覇王の轍

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 461
感想 : 56
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093866699

作品紹介・あらすじ

鉄路の下に巨悪は眠る。 警察キャリアの樫山順子は、北海道警捜査二課長に突如、着任することになった。歓楽街ススキノで起きた国交省技官の転落事故と道内の病院を舞台とした贈収賄事件を並行して捜査するなか、「独立王国」とも称される道警の慣習に戸惑う。両事件の背景に、この国の鉄道行政の闇が広がっていることも知り……大ベストセラー『震える牛』で食品偽装を、NHKでドラマ化の『ガラパゴス』で非正規労働の闇を暴いた筆者が、ついに鉄道行政にタブーに踏み込んだ!貴方に追体験してほしい。彼女が組織で生き延びるための苦悩、真実を貫くためのあがきを。――村木厚子さん(元厚生労働事務次官)「日本列島改造論」から半世紀、新幹線神話の虚と実――。 【編集担当からのおすすめ情報】 主人公の樫山順子は、「震える牛」シリーズ最新作の『アンダークラス』で田川信一とバディを組んだキャリア警察官です。「震える牛」シリーズのスピンオフとも呼べる本作にあたり、筆者は北海道取材も敢行しました。新聞記者出身の筆者ならではのリアリティは、読者を「これは本当に小説なのか!」と戸惑わせること必至です。

感想・レビュー・書評

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  • キャリアの樫山順子が、北海道警ニ課長として贈収賄事件を捜査する。
    だがそれだけでなく、延伸工事での死亡事故や国交省技官の転落死など不可解な処理に疑問を抱く。

    組織は大きくなればなるほど、小さなミスを巡って責任を押し付けあう。
    隠蔽に加担した道警。
    捜査を妨害する政治家。
    腐った組織の中で終わるわけにはいかないだろうが、誰を信じたらいいのか…という思いがとてもよくわかった。
    政治案件で不本意な人事異動を強いられることが平然とある。
    人間とはなんと非力なのか…
    圧力とは残酷である。


    なんとしても真実を貫いてほしいという気持ちで読み終えた。

  • 北海道新幹線延伸にまつわる陰謀とミステリー
    震える牛などでお馴染みのシリーズのスピンオフ

    お馴染みのシリーズを読んでいなくて残念…

  • 今のところ今年1番の作品かな。田川信一シリーズのスピンオフ作品。スピンオフってどうしても本元の作品より幾分劣ってしまう印象を持っていたが、今作は勝るとも劣らない出来に仕上がっていると思う。
    あくまでフィクションだが道警とJR北海道の歪な世界と整備新幹線の実状、更に政界のパワーゲームも交えてをうまく作品に取り入れている点は筆者の真骨頂が発揮されているように思う。
    樫山は田川に鍛えられただけあって、キャリアとは思えない足で稼ぐ捜査を行い、真相を明らかにしていく点は見応え十分。
    上層部や利権に群がる奴等のために現場に犠牲を強いるくだりは樫山の10分の1くらいではあるが怒りに震えた。
    伊藤の権力の犬っぷりもすごかったな。
    JR北海道労組の凄まじさはちょっと調べてみたくなった。

  • 鉄オタまではいかないけれど、鉄道好きとしては小説だからと、簡単に流されない問題だ。

    新幹線問題、確かに恩恵も受けているけれど、日々の生活利用者にはデメリットの方が大きくなる。

    鉄道の存在、この小説で改めて考えさせられるし、政治家や経済界の利権が絡まり明るい未来は見いだせない。

    最後のあのどんでん返し。してやられました。

  • 警察キャリアの樫山順子は、北海道警捜査二課長に突如、着任することになった。歓楽街ススキノで起きた国交省技官の転落事故と道内の病院を舞台とした贈収賄事件を並行して捜査するなか、「独立王国」とも称される道警の慣習に戸惑う。両事件の背景に、この国の鉄道行政の闇が広がっていることも知り……

    公共事業にクリーンは無いのか?
    本当に腐ってやがる。

  • 読み応えあった。げに恐ろしきは永田町のパワーゲーム。あるあるだけど、大物出る前に道警内で潰されるだろうし、こんな物分かりのいい気骨ある上司もいないし…「覇王の轍の呪縛に50年以上縛られたまま」「人間というのは小さな嘘を隠す為に大きな悪事に手を染めるもの」中島公園のボートの隙間で暮らしていた猫たち元気かなぁ?リニア大丈夫か?心配。

  • Amazonオーディブルで聴いた。

    んー。
    あんまり面白くなかった。つまらなくもない。

    短期間に相場英雄の田川シリーズ?「震える牛」「ガラパゴス」「アンダークラス」と、そのスピンオフ「覇王の轍」を読んだ(聴いた)けど、1番面白くて緊迫感もあったのは「ガラパゴス」だった。

    「覇王の轍」ではスパイにムカついたな〜。
    誰がスパイかは読む前から知ってたんだけどねー。

    ススキノでのキャバクラは関東のキャバクラとは違う、という必要のない知識を得た(笑)。
    関東のキャバクラはニュークラブというそう。

  • 政府って汚い、、、現実も物語でも。
    犯罪が減るより、被害者が減るより、この国を守る。って、、、自分の政治生命を守るの間違いだな!!

  • 長過ぎる気がしました。
    結果は分かっているだけどね。
    もっと厳しさが欲しいのでは。

  • 相変わらずの骨太作品。ハラハラしながら読了。そんな終わり方嫌だ、と思った矢先に良い方向にどんでん返し。北海道新幹線というテーマも時流に乗っていて流石。

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著者プロフィール

1967年、新潟県生まれ。専門学校卒業後、時事通信社へ。経済部記者を務める。2005年『デフォルト 債務不履行』で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞しデビュー。『震える牛』がベストセラーに。『血の轍』『ガラパゴス(上・下)』『不発弾』『トップリーグ』他、映像化作品多数。主な著書に『ファンクション7』『偽金 フェイクマネー』『復讐の血』『共震』『アンダークラス』『Exit イグジット』『レッドネック』『マンモスの抜け殻』『覇王の轍』がある。

「2023年 『心眼』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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