逝ってしまった君へ

  • 小学館
3.76
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本棚登録 : 299
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093888172

作品紹介・あらすじ

SNS上で大反響のエッセイ、待望の書籍化

「note」での掲載が大反響を呼んだ壮絶なノンフィクション、待望の書籍化。

2019年1月。私は、古い友人のひとりを失った。
友人は突然、自らの意思で死を選んだのだ。
彼は私の大切な友人でもあり、私のはじめての恋人でもあった__


声優・浅野真澄が体験した、大切な人の「自死」。
大切な人を失って初めてわかる、大きな悲しみと日々の「気づき」。

遺書にあった自らに向けたメッセージ、告別式、初めての「遺品整理ハイ」…そして「君」を失った悲しみの中で見つけた一つの光。


『誤解を恐れずに言ってしまうけど、君を失って、私はひとつ、大きなものを得ました。それは、自分を自分のままでいいと思える強さです』

『たった一つのものさしで自分を測ることに、意味なんてない』

『君がそこにいてくれることが、すべてでした。君の存在そのもので、私はどこまでも満ち足りた気持ちになったのです』


あまりにも突然で悲しい出来事を経た「遺された人々」のその想いを、逝ってしまった「君」への手紙の形で綴ります。

日々悲しみの中にいるあなたにこそ読んでほしい、大切な人へ向けた祈りに満ちたノンフィクション随想録。

感想・レビュー・書評

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  • 人間の価値、ただそこにいるだけで価値がある。なにかあったら話せることのありがたさ。亡くなって初めて気づくこと。死を乗り越えても人は生きていく。大切な人の死はどこまでいっても悲しいものだけど、いつか時間が風化させ、同じ気持ちではいられなくなる。訃報に際してどれだけ悲しんで、悲しみから生きていく糧を得られるか、糧を得られる死との出会いは人生を豊かにするかも知れない。
    非常に読みやすく共感するストーリー。淡々と終わってしまった印象なので総括しての何かやもう少し読後感が欲しかった。

  • 少し危険な作品。鬱は感染るといいますが作者は友人の死に作者は折り合いをつけましたがそうでない人は読まない方がいいと思います。
    私も家族の死に対してあの時ああすれば良かったなと思い少し気落ちしてしまいました。

  • あさのさんの心情や、残されたご家族のことに思いを馳せては、ぐしゃぐしゃに泣きました。

    いつかは誰もが亡くなるし、その度にそれぞれが悲しみに沈むけど、それでも生きていくためには、を、この本を読んで考えました。私の場合、家族と別れればひとりぼっちですが、一人で抱え込まないこと…友人やお医者さまにときに頼ること、しっかり悲しむこと、それだけの時間を確保できるだけのお金も蓄えておくこと。


  • 果てしなく尊く思えてしまう
    自死も、「君」を失くした「私」も

  • 友人は突然、自らの意思で死を選んだ-。大きな喪失感と日々の「気づき」、初めての「遺品整理ハイ」…。声優・あさのますみが、大切な人の自死と遺された人々のこれからを綴る。SNSで発表された随想録を書籍化。

    心がつらくなった。

  • .

  • 『鬱というのは、病気なんだ。君の自殺は、病気の発作で亡くなったのと同じことなんだ』思ってもいなかった大切な人の死。手紙形式で伝える想い。心に残る。

  • 本の雑誌・年間ベスト企画から。痛いくらいの哀惜の念は、もちろん伝わってくるんだけど、極論すればそれだけというか。死を扱った作品は、当たり前というか、デリケートな部分を多分に含む訳だけど、それだけに、自身の感慨に止まらない、普遍的な哲学がもたらされることを、どこかで期待してしまう。

  • 手紙形式で進んでいくストーリー。徐々に「君」の輪郭が見え始める。器用で繊細。生活感のある室内で発見された君。「器用だから自殺もうまくいっちゃったのかもね…」。残された人たちで故人の思い出が美化されてしまうというのはすごく納得かも。記憶も薄れるし歪んでいきます。身近な人をなくしたときわたしが一番最初に忘れたのは声でした。高かったかも思い出せない。そうやってさらさらと砂のように消えていくのでしょう。故人を覚えていることがなによりの供養だというのを実感しました。

    (「君」が独身でまだよかったのかなと思います。奥さんがいたら浅野さんのエピソードは世に出しづらかったと思うので…)

  • 「とんでもない本に出会ってしまった」と思った。
    衝撃が大きすぎて、感想を綴るのに読了からしばらく時間がかかってしまったくらい。

    遺された人の悲しみ、後悔、願い。
    「君」の優しさ、思い出、そして「自ら逝く」ことを選択するまでの葛藤。
    どちらも痛いほど伝わり、胸に響き、共鳴した。
    本書は「君」への手紙として綴られた作者の思いが形になったもの。
    現実の世界に起こったことだからこそ、言葉のひとつひとつが鮮明で、香りたってくるようだった。

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著者プロフィール

秋田県生まれ。『ちいさなボタン、プッチ』で、第13回おひさま大賞童話部門最優秀賞、『まめざらちゃん』で、第7回MOE創作絵本グランプリを受賞。絵本に「アニマルバス」シリーズ、『トイレこちゃん』(ポプラ社)、『はるってどんなもの?』(小学館)などがある。また、浅野真澄名義で声優としても活躍、多数の出演作を持つ。

「2022年 『おおきなおさら』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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