しまうたGTS

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 17
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093877305

作品紹介・あらすじ

20歳にして人生最悪のときを迎えた俺。残された時間は、バンド仲間と姿をくらました最愛の恋人を見つける。東京から沖縄、そして日本の最南端へ。疾走感たっぷりに繰り広げられるロードノベル。

感想・レビュー・書評

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  •  この著者の長編第3作。彼女のほかの作品に比べて異彩を放つ、直球ど真ん中の青春小説である。これまでずっと女性視点から小説を書いてきた山田あかねが、ここでは初めて若い男の一人称を用いている。 

     「余命わずか、彼女を探して、南の島へ」というのが、帯についたキャッチコピー。
     主人公の犬彦は、20歳にして人生最悪のときを迎えていた。大学は2浪、バンドのメジャーデビューはトラブルで中止となり、彼女にはふられ、トドメに悪性脳腫瘍で命の危険にさらされる。

     脳腫瘍の手術を前に、犬彦はこっそり病院を抜け出して沖縄に向かう。モトカノのナナナが、犬彦のバンド仲間・城司と一緒に沖縄へ行ったと知らされたからだ。ナナナと城司は自分を裏切ったのか? それをたしかめ、 城司を一発殴ってやらないと、死んでも死にきれない。

     ……と、いうような話。東京から沖縄へ、そして日本最南端の波照間島へと展開するロードノベルであり、ロックと島唄が全編を彩る音楽小説でもある。ネタバレになるのでくわしくは書けないが、途中から「宝探し」の物語になっていくあたりも面白い。

     快調なテンポで進む、ウェルメイドな青春小説。「へーえ、山田あかねってこういうのも書けるんだ」と、間口の広さに感心させられる。

     でも、『すべては海になる』や『まじめなわたしの不まじめな愛情』のビターな味わいに比べると、作品全体がちょっと甘すぎるかな。話の展開もご都合主義がすぎるし。
     もっとも、ベストセラーを狙うにはこれくらい「甘い」ほうがむしろよいのかもしれないが……。

  • 夏なので、夏らしく、夏な本を読んでみました。
    まず、表紙からして夏らしい、爽やかな本。
    沖縄の風景とかが意外と綺麗に描いてあったので
    夏らしさを感じる事は十分に出来たかな~と。

    ただ、私にとってはコレ!という程
    読みふけってしまう要素は無かった気が・・・・・・。
    悪くも無いけど・・・・・・と言う感じの作品。

  • 脳腫瘍で倒れた犬彦。
    彼の不幸は二浪した時に遡る。

    浪人、バンドの解散、彼女との別れ・・・そして脳腫瘍。
    さらには元カノと元バンド仲間が2人で沖縄へ行ったとの情報・・・

    病院を抜け出し、沖縄へ向かった犬彦は、
    道中出逢った仲間とともに、元カノ達へ続くヒント=「しまうた」の謎を解いていく。


    全体としては、最後が「綺麗にまとめましたー」というカンジ。

    沖縄については、行ったコト無い土地ですが、イメージ出来る記述。
    ただ、「ウチナーグチ」という単語が出てくるわりに、会話で使われていないのは残念。
    (まったく使われないわけでは無いから余計に)

  • バンドのデビューが目前で消え
    一浪した大学受験にも失敗し
    彼女にも振られてしまった男が
    突然の病に倒れる。
    リスクの高い手術を前に
    別れた彼女とバンドメンバーを追って沖縄を目指す。

    最後になんらかの決着が欲しかった。

    【図書館・初読・10/23読了】

  • 期待しすぎたかな。。

  • メジャーデビュー目前だったロックバンド「犬猫」のリードギター犬彦。ボーカルの城司の不祥事のためにデビューがすべて白紙に戻り、最愛の彼女ナナナにふられ、脳腫瘍まで見つかった犬彦は、城司とナナナが付き合っているという情報を得て、二人を追うために一路、南を目指す。
    途中、スズキという中年や理沙という少女を旅の同行として、犬彦は何かを探す旅を続ける。
    無茶苦茶なんだけど、なんだか憎めないオキナワン・ロードムービー風小説。
    ラストがちょっと尻切れトンボな印象を受けた。

  • 「やっぱり猫が好き」などなどヒット作の脚本家の方です。元カノを追って南へ行くはなし。

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著者プロフィール

東京都生まれ。テレビディレクター、作家、映画監督。フジテレビジョンの番組『ザ・ノンフィクション』のディレクターとして「生きがい 千匹の猫と寝る女」「会社と家族にサヨナラ~ニートの先の幸せ」「犬と猫の向こう側」などを手がける。2015年、監督、製作、脚本を手がけた映画『犬に名前をつける日』が公開。また、同名のノンフィクション『犬に名前をつける日』(キノブックス刊)を刊行。保護犬のハルとナツと暮らす。

「2018年 『犬と猫の向こう側』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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