恋する検事はわきまえない

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 151
感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093866361

作品紹介・あらすじ

特捜部初の女性検事、着任早々大暴れ! 人が人を裁けるのか――「正義」の番人たちの懊悩に迫る人情検察小説。「特捜部初の女性検事」として期待と嫉妬を一身に背負う常盤春子は、着任早々、下水道事業の五社談合事件を任された。落とし所は末端社員たちの摘発――。しかし、取り調べ中に闖入してきた被疑者の幼なじみによって、捜査は思わぬ方向に転がり始めた。築地の魚屋で働く男は、被疑者を庇いながら言葉を吐く。「おれはよ、法に背いたのは人間じゃねえ気がするんだ。人間の周りを囲んでいる全体みたいなもんだ」覚悟を決めた春子は、検察幹部仰天の一手に出た(表題作)。見習い検事が異動先の鹿児島で一騒動を起こす「ジャンブルズ」、小倉支部の万年窓際検事が組織から孤立しながら凶悪暴力団に立ち向かう「海と殺意」ほか、全四話+αの連作短編集。 【編集担当からのおすすめ情報】 現役新聞記者ゆえのリアリティによって、選考委員を唸らせた第三回警察小説大賞受賞作『転がる検事は苔むさず』に続く、待望の第二作です。

感想・レビュー・書評

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  • 「転がる検事」シリーズの第2弾。

    表題作の「恋する検事はわきまえない」は、今やトップ検事正の常磐春子が、特捜部初の女性検事と言われてた頃に仕事で知り合った男性と結婚する話。
    メインが、検事としての仕事なので一切恋愛事情が出てこないのが潔い。

    「ジャンブルズ」は、新人の倉沢が東京勤務を経て任官三年目で鹿児島へ。
    相変わらずの元気の良さと無鉄砲さそのままで、おもいっきりの仕事ぶりは、なかなかなもの。

    「海の殺意」は、出世コースにのるわけでもなく、マイペースのゆる〜い調子で、オヤジギャグも変わらずの久我修平が、周りの空気を読むのには長けているのか小倉中央署の池崎警部補と事件をゆっくりじっくりと解決する。

    「健ちゃんに法はいらない」は、健ちゃんが実は検事正常磐春子の夫であり、検事さながらに活躍するのが実に面白い。
    真面目だが、ついてない交番巡査の有村すらかなわないほどにぐいぐいと突き進む健ちゃんにいったい何者⁇と最後まで正体明かさないところが巧みである。

    今回は、全四話+αの連作短編集だが、まだまだシリーズ化しそうな気配。

  • 行動派の検事、倉沢ひとみ。
    元・特捜初の女性検事で、現在は弁護士の常盤春子。
    有能なのに窓際に追いやられている検事、久我周平。
    隅田署の交通巡査、有村誠司。

    主人公を変えながらつながっていく、連作短編集。

    『転がる検事に苔むさず』の続編で、スピンオフ的な内容。

    点数稼ぎのために、安易な起訴はしない。
    些細な引っ掛かりを無視せず、真相を追求していく。

    登場人物が行動的なので、テンポよく進む。
    コミカルで楽しかった。

  • 「転がる検事は苔むさず」の続編。要領の悪いベテラン検事、血気盛んな若手女性検事、実直熱血の平刑事、百戦錬磨の女性元検事、それぞれが主人公になっている短編集。一つ一つの物語が短く、事件もわりと単純。キャラが立っているので、ドラマ化されるかもなぁ…

  • 「転がる検事に苔むさず」の続編です。
    面白い本はスイスイ読めます。
    登場する人皆、魅力的で好きです。
    続きも有るのでしょうか?楽しみです。

  • 主役級のキャラが何人か出てきて今後を期待させる内容だった。健ちゃんが地味にいい味出してる。今回も分かりやすく次回作への導線が引かれたので記憶のあるうちに発売してほしい。

  • 軽い話で読みやすかったなぁ。
    ドラマとかでやってくれたら、楽しそう。
    次回作があるなら、もう少し長編で、人と人が絡み合うのが読みたい。

  • それぞれ主人公になりそうなので続編たくさんできそう。

  • タイトルにある「恋する検事」は常磐のことだったんですね、前作からの流れですっかり倉沢のことかと…。

    短編で構成された本作、いや前作の「転がる検事~」よりも面白かったです。短編でありながら久我や常磐、倉沢、有村といった主要キャストの周りの人物がどこかでつながっていて、それが各編を読み進めるうちに徐々にわかってくるところが、なんだか謎解きを進めるときのような感覚を楽しめました。

    それにしても久我よりも倉沢のほうが主人公キャラのように感じるのは私だけでしょうか…。正直、倉沢の活躍をもっとみたいと思わせてくれます。

    ラストでは久我にちょっとした依頼が舞い込み、なにやら波乱の予感で、これは次作もあるってことかな、と思うとちょっと楽しみです。

  • 面白かった。
    前作のその前やその後のエピソードが語られ、さらに続くこともわかって楽しみです。

  • 「転がる検事に苔むさず」の続編である連作短編集。倉沢、常盤、久我、有村それぞれが主人公としての物語です。前作を読んでからの方が、キャラクターの印象があらかじめわかっていて良いかもしれません。どの物語も個々のキャラクターの魅力が前面に押し出されている印象でした。
    お気に入りは「健ちゃんに法はいらない」。ユーモラスでコミカルでありながらも、読んでいて胸がすくような爽快な物語。あまりに素敵すぎますよ、健ちゃん。彼がいったい何者なのかは、その前の物語で読者にはわかっていますが。じゃなければ本当に「この人何者!?」って感じですよねえ。
    「ジャンブルズ」も楽しいです。新天地の倉沢がどのように活躍するか。そして彼女のこれからの活躍もまた読みたいですねえ。

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