- Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093865845
作品紹介・あらすじ
大反響のnote連載、待望の書籍化!
女として育てられ、現在は男として生きるイツキ、28歳。勤務先の旅行会社には「過去」は告げていない。2歳上のパートナー女性、サトカはイツキを愛しつつも、出産への思いを募らせていく。職場、恋人、両親…。社会や家族と生身で向き合った先に、イツキは光を見出せるか。
600万部ベストセラー『五体不満足』で世間の「ふつう」を問い直した著者が、いま一番伝えたいLGBTQの物語。男とは、女とは、そして家族とはなんだろう…。読者の価値観を根底から揺るがすnote連載、待望の書籍化!
感想・レビュー・書評
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みんな読め!!シリーズ。
トランスジェンダーのこと知りたい人、興味ある人はぜひ読んで欲しい。
杉山文野さんの「エンタメの力を借りるしかない」と臨んだこの企画を無駄にしてはいけないと思うし、また当事者問題を分かりやすく小説として乙武さんが書き上げたこの物語は、もっともっと広がっていく力を持っていると感じます。
他者の尊重はまず知るところから。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
イツキとサトカの物語。
登場人物の名前がことごとくカタカナなのが最初はすごく苦手だったけど、入院している友人のお見舞いに行くシーンで、それまで出てこなかった友人の漢字フルネームがあっさり出てきて、不思議と苦手意識が消えた。
そしてあとがきを最後まで読むと完全に氷解。
性差や血縁、法律に至るまで、望むと望むまいと私たちをかたちづくるものは自分の有り様とは別に山ほどあって、名前はその最たるものなのかもね。
だからこそ、名前をみんなカタカナにしたのかな。
まあ、サトカの両親は漢字で出てくるんですが、そこは演出上の都合かな笑 -
LGBTQの問題は根深くて難しいということを改めて感じた一冊だった。
(この本の主人公の一例になってしまうが、)FtMの悩みを知ることができて良かったと思う。文体も読みやすく、1時間程で読み終わった。
愛する人同士で結婚できる社会が良いということは前提に、海外等で起こっている事件などを考えるとLGBTQが普遍的になっていくのは当分先の話なのかなと思った。ただ、このような考えに至るのは私が身体的にも精神的にも女性だからなのかもしれない。難しい。 -
杉山さんのリアルストーリーに基づいたフィクション。
自伝よりリアルなところもあるし、いろんな選択肢や解釈があるとわかった。 -
杉山文野さん原案で、乙武洋匡さんが書いたLGBTQの方々のお話。
杉山さんと乙武さんが敷いてくれた道を、
「ああ、こんな痛みを抱えていらっしゃるのか」と
想像以上の困難がありました。
乙武さんは「五体不満足」で感じた贖罪を、今作で
晴らす目的もあったそう。
生まれてきた性を受け入れられない杉山さんの理不尽な気持ちや、五体満足で生まれなかった乙武さんの考えや想像からの筆など、シンクロニシティがある作品ではないかなと思いました。
多様性とかトランスジェンダーとか、
まだまだ課題が山積みでしょうが、「知ってもらう」ことを啓蒙したお2人に敬意です。
【本文より】
怒りと悲しみ。申し訳なさと愛。ないまぜになった感情のどのどの部分を隠しておくべきなのか。 -
<2022年度男女共同参画推進センター推薦図書>
◎信州大学附属図書館OPACのリンクはこちら:
https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BC03524651 -
◎信州大学附属図書館OPACのリンクはこちら:
https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BC03524651 -
日のあたるニュースは耳にすることが多くなったLGBTQだけど、そこだけではない、きらめく月の下での大切な人との絆が、繊細にかつ丁寧に紡がれるヒゲとボインじゃなくて、葛藤とナミダの物語
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2021/06/28
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杉山文野さんをモデルにした
元「女子」の彼の物語
親子、社会との関わりの中で
自分が本当の自分でいられることって
ただでさえ難しいのに
私も子どもの頃
赤いランドセルとかぴらぴらスカートとかが嫌いだったから
みんな一律赤とかケッて思ってた
なんの迷惑もかからないんだから
選べるようにすればいいじゃんね〜
ただそれだけのことだと思うけどね〜
この物語は
乙武氏があとがきで書いてるように
完全なるフィクションではなさそうなので
せっかくならもうインタビューとかいろんなの入れて
ノンフィクションでも良かったのになと思う
それだと手に取る人が少ないのかな
女子でいるのも男子でいるのも大変
矢野顕子じゃないけど
男もつらいけど女もつらいのよ
人が幸せでいたいという気持ちを尊重できる自分でいたい