小さき花

  • 小学館
4.25
  • (6)
  • (3)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 21
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (96ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093881487

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 加島祥造さんの文・画 と金澤翔子さんの書のコラボ。
    翔子さんは、加島さんと初めて会った時、「お父さま」と加島さんの懐に飛び込み、二人は強く抱き合ったそうです。…神聖なエピソードです。

    はじめに で、加島祥造さんは、
    ダウン症の翔子は、はじめから天から落っこちてきた生きものみたいだったんだよ。
     、、、翔子はいつも愛に満ちている。いつも温もりにあふれている。彼女は書家である母・泰子と共に生きているが、もちろん金の勘定はまったくゼロだ。そもそもそういうことに動く脳は、幸か不幸か持ち合わせていない。
     だから、愛とか美とか、根幹にかかわることに敏感で、後は何も求めていない。
     翔子そのものも、恐ろしいパワーを秘めたその書も、人の目を求めていない。命のままに生きて書いてるんだ。その美しさ、その力強さは、私たちに真似できない「本物」だ。

     僕も翔子も「小さき花」として生きていたい。
     その美しさは本当の命の美しさだよ。
     この本のタイトルは、そんなことからつけられたものなんだ。

     と、書かれていました。加島さんと、翔子さんの、人となりが、よく分かります。



    、、、心に響いた書と言葉

    祈り
    小さな美にも
    命の祈りが
    こもっている

    美しさ
    人の目を求めない美しさーー
    なにか極みない美しさ

    人の目を求めずに咲く
    小さき花の美しさ


    生命
    われらの内に
    隠れている命のエネルギーーー
    それはけっして
    なくならない



    愛は人の
    創りだすエナジーの源泉なのだ


    静心
    愛は
    静かなときに
    最もよく働く

    優しい心でいるとき
    いちばんよく動く



    大いなるものは
    遠くまでゆく
    遠くまでゆくものは
    還ってくる


    神秘
    人が生まれてくる意味ーー
    それは言葉にできるほど
    ちっちゃなものではない
    遥かに大きな働きが
    われらを生みだし
    ここに存在させている
    そして知らない世界へ
    我らを運ぶ


    驚心
    自分の内の
    驚きの心に
    いつも
    敏感でいることだ



    黙しているとき
    人は大きな存在と
    合する



    あらゆる花に宿るもの
    あらゆる水に宿るもの
    あらゆる風に宿るもの
    それが私たち
    ひとりひとりのなかに宿っている
    そしてそれは誰ひとり
    奪いとれぬものなのだ



    忘れないでほしい
    あなたの命は
    あなたを愛しているのだと



    、、、パワーあふれる書と、味わい深く心にしみいる言葉との、とても素敵な本でした。
    読めてよかったです。

  • ことばと書と。

    ページから立ち上がってくる熱が愛しい。

    深淵から天空まで壮大な心の旅ができる。

  • でも思うんだよ、頭の中から消えていくものは消えてもいいものなんだと。
    そのかわり、残っていくものは以前よりよっと生きいきしてくる。
    そっちのほうが本物で大切なんじゃないか。(本書のはじめにより)
    ==========

    『老子ータオ』『求めない』等で
    知られる加島祥造さんからの
    メッセージと画。

    ダウン症と診断され、お母様に師事し書道をはじめ、今では個展を開かれていたりと才能をいつも全力で発揮されて活躍中の金澤翔子ちゃんの書。

    この2人が揃うと……
    素晴らしい作品になっています。

    左には
    翔子ちゃんがただ感じるままに
    力強い書もあれば
    優しい細い書。

    右には
    加島さんからの自然体で
    優しい言葉で
    心にまっすぐ届くメッセージ。


    この本に書評だなんて出来ません。

    ただ
    ただ
    いつか
    本屋さんや図書館で見かけた時には
    是非
    是非
    手にとって
    皆さんの心で感じて欲しい。

    沢山の素晴らしい頁の中から
    少しだけ
    私の胸にズキュンと刺さったところ
    引用します。

    <blockquote>・心・
    忘れないでほしい
    あなたの命は
    あなたを愛しているのだと

    ・玄同・
    美しいものと
    醜いものがあるんじゃない
    美しいものは
    汚いもののあるおかげ
    美しいと呼ばれるんだ
    善だって
    悪のあるおかげで
    善があるってわけだ

    ・光照・
    涙は過去から浮きあがる
    恐怖は未来からおりてくる
    現在の一瞬には
    涙も恐怖もないのだ

    ・生きる・
    君の命はいつも
    君とともにいる
    いま生きずして
    いつ生きる


    最後の翔子ちゃんからのメッセージ
    “また会いたいけど”には
    思わず涙が出ます。

  • 『求めない』や『受け入れる』のの加島祥造さんと金澤翔子さんが奇跡の出会いをされて、この書と詩のコラボが出来上がったそう。
    加島さんの言葉も、翔子さんの書も以前から好きだったので、この一冊との出会いがとても嬉しいです!

  • http://sgk.me/gE08AE 天才書家・金澤翔子さんの書とベストセラー「求めない」の加島祥造氏の1冊です。
    私たちも皆「小さき花」でいいのだ、とふたりが語りかける。言霊の力、そして不思議なパワーを持つ書の力。
    年代を問わず、多くの読者にとって特別な一冊になるであろう、感動の書です。

  • 金澤翔子さんはダウン症児として生まれた。書道家の母から書を教わり、5歳から書き始めてこれまで様々な賞を受賞。

    賞を受賞するほどの字を書く、翔子さん。字を書くことで、様々な人に出逢ってきた。「求めない」の著書・加島祥造さんとこの本をつくることになった。加島さんと初めて出逢ったときは、「父さま」と呼んで抱きついたそう。

    翔子さんは、どんな思いを込めて一字、一字を書いているんだろう。
    何を思いながらこの字を書いたんだろう。

    きっと、字を書くことは翔子さんにとって気持ちを最も表現しやすい方法なんだと思う。この才能は、(もちろん練習の成果もあるだろうけど)持って生まれたものなんだろうな。

  • 漢字、文字は美しい
    漢字のもつ曲線、見事な書
    何気なく過ごす日をじっくり向き合いたくなる

  •  詩句から感じられる思いを書に表現。
     力強くて、自由でのびのび…その力強さやのびやかさは生命の根幹を教えてくれるよう。
    (カウンター担当/五重の塔)平成29年12月特集「ジャケ借りしよう!」

  • 文章の内容はつまらないのですが、金澤翔子さんの書がかっこいいのです。
    ダウン症の平均寿命は40歳。彼女の年齢を考えたら、早い内に個展に行きたい。

全9件中 1 - 9件を表示

著者プロフィール

1923年、東京生まれ。早稲田大学卒業後、カリフォルニア州クレアモント大学院留学。信州大、横浜国大等に勤め、数多くの翻訳・著作のあと、「老子」の現代自由詩『タオ─老子』『求めない』が、共にロングセラーになる。

「2012年 『禅とタオ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

加島祥造の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×