、といってもそこまで長い下落相場は過去2回しかない

    ということは、永遠に下がり続ける相場はない、ということがわかる

    「儲かる投資先」は毎年目まぐるしく入れ替わっている → 分散投資
    何が上がるか分からないから、世界中に投資してしまえばいい

    ずっと儲かり続ける相場はないし、逆にずっと損をし続ける相場もない

    「正しい運用」の第一歩は、まず相場観を捨て、予測をやめることから始まる

    サブプライム問題のような金融不安のような時は、世界の株式市場が揃って下落するから、そこで、世界中の債券など、ほかの資産と組み合わせて保有すると、収益が安定する

    債券は金利を密接に連動しているが、結果的に株式とは逆の値動きをすることが多い

    分散してもマイナスが出るのが普通。1度たりともマイナスにならずに資産運用する方が到底無理

    でも分散しているとマイナス幅とその期間が全く違う

    サブプライムよりひどい金融危機はいくつもあった。
    例えば、世界恐慌(1929年)、ブラックマンデー(1987年)、ロシアショック(1998年)

    これらは長い目で見ればたいしたことはない。よくあること

    少ししかお金がなくても、十分に分散投資できるのが投資信託

    ニューヨーク株式市場の過去208年の毎年の平均リターンを見ると、多くは0~10%、次に10~20%、その次に20~
    30%、そして4番目が0~マイナス10%

    この208年間の年平均利回りは、約8.63%になるから、長期分散すればだいたい8%になる

    208年のうち、4分の3は上昇しているので、やはり3年上昇して、1年下落する
    だから1年以内に儲けようとする人にはリスクが高いかもしれない

    長期で投資すればするほど、平均に近づく

    1929年の世界恐慌と、日本のバブル崩壊だけ、10年投資しても元本割れになるが、20年の長期投資をすれば、2倍になる

    積立投資なら、「高値づかみ」を避けることができる

    積立投資は、はじめから右肩上がりの相場より、一度値下がりする相場の方が最終的には大きな収益を上げれる

    積立投資は、損をする方が難しいとまで言われている

    積立投資なら商品のパフォーマンスは、あまり気にする必要はない。最悪の商品でも儲かってしまうから、分散することだけ気をつければ、何を選ぼうと、そんなに大きな差はない

    バブル最高値の1989年12月から日本株に毎月一定額の積立投資をしていれば、2008年5月の時点で利益を出すことに成功している

    資産運用の成功の秘訣は、「何もしないこと」
    とにかく正しい割合で正しい投資信託を購入したら、あとは何もしてはいけない

    バフェットの名言の一つに、「株を買ったら無人島へ行きなさい」

    運用で成功するには知識や相場観ではなく、市場の変動に一喜一憂しない強い精神力

    最初の仕組みづくりが大切で、時間がお金を育ててくれるから、とにかく一刻も早く始める

    10年以上かけて積立投資をするなら、あえてリスクの高い投資対象に絞ってもいいかも
    時間の分散になるから、リスクを減らせる
    積立は値動きが荒いものほど収益を上げやすい。一般的に積立投資は途中で下落局面があればあるほど、後から上昇したときの収益が大きくなる。だから値動きが安定した商品よりも、荒っぽいものに積み立てる方が最終的には儲かりやすい。積立投資は急落時こそ大きなチャンス

    先進国と新興国の投資信託に、半分ずつ積み立てるおのがオススメ

    一括投資は時間分散できないから、ポートフォリオが大切

  • 紹介された本です。
    副題に「投資信託ゼミナール」とあるように、投資信託について肯定的に書かれた本です。
    正直言ってよい面だけが書かれすぎているなーと思います。
    (最も投資に関する本はそんなものでしょうが)
    もちろん、それが悪いわけではなく、よい面があるのも事実なので導入本としてはよいのでしょうが、過度に期待をもたせるのも罪だなと思ってしまうわけです。
    まあ、よい面を信じて投資の一手法として活用するのが一番ですね。

  • ■なぜ資産運用に失敗するのか?

    その答えは、投資の成功から遠ざける最大の要因は人間の「感情」だといいます。ダニエル・カーネマン教授(ノーベル経済学賞を受賞)の研究によると、人間の脳は利得よりも損失に2倍敏感に働くそうです。(人間の進化過程では、負けること=死を意味していました)

    人間の本能が邪魔をして、さまざまな場面で人間は危険から身を守る性質を持っています。人間は資産運用でもこの本能が働き大きな損失をすると逃げる性質から、最悪のタイミングで損切りしてしまう・・・結局、感情のままに取引を繰り返していては損を重ねるだけだと上地さんはいいます。

    こうした人間の「感情」に影響されず、着実にお金を育てていく「仕組み」こそが、資産運用が成功するポイントです。

    ■「ハーピーリタイアメント」には5000万円が必要!
    65歳以上、夫婦るたりの1世帯あたりで、趣味や旅行を満喫する楽しい老後といったある程度ゆとりのある生活を送るには月38万円必要だと言われています(生命保険文化センター資料より)。

