- Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093864923
作品紹介・あらすじ
維新150年。2018年必読の時代小説
2018年、維新から150年。維新の影には、幕府の再興を信じて闘う若者たちが多くの血を流していた。
鍬ヶ崎心中の舞台は盛岡藩宮古。鳥羽伏見に端を発し箱館戦争に至る旧幕府と新政府が死闘を繰り広げる戊辰戦争の最中、宮古湾鍬ヶ崎で、幕府の復活を信じて最後の力を振り絞る青年・和磨。その一途な志を抱く男の姿に心を寄せる千代菊の悲しい恋の物語。
時代が刻々と変化する中で、変わらぬ絆を求め、せめぎ合う二人の男と女。
最後に待ち受ける二人の運命が、ただただ眩しく神々しい。
震災から7年。宮古という町に、いにしえから脈々と歴史が息づいていたことを、世に知って欲しいという著者のメッセージが強く響く。
【編集担当からのおすすめ情報】
平谷美樹渾身の大作。時代小説シリーズを多数手がけている著者が、久しぶりに書き下ろし長編作品に挑む。
感想・レビュー・書評
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2018/10/19
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後味すっきりのいい本だった。
女郎上がりの千代菊さん。いい人だね~。
その彼女に惚れられるのが七戸和磨という盛岡藩を脱藩して官軍と闘う下級武士。
この下級武士が何故これほどまでに重用されるのかが分からないが、物語は只々切ない…。 -
戦いに求められない男と、その男に求められない女。
男の一途な想いと、女の健気な想い。
鍬ケ崎の戦火の中でふたつの願いが燃え上がる。
さまざまな視点から描きつくされてきた感のある明治維新だが、この道端に咲いた花のような物語は見たことのない景色を見せてくれた。