ジゼル

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 514
感想 : 80
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  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093864794

感想・レビュー・書評

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  • 繊細で儚い人間関係と人のこころが丁寧に紡がれていた。

    バレエなんて、単語でしか知らなかった世界。観に行ったことも映像で観たこともないけど、景色や世界観にたっぷりと浸れた。

    心の奥にしまってあった嫉妬や焦り、怒り、妬み、欲などの負の感情がほんの些細なきっかけで表面に現れてくる描写が生々しくてとてもリアルだった。

  • 最近バレエを始めたのと、オケ伴奏の経験があるタイトルに惹かれて。
    ジゼルのストーリーに絡めたミステリーで、とても面白かった。バレエ団の日常や舞台に自分も入り込んだ様な気分にさせてもらえる。
    中でも、最初の方に出てくるバレエに対する解釈の擦り合わせの会話がとても興味深く、なるほどバレエダンサーはこの様にして作品を作り上げていくのかなと思った。
    最後はまさかのどんでん返しと真相で、ミステリーとしてもとても楽しる作品。

  • バレエを題材にした小説は初めて読んだ。
    ジゼルの光景が目に浮かぶようだ。
    殺人が起きるがそれが謎をふかめていく。
    結局殺人ではなかったのか?
    ラスト意外な亡霊の正体と意外な驚きで終わっています。

  • 面白かった。
    華麗なバレエの世界の仄暗い嫉妬、人間関係の難しさが繊細に描かれてて、途中読んでて苦しくなった。

    途中から事件が続々と起こり、犯人が気になって仕方なかった。
    私が予想した人と違ってほっとした。
    最後の最後の真実がびっくりだった。

  • 15年前の事件が現在に影を落とす。バレエのジゼルをモチーフに、正に、なぞらえた話。うっすら疑わしいあの人があんな感じで…。聖母に続き、作者の思考展開に親しみを感じるが、ラストは意外。若干の狡さを感じるが、伏線回収して大団円であることに変わりはない。
    このパターンの物語は、あくまで現実にこだわるのか、幻想交えたホラー混じりミステリーなのかどっちどっちといつも、浸りきれないとこはある。
    が、読み進めるうちに、ジゼルとのリンクが美しく物語に彩りを加えて、全く気にならなくなる。
    バレエを生で観たい!と感じさせる力を持つ作品。

  • 「ああ、トゥシューズに画鋲が...!」みたいなイメージで、少女マンガ風なエンタメホラーミステリーとして楽しんだ。主人公花音が所属するバレエ団は、皆が憧れる演目『ジゼル』は封印されている。それは15年前に不幸な死亡事件があったから。しかし記念公演としての演目が『ジゼル』に決定し、封印が解かれると共に、過去の亡霊が目撃され始めるー。何はさておき、ラストにかけてが相当に強引な展開なのは否めない。ご都合で納得できない。しかし『ガラスの仮面』等が好きな私には終盤までは面白く読んだ。『ジゼル』の世界観もワクワクする。

  • 漫画『ダンス・ダンス・ダンスール』が好きで、作中に出てくるバレエ演目『ジゼル』に興味を持ち、本書を手にした。
    ミステリ部分よりもバレエの世界観が綺麗に描写されていること、舞台を作り込んでいく工程も丁寧に記載されていることが大変魅力的であった。
    最後オチが少し弱い感じはしたものの、しっかりと終わり好印象である。

    次作も是非読みたい。

  • 2020.10.09スタート
    2020.10.16読了
    2020年の㉔
    ★★★★☆
    バレエの世界をよく知らない人たちにも読んでほしい。美しく華麗で優しい愛の物語だけじゃないバレエの世界というものを。妬み嫉み恐れという負の要素も含めてこそのバレエの世界を。あからさまに意地悪な事もしないし、性根が腐ってる悪い人もいないのに…やるせない。誰かが笑えば誰かが泣く。だから特にこの世界は辛いよね…。ま、バレリーナだけじゃないけどね。

  • これは一気に読みました。
    先が気になって、感情移入もしやすくて…
    バレエのジゼルは見たこともないし、話もよくは知らなかったけど、小説の中に分かりやすく説明をされていて、本当に読みやすかったです。
    バレエと、ミステリー
    はじめはどんな感じだろうと思って読み始めたけど、
    読んでよかった、本当に面白い小説でした。

  • 主役が亡くなってしまうという悲しい事件を機に15年間封印されてきた演目「ジゼル」を、バレエ団の発展のため再び公演することが決まった。
    皆張り切って練習に励む中、亡くなったといわれるバレリーナの亡霊を見たり、主役がまた危ない目に合うなど、不思議なことが次々と起こる。
    もしかしたら15年前の事件は真実が隠されたままなのではないか?謎に包まれた天涯孤独の若きプリマドンナの正体は?

    ---------------------

    バレエには全然詳しくないので、冒頭の新品バレエシューズをメタメタにぶっ潰すシーンからびっくりしましたし、役を獲得することの大変さや、物語人物の解釈、世界のお国柄ゆえのバレエを続ける苦労など、知らないことばかり、、

    ジゼルの話に沿う形で話はずんずん進み、やっとたどり着いた真相に納得。皆、日々いろいろなものと戦っているのだ。

著者プロフィール

兵庫県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。ロヨラ・メリーマウント大学院で映画・TV製作の修士号を取得。2008年、短編「雪の花」で第3回「Yahoo!JAPAN文学賞」を受賞、翌年、同作を含む短編集『雪の花』で作家デビューを果たした。ダークミステリー『暗黒女子』は話題となり、映画化もされた。他の作品に『絶対正義』『サイレンス』『ジゼル』『眠れる美女』『婚活中毒』『灼熱』などがある。

「2021年 『息子のボーイフレンド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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