    ところが公的年金などの平均収入は月19万円程度にすぎません。ゆとりある老後を送るために必要な38万円から公的年金の収入を引くと19万円不足しています。

    65歳で退職し、平均余命を21年とすると(日本人の平均寿命、男性:79.00歳、女性85.81歳)
    不足金額19万円×12か月×21年=4,788万円
    退職金をあてにしない人は、自分の力で老後資金を約5,000万円用意しなければなりません。

    本書では普通の人でも5,000万円貯める「仕組み」づくりを紹介しています。

    ■「正しい運用」を実践するための「仕組み」づくりとは?
    上地さんも昔は投資の勉強をしてデイトレに熱中していた時期があったそううですが、ほとんど報われなかったそうです。

    その後、大学の教員になった上地さん。サイエンスの観点で市場をみるようになりました。すると「市場の値動きは相場観ではなく、統計学の観点で判断する方が正しい結果が得られる」とわかったそうです。

    専門家の相場予測でも正答率は50%以下だといいますから、市場がどう転んでも大丈夫なようにしておくことがポイントです。

    市場暴落時にも強さを発揮するのが分散投資です。(詳しく知りたい方は上地さんの著書を読むことをオススメします。わかりやすい言葉で丁寧に書かれています)

    分散投資として投資信託をつかって資産運用するべきだと上地さんは伝えています。

    ・投資信託
    ・長期投資(最低でも5年、できれば10年以上持ち続けることでリスクを抑えられる)
    ・積立投資(=ドルコスト平均法)

    時間の分散投資であるドルコスト平均法は資産形成する上で「損する方が難しい」とまでいわれる最強の投資手法であると上地さんは伝えています。

    資産運用で成功するための「仕組み」づくりとは・・・

    簡単に言うと
    投資信託を使って広く分散投資し、長期保有で積立投資をする
    ということになります。

    これだけみれば、「とっても簡単!投資信託を積立投資で持ち続ければいいんだ!」と思います。

    でも、実際はこの手法を実践するのは難しいのです。

    「正しい運用」を行う上でその運用の邪魔をしてくるクセモノがあります。

    それは人間の「感情」。

    せっかく投資信託を買っても値下がりするとびっくりして怖くなり、不安にかられこれ以上損失を出したくないと、損失をだしたまま売却をしてしまう投資家が多いです。

    上地さんの著書を読めば、そんなときでも売却せずに持ち続けることのメリットがきちんと解説されています。一時的に元本割れするのは当たり前で長期保有すれば8%の利回りに近づけるから慌てる必要はないといいます。

    それでも、わかっていても怖くなるのが人の心。感情に左右されない「仕組み」づくりこそが資産運用を成功する秘訣です。

    資産運用は技術力より精神力が大切だと上地さんはいいます。納得。私が運用に失敗したのも(笑)精神力が足りなかったからだとこの本を読んで気づきました。日々成長です☆

  • 今回の一冊は、あなたにも5000万円貯まる信じられない「仕組み」―上地明徳の投資信託ゼミナール 積立投資のすすめ
    上地 明徳著の紹介をします。


    銀行の金利や年金ももうあてにできない時代、資産は自分で増やすしかない。
    でも、投資って怖いし不安ですよね。相場とか読むの難しそうだし・・・

    本書は、一攫千金を目指す人や短期的に儲けを出したい人向きの本ではなく、長期的に積立投資をしながら、利益を生み出そうという指南書。

    投資には興味がありましたが、どの投資をするべきか悩んでいた初心者の私にとっては、わかりやすく、読みやすく資産運用を始めようと思っている方へもピッタリだと思います。

    「相場は予測できない」ことを前提とした仕組みや、なぜ投資信託なのか、どの種類を選ぶと良いのか等、目から鱗な情報が満載。

  • これ読んで長期で積立投資信託の勉強を始めました

  • 0809

  • 投資信託は、まんべんなく全部買うとリスクを回避出来る、という内容。まさにその通り。
    馬券も全部買うとどれか当たる?
    どんなにタイミング悪い時期に買っても、15年保有していれば元に戻るとか。サブプライム暴落直前に大量にファンドを購入してしまい、その後リーマンショックがあり、価値が半分に下がった。
    あと10年待てば元に戻るのかぁ〜。

  • 09/03以前に読了

  • ハッピーリタイアには5000万必要
    長期投資なら値動き大きめ
    海外株式と新興国株式に半々
    積立投資

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著者プロフィール

1958年東京生まれ。オンライン金融ビジネススクール「上地ゼミ」主催者、一般向けには同じくオンラインで学べる「アール宅配便」を通じて長期国際分散投資の啓蒙活動を行う。また、信州大学経営大学院特任教授としてファイナンス科目を担当。
早稲田大学大学院経済学研究科修士課程修了、 米国モルガン・スタンレー証券にトレーダーとして入社。 1998年、日本初の投資信託専門証券会社の設立に参画、同社にて専務取締役。その後、米国大手資産運用会社にてアドバイザーを歴任。
『ダマされたくない人の資産運用術』(小社刊)のほか著書・論文多数。2014年、大阪銀行 協会より論文『銀行の投資信託販売と投資家の行動バイアス』で優秀賞を受賞。2016年、『年金民営化の経済分析』で特別賞受賞。

「2019年 『老後の資金 10年で2倍にできるって本当ですか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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