津軽百年食堂

著者 :
  • 小学館
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感想 : 99
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093862455

感想・レビュー・書評

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  • 田舎のよさ、家族の絆、などが嫌みなく書かれていて、読後感がとてもよいです。

  • 津軽・弘前にある創業百年を迎える食堂を舞台とした物語。食堂の創業者である初代・大森賢治の明治と、4代目にあたる主人公・大森陽一の現代を行ったり来たりする。同じ弘前のりんご農家の娘である七海との淡い関係がセンチメンタルな懐かしい感じ。弘前が舞台ということで、岩木山、禅林街、弘前公園、さくらまつり、ごぎん刺し、津軽塗、もちろん津軽そばなどが詳しく紹介されており、この小説単体でも観光ガイドになるようだ。悪い人間がまったく出てこない小説だが、登場人物がほとんど津軽人なだけにそれもありだろう。この春にオリエンタルラジオの二人を主役として映画化されるらしいので、そちらも楽しみである。

  •  百年続く津軽蕎麦の店・大森食堂。現代の3代目の哲夫視点で始まり、店を開く前の初代の賢治の若かりし頃と3代目の息子で東京にいる陽一の話へ。弘前のさくらまつりの夜桜のシーンが素敵だった。

  • 百年続くお蕎麦屋さんのお話。
    1代目、3代目、そして未来の4代目のお話が見事につながってひとつのストーリーとなっている。
    心がほっこりしました。

  • どこの地にも営々と商売を続けている「店」があるものです。

    そんな店の歴史を紐解くとどんなことがあったのだろう。

    津軽蕎麦の大衆食堂4代目誕生までの百年。

    代々にはそれぞれに物語があり、それがまた次の世代にも受け継がれていく。

    小説ならではの展開なのですが、自分のルーツをたどると案外似たことがあるかもしれませんね。

  • 東北、弘前、青森などを舞台とした作品です。

  • 青森県の香りがしてきそうな小説。
    先日オリラジ主演で映画化されたばかりの小説だが、
    きっと映画もなかなか悪くなかったんじゃないかなぁ。
    受け継ぐべきものがある家庭ってこんな感じなのかしらって思いました。都会育ちにはなるほどと思う。

  • 初代は暮らしを支えるため道端で蕎麦屋を始める。テーブルも椅子も木製のりんご箱。 この時からずっとそばのお出汁は鰯の焼き干しだった。これは頭と腹わたを取り除いてから焼いてあるので 雑味がない。この香りが全編に漂っており、いい気分で読みすすめる。
    初代 賢治 妻は焼き干を売っていたトヨ
    2代目 大酒飲みで出汁には厳しいが車に轢かれて死ぬ 妻はフキ
    3代目 哲夫・明子
    4代目 陽一・七海 東京でがんばっているが店を継ぐ決心をする

  • 伊賀市上野図書館----三重県立図書館。

  • 図書館で見かけたので、映画化ということもあり
    手に取ってみた。

    すっきりと読みやすい文章で
    頭にイメージがすっと入ってくる。

    食堂の初代と、その子孫を取り巻く話は
    現代と過去を行きつ戻りつしながらも温かく
    物語に出てくるそばの出汁のように
    じんわりと懐にしみ込んでくる。

    ラストの方で、鮮やかに表紙と繋がり
    とてもきれいな終わりかたをしたと思う。


    が。
    優しく終わりすぎた感も自分としては若干感じてしまった。
    主人公の彼女の家の件は何も解決してないし
    彼女はあれほどまでに憧れていた職を手にしたのに、
    何年かして、いい歳になったので嫁ぎます、と
    辞める事ができるのだろうか。
    あるいは家族を説得できるんだろうか。

    小説なんだし、とも思うのだが

    おそらく現実に似たような悩みを抱えた人はいて
    この作者は其れに対してどう答えを出すのか。
    あたしはこの話の続きが、読んでみたいと思う。

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著者プロフィール

1969年千葉県生まれ、早稲田大学卒業。2007年『海を抱いたビー玉』で小説家デビュー。『虹の岬の喫茶店』『夏美のホタル』『癒し屋キリコの約束』『きらきら眼鏡』『大事なことほど小声でささやく』等、映像化された作品多数。他の著書に『ヒカルの卵』『エミリの小さな包丁』『おいしくて泣くとき』『ぷくぷく』『本が紡いだ五つの奇跡』等がある。

「2023年 『ロールキャベツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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