- Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093861380
作品紹介・あらすじ
「ねえ、帰り道が分からなくて泣いているんでしょ?」「この先が、あなたの帰る場所よ。ひとりで行ける?」「さよなら。もう、ここに戻って来ちゃ駄目よ」ぼくらはばらばらではなく、みんな繋がっている。誰もが誰かと誰かの触媒であり、世の中は様々な化学反応に満ちている。それがきっと生きているってことなんだと思う。それは、磁力や重力なんかよりもはるかに強い力だ。それさえあれば、あの空の向こうにいる誰かとだって私たちは結びつくことができる。小さな人生の大きな幸福の物語。
感想・レビュー・書評
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再読。
子供の頃の初恋に見切りをつけ、大人になって2番めに好きな人を定めたら、
見切りをつけた過去が輝かしくやってきた話。
(ホラーじゃないよ!)
初期の市川作品らしく「ほんの少しのファンタジー」「ヒューイックと鳴く犬」が登場。
本作も別れはあるけど「Separation」や「いま、会いにゆきます」とは違って悲しみで胸が苦しくなるようなものではなかった。
読んでて、彼らの青春は少しいびつに歪みながらも、キラキラ輝いていたように感じられました。
そしてハッピーエンドってのが良いね!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
出会うこと、好きになること、思いやること、思い続けること、そして、別れること。
この小説には人間の持つたくさんの優しさが書かれています。
色んな愛を感じられる作品です。
ペンネーム:S.H -
(1.8)
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岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00304448
とある地方都市で小さな水草ショップを営むぼくのもとに、ある夜ひとりの美しい女性が現れる。店のドアに貼ってあった求人チラシを手にして……“アルバイト募集 年齢性別不問。水辺の生き物を愛する方ならどなたでも”。この出会いが、奇跡の始まりだった。著者の愛する映画『ノッティングヒルの恋人』へのオマージュで始まるファンタジックな青春ラブストーリー。(出版社HPより) -
やはり大切な人、好きな人には瞳を開けて自分を見てもらいたい。そして一緒に歩きたい。「ただいま」その言葉がどれほど待ち遠しいか、そんなことが強く伝わってくる作品です。
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後半のファンタジーさが意外でしたが、不思議と抵抗なく読めました。
純愛、友情、家族愛。色んな要素が詰まっています。
「そのときは、彼によろしく」この科白を誰が誰に言うのかを気にしながら読み進めましたが、ここで出てきたかと思い、心に染みました。
公園での美咲さんとの場面は切なくてグッときましたが、その後の展開にちょっとびっくりでした。 -
リアリスティックな話しだと想ったけどファンタジーの要素もあり面白かった。お幸せに!
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現実としては有り得ない話だが
ストーリー後半から一気に引き込まれた。 -
小さいアクアショップの店長をしている智史の元に15年ぶりに初恋の花梨が訪れてくる。過去を振り返りながら、会えなかった日々を埋めるように日々を送るが、彼女には隠している秘密があった。
表現や言い回しにユーモアさと知的さがある。読みやすくて少し不思議な世界でもスッと受け入れられる。「そのときは彼によろしく」というタイトルに色々なことが詰め込められているようで、読み終わってしばらく余韻が残る。
この言葉は誰から誰宛のもので、誰に授けられた言葉だったのか知るときに、自分の予想とは違いそれが少し発見したような気持ちになった。 -
「ぼくは、永久に生きてみたいとは思わない。[...]きっとぼくの心は永久とか永遠とか無限とかさ、そういうのに耐えられるように出来てないと思うんだ。」(287ページ)
永遠は無理かもしれない。
世の中がとても重くて苦しくなりそうだから。
それでも、あと頃、あの場にいた唯一の仲間たちとの思い出は永遠に想いに抱く主人公。
風変わりで、無垢で傷つきやすくて、
でも暖かくて優しい人たちの物語り。