宮沢賢治鳥の世界

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093871808

作品紹介・あらすじ

児童文学者で日本野鳥の会会員の著者・国松俊英と、日本を代表する生態画家・薮内正幸が、賢治文学に登場する鳥について初めて書いた本。誰も書かなかった賢治の豊かな鳥の世界、もうひとつの魅力がひろがる。

感想・レビュー・書評

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  • 国松さんは児童書を多く書いている作家さんです。ところが、鳥に関する本を書かせると、学者顔負けの探究心を発揮して、ありとあらゆるところから鳥に関する物語を引っ張り出してくる。鳥好きにはたまらない本も手掛けておられます。

    宮沢賢治の童話にはたくさんの動物が出て来ますが、とりわけ鳥が多いそうです。「よだかの星」のヨダカは有名ですが、ハチドリのような日本に生息していない鳥まで登場させているほど。それはなぜか。
    そこから国松さんの緻密な検証が始まります。
    まず国立博物館の過去における展示物の記録を調べ上げ、賢治が在京していた時期と付き合わせ、この時展示していたハチドリを見た可能性をさぐり当てます。作品の書かれた年代との整合性を付き合わせて、おそらくそうであったのではと知る過程は、読み手にもわくわくする気持ちが伝わって来ます。
    こうして一つ一つの鳥について、賢治との関わりや、賢治の鳥に対する考え方を考察していく。賢治に関する鳥という方面からの個性的な論文として価値があるだけでなく、読み物としてもじゅうぶん楽しめました。。児童書を書く作者にかかれば、噛み砕いてわかりやすく説明することはお手のもの。謎解きの楽しさもあいまって、なんども手に取りたい1冊になりました。

  • 桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/volume/314079

  • 賢治の作品に出てくる鳥たちについて。
    写真はなくて全てイラスト。
    鳥の鳴き声と詩の関係の話が面白かった。

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著者プロフィール

滋賀県生まれ。同志社大学商学部卒業。日本児童文学者協会、日本児童文芸家協会、宮沢賢治学会、日本野鳥の会会員。童話や児童小説の他、子ども向けノンフィクションを多く書いている。野鳥や自然を題材とした物、人物ノンフィクションの作品が多い。2010年に作家や編集者たちと〈ノンフィクション児童文学研究会〉を立ち上げ、ノンフィクションについての研究活動を続けている。おもな著書に『スズメの大研究』星野道夫 アラスカのいのちを撮りつづけて』(共にPHP研究所)、『絵本 宮沢賢治の鳥』(岩崎書店)、『信長とまぼろしの安土城』『鳥のいる地球すばらしい』(共に文溪堂)などがある。『トキよ未来にはばたけ』(くもん出版)で第7回福田清人賞を受賞。

「2018年 『ノンフィクション児童文学の力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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