- Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093863452
作品紹介・あらすじ
喧嘩をしても、逃げたいと思っても、重くても、憎くても、嫌いでも、一生あなたから自由になれない。「母への思い」と「母の思い」のすべて。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
初めて読む作家さんです。親子の確執を巡る連作集ですが、いきなり母親の幽霊が居間に居座っているので、あれ?そういう系?と戸惑いましたが一話目だけでした。
親と子というものは絶対と考えてしまいますが、絶対なんてことはない事に大人になると気が付きます。
色々な事情で親とすれ違っている人々が主人公ですが、少しづつわかるというか、誰しも少し屈折した気持ちを持っているもんですよね。僕もそれなりにあります。
さらりと読める割に心に残る部分もあります。安易な和解で終わらないからかも。 -
姉さんは、完全に正しい。
母と娘の関係を描いた作品でありながら、作品に出てくる男性側の視点が共感を抱いた。ため息混じりに吐くような、半ば諦めにも近い感情は、女性特有?の小言を言い争いを際立たせているようだった。 -
いいよかとげんさん
-
好きな作家さんの一人です。
母と娘の関係って周りにはわからないけれど、
多かれ少なかれ様々な葛藤や想いがある。
だけど、とっても特別で。
見ていてほしくて愛してほしい。
子どもの時も大人になってからも母親って特別な存在なのだと思う。
そんな事をしみじみ思わせてくれたお話です。 -
“一時間ほどのあいだにワゴン販売を二度呼び止め、舌が焼けそうに熱いコーヒーを飲みつづけた。”加藤元の文章にはこの様に情景が浮かびつつ、一瞬ハッとさせられる「言葉の凄み」がある。そしてそれが緩急を付けさせ物語がグッとしまってくる。上手いもんだな。
-
家族の中でも母と娘がこじれたら一番難しいのかな。この本読んでたらそう思った。4人の母の中でも菜摘の母が家族だったら大変そう。だからずっと一緒にいる菜摘の父はそれだけですごいと思う。「だましだましやっていくしかないやな、お互いさまなんだから」
-
4組の母娘の関係を掘り下げて描かれた家族小説。
母親だってひとりの人間。
いつもいつも正しい言動をしているわけではない。
母の立場になったり
娘の立ち位置にいたりと
いろんな角度から読み進められて
おもしろかったです。 -
不肖私マザコンですからこういう母親ものは弱いのです。そうかーあんまり評価されてないかー。一つの新築に関わる様々な家族の母親との関係をピックアップしたショートストーリー。薄いっちゃ薄い。何が薄いかって母親の存在感。常に主人公が一番印象に残っちゃうから、テーマである母親の影が薄いんだ。ここでは主人公は名脇役に徹しなきゃ。母親の存在感を際立たせるよう立ち回らなきゃ。いやまあ自分の子供が自分を踏み台にして生きるよう下から見守るのが母親ですから、と深読みすればできなくも…できないか。あと、基本的に母親が我儘。どいつもこいつも。リアルですけど、そんなリアルさはいらないから、今は作り込まれた母親の温かさが読みたいのです。でも僕はこういう本大好きです。
-
共感度、によってだいぶ評価が変わるかと・・・。
母と娘の間のいろいろって、私もそれなりにありますが、そんなにはないのかもなぁ・・・。
あんまり干渉しない人だしな。
ん?そうでもないか。ウザいときもありますねw
上手くスルーさせる業を身につけたのかもww