堕ちたバンカー: 國重惇史の告白

著者 :
  • 小学館
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093887625

作品紹介・あらすじ

住友銀行の救世主はなぜ“追放”されたのか

住友銀行元取締役、國重惇史。若手行員時代から「伝説のMOF担」として名を馳せ、平和相互銀行事件での活躍で「将来の頭取候補」と目される。そしてイトマン事件を内部告発し、「住友銀行の救世主」に。だが、あることから銀行を追われ、「楽天副会長」に転身。スキャンダルで辞任し、『住友銀行秘史』を著す。これは、ある天才バンカーの半生を通して、日本のバブル時代の熱狂とその終焉を描くビジネスノンフィクションである。
〈ある意味、國重は時代の寵児だったのかもしれない。バブル経済の勃興期に起きた平和相互銀行事件、そしてバブル経済真っ只中のイトマン事件とまさに日本中が狂乱の渦の中にあったとき、國重はもっとも異彩を放った。しかし、時代は虚ろだ。かつて日本中が、そして國重が身を任せた圧倒的な熱量は、日本社会から見事なまでに消え去った。それとともに、國重の輝きは失せていった。〉(本文より)

【編集担当からのおすすめ情報】
ベストセラー『住友銀行秘史』を著した國重氏のバンカー人生は、過激というほかありません。とりわけ、平和相互銀行事件のメモで浮かび上がる、バブル当時の銀行、政治家、官僚、財界、裏社会の密接な繋がり、そのうねりを扇動していく國重氏の姿は、痛快です。その一方、過激なバンカー人生の末に訪れた國重氏の今。その哀切は、すべてのビジネスマンの胸に、深い余韻を残すことでしょう。

感想・レビュー・書評

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  • 住友銀行に入行し伝説のMOF(大蔵省)担当として頭角を現し、一銀行員の枠に止まらず政官界にまで影響力を及ぼした怪物、国重惇史の物語。その生い立ちから入行の経緯、幹部候補として企画部に転属になり、巻き起こした伝説を追っている。

    特に出色なのは、メモ魔である国重が残していた平和相互銀行事件のメモである。国重はその時々に起きたイベントを同席した人物と共にメモ書きとして残している。それは平和相互銀行事件の裏面史を余す事なく描き出している、第一級の資料だ。

    良くも悪くも「タガが外れた」人間、国重。その人となりを会社側からではなく、人間側から泥臭く追っていった良書である。

  • イトマン事件の真相

  • モフ担や暴力団との関係など今の人からは理解できないであろう。そのような時代に輝いた特異な人物。女好きというところが読み手をひきつける

  • 今年の4月に亡くなった
    元住友銀行「伝説のMOF担」・國重惇史氏の晩年と、
    平和相互銀行合併、イトマン事件の内幕を描いた一冊。
    40歳そこそこで頭取に目をかけられていたのだから、
    相当できる人だったのだろう。
    それだけに、女性スキャンダルを何度も繰り返したのが
    もったいなさすぎる。
    十分ラストバンカーになれる傑物だったのに、
    自ら堕ちていった悲しきバンカー。

  • う~~~ん、なんとも言えない気分になった

    住友銀行秘史を読んでいたので興味をそそられ手に
    取ってみたがまさかこんな現実を見せられる事になるなんて思いもしなかった

    國重さんの当時の活躍が凄まじいからこそその落差に
    ショックを受けたし、年を重ね難病を患ったとはいえ
    しゃべり方の変化には衝撃を受けた

    あそこで銀行が膿を出しきっていたならこの国は今頃
    どうなっていたんだろうか

  • 題材は面白いが中身は薄く文章の質も悪い

  • なんとも言えない気持ちになった。

  • 住友銀行の平和相互銀行合併までの裏側。日銀、大蔵省、検察を巻き込んで慎重に事を進めていく様子が描かれている。國重さんのメモを元に書かれているのでリアルではある。一民間人がここまで出来るのか。ドラマの世界のよう。惹き込まれあっという間に読んでしまった。イトマン事件についてもっと知りたいし、佐川急便事件、リクルート事件についての書も読んでみようと思う。

  • 読み応え満点。テンポもいい。

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