- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093867108
感想・レビュー・書評
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中二のナナミは、喘息があるため学校が終わると図書館に足を運ぶ生活を送っている。
最近、図書館の本がなくなってきていることに気づき…
誰かが借りているふうでもないのにと疑問に思っていた矢先、書棚の前で翡翠色の目をした猫に出会う。
その猫に導かれるように歩いていった先は…。
少女と猫の冒険譚でありながら本について考えさせられる。
喘息持ちで弱いナナミが本を取り戻そうと力を発揮したこと。
本には知識や知恵だけじゃなく、いろいろなものの考え方を知ることで、人の気持ちもわかるようになる、想像力を得ることもできると力説したこと。
小さな頃から本を親しんできただけにいろんな本が出てきたが、まだ知らない本もあったことでこれからでも遅くないよな、まだ読めるよなと思ったりした。
読みたい本がますます増えていく…。
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「本を守ろうとする猫の話」の続編。
今作の主人公は喘息持ちの中学生ナナミ。
盗まれていく本を守ろうとする中で、大切なものに気付いていくナナミ。
自分を支えてくれる人はもちろん、好きな本も自分の味方だというのは、本当にそうだなと思った。
ファンタジー要素が強めの作品は得意ではないので、個人的にはあまり入り込めなかったかな。 -
『本を守ろうとする猫の話』よりもこちらの方が読みやすかった。本好きの熱量は前作の主人公、林太郎くんよりもナナミちゃんの方が強い気かな。
本には力がある。
そうなんだよね。人の心も体も動かす力があるんだよね。人間になくてはならないものなんだよね。
「君を守ろうとするー」の君って誰?ナナミちゃん?本?私たち本好きな人のこと? -
本は人を繋ぐこと、本の登場人物は友達で味方でいてくれることを教えてくれる素敵な1冊!!
難しいと感じる言い回しが多くて言いたいことは分かるけどきちんと理解してるのか分からないからもう少し大人になったらもう1回読みたい。
言葉だけでは全てを伝えられない。言葉だけじゃ言い表せないことだってある。言葉って大切だけどそれが全てじゃないし、「思い」を伝えようとする意思がなければ伝わるものも伝わらない。
たくさんの世界を知って、たくさんの人間の思いを知ることができる「本」はすごいんだよなって思った。相手が何を伝えようとしているかを読み取って想像してくことが今の私たち人間には必要なことだなと思った。
猫とのやり取りが好きすぎてこのシリーズのファンになったし、夏川草介推しになった!! -
人は何故、何のために本を読むのか。
共に歩み、作られ、増殖していく強大な力。
それに負けない強い心を持つのは簡単ではないけれど、迷わないように、皆で生きていく事の大切さについて考えさせられました。
また無愛想なあの猫に会いたい♬*° -
大切な心の在り方を教えてくれる作品。
今の現代の状況を巧みに物語に組み込んでいるな、と純粋に感じられた。
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図書館の本がなくなっていることに気づいた少女が本を取り返すために異世界に行き強い心で闘う。
哲学的で悪者?の正体は結局はっきりとはわからない。つまり、それは自分で考えるモノなのかな?
わからないと思っているのは読解力の無い私だけかもしれないなぁ…と、少しモヤモヤ笑 -
前作が2017年、そんな前だったとは!
こちらもとても良い作品。
なんで本読むの?という小中学生におすすめ。
喘息持ちの中2、幸崎ナナミは話をする猫の頼みを受け、盗まれて処分されていく本を救い出す冒険フィクション。
要素は色々あり、諦めないこと、人は1人では生きていけないこと、本から得る世界の素晴らしさ、孤独を埋めてくれたり、希望をもったり、本の世界から飛び出して助けてくれる人がいたり…そして一番は心が温まる。
前作の青年も大人になって登場。
人間のように無意味なことをべらべらしゃべらないだけだ。語るべき時に語、ちんもくすべき時は、沈黙する。それが猫だ。 p.23
『慢心は人間の最大の敵だ』 マクベス p.30
人は歳を重ねた分だけ、視野が広がるとは限らない。大切なものはこころで見なければいけないのに、心の目はあっという間に曇ってしまう。…気づかないうちに大切なことをどんどん失って、それだけ身軽になったつもりでいるんだよ p. 73
『根拠はなくても、希望はよみがえる。希望とはそういうものだ』トムソーヤの冒険 p. 80
どんなものにもこころは宿るの。あなたが大切にしてきたものには心が宿って、必ずあなたを守ってくれる。… 歪んだ心に触れ続けたものには、歪んだ心が宿る。 p. 192
本には、それに触れてきた沢山の人の心が力となって宿ってる。…私はただ、それを感じ取ることができただけ p. 200
一番怖いのは、心を失うなうことじゃない。失った時に、誰もそれを教えてくれないこと。誰かを蹴通したときに、それはダメだと教えてくれる友達がいないこと。つまりはひとりぼっちだってこと。 -
前作「本を守ろうとする猫の話」の数年後。
今度は中学生の少女を巡るお話。
学校向けの優良図書になりそうな、若い人には読んで欲しいかな。
しかし、やはりお医者さんの話が著者にはしっくりくる。 -
『一番怖いのは、心を失うことじゃない。失った時に、誰もそれを教えてくれないこと。誰かを蹴落としたときに、それをダメだと教えてくれる友達がいないこと。つまりひとりぼっちだってこと』この言葉が、本当にそうだなと感じた。人間は、一人で生きてるわけじゃない。周りの人と助け合いながら生きている。それを忘れちゃいけないね。