- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093888608
作品紹介・あらすじ
桐島洋子と三人の子供たちが繋ぐ家族の物語 「この伝記を読めば、なぜ私たちが桐島さんにあれほど熱狂したかわかる」・・・林真理子(作家)フリージャーナリストとしてマス・メディアで活躍するかたわら、未婚のまま、かれん、ノエル、ローランドの三姉弟を育て上げ、「女性の自立と成熟」の代名詞として女性の絶大なる人気を集めた桐島洋子による、破天荒で波瀾万丈な自伝に加え、三人の子供達が、母への思いを存分に綴った、最初で最後の「桐島家」本格自叙伝。長年の桐島洋子ファンをはじめ、自分らしく生きることを模索する現代の女性たちに、年代を超えて勇気と元気を与えてくれる1冊。「大胆不敵で聡明で驚くばかりの行動力。お嬢様育ちで女王様のようでもあり、恋をすると熱烈――」(桐島かれん)「人間としての母に対する私たちのリスペクトは揺るぎないものです。その絆はどんなことがあっても変わりません」(桐島ノエル)「現代のシングルマザーたちが置かれている環境も大変ですが、母の生き様が少しでも励みになってくれたら幸いです」(桐島ローランド)今こそ知りたい! 「桐島洋子」という生き方
感想・レビュー・書評
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桐島かれんさんのお母様洋子さんの自叙伝になるはずが筆の途中で認知症をわずらい5年の空白の後、子供たち(かれん、ノエル、ローランド)の追記により仕上がった本でした。
洋子さんは私の親世代でその生き方も全く存じ上げませんでしたが、その時代の日本人女性としては破天荒(今ならもっと考えられない!?)と言えるのではないでしょうか。読んで仰天しました、子供たちもさぞや苦労しただろうなと。独立心、自立心の権化。でも三人のお子さんは本の中で皆洋子さんを尊敬し、労り、慈愛に満ちていました。
この本を読むと、日本という国が窒息しそうながんじがらめの国なんだなぁと思います。中にいるとこれが当たり前と思って日々あまり気になりませんが、世界は広くもっと伸びやかに暮らせる処も沢山あるのだなと。
林真理子さんがお薦めしてた記憶。図書館でなんと10ヶ月も待ってようやく私の元へ。とても興味深くて1日で読了でした。
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大学合格祝いのコンポステレオとともに上京した私には、そのカタログの表紙の桐島かれんさんは、憧れの都会の少女でした。
媚びない、アンニュイな表情。
有名な御一家、きっと煌びやかな日々に違いないと、想像していた人も、ひとりの少女として沢山のことを感じながら暮らしていたのだ、と。
桐島洋子さんのファンとしても読み始めたこの本には、表紙の写真通り、家族の想いがいっぱい詰まっていました。 -
アルツハイマー性の認知症の家族をもつ人の体験が知りたくて読んでみた。前半は桐島洋子さん自身が書いた半生記。他にもどこかで読んだり聞いたりしたことのある話が多く、多くの人に語るうちに完成した「美化された思い出」という印象。桐島氏自身はシングルマザーになるのを厭わなかったのかもしれないが、結婚している男性が若い女性と付き合うのに、なぜ避妊をしないのだろうか? いくら昔のこととはいえ、理解できない。後半は、子どもたちの側から桐島氏が語られる。有名な母をもつ大変さを語るが、その言葉の端々に一人ひとりのささやかな愛情がのぞく。こちらはリアリティがあって面白い。母にエッセイで描かれていたアメリカでの生活も、一人ひとりのキャラクターの違いと、そのときの年齢によりまったく違う経験として語られる。変わった親をもつ兄弟同士の絆には、特別なものがあるようで、そこも面白かった。
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面白くて一気に読んだ。桐島洋子さんのことは全く知らなくて、お子さんの名前を聞いたことがあるくらい。もっと上の世代にはすごく有名なのだろうけど。
前半は洋子さんが、後半は3人のお子さんからそれぞれ桐島ファミリーの人生が語られる。
圧倒されるほど力強いある女性の一生。
(注:ご存命です)
信じられない!と思う話ばかりでびっくり。
戦前のセレブな上海生活、結婚という制度無視の自由な恋愛事情、何より子どもを産む時の腹の座り方。船の上で産む話は衝撃的。
葉山、アメリカ、カナダでの生活。大胆で豪快な人。まっすぐ芯がある。
ただ子どもを預けて自由に働くことは相当反発されただろうなぁ。こんな人がいたなんて!
素敵だとは思うけど、自分の母親は普通でよかったと思ってしまいました笑 -
桐島洋子さん、これまでに本屋でエッセーの類いを目にすることがあり「どんな人なんだろう?」とうっすら思っていました。イメージとしては“聡明であり大胆な明るい女性像”を描いていました。
長女である桐島かれんさんの写真集を以前から集めており、かれんさんのインテリアに対する独自の世界観、また家族や人々に対する包み込むような愛情を感じて自然と惹かれていました。そのかれんさんの本の中に母である桐島洋子さんの話が度々載っており、どんな方なんだろうと思い、本書を手にとりました。
結果、とても興味深かったです。
本書の前半は洋子さんご自身が自分の人生を振り返り途中まで綴ったもの。後半は、お子さん3人がご自身たちの思いも含めてお母さんの残りから現在までの人生を綴ったものになります。
自由奔放に生きること、自分の意思に忠実に生きること、自由を選択し続ける人生は、強さがあるからこそ成し遂げられることなんだなと感じました。と同時に、その意思を持ち続けることはまわりの環境をも時として焼き焦がしてしまう、とも思いました。
桐島洋子さんの生き方を、洋子さん自身が書かれた瑞々しい文章によって、またお子さんたちの率直な思いが綴られた文章によって、様々な視点から解きほぐされた一冊でした。
長女であるかれんさんのインテリアを選ぶ上での素敵な世界観、また家族に対する深い眼差しがどのように作られたのか、少し理解できたような気がします。
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子供の頃母が桐島洋子の事を奔放な女、3人の子供のお父さんがみんな違うって言っていた。(実際は同じお父さん)でもなんか憧れがあったのかな?本は読んでたもんな。今この本も読みたいって言っているしな。面白かった。ノエルさん誕生の先も読んでみたかったな。
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何てチャーミングな文章を書くのだろう。引き継いで書かれた3人の子供からの目線も面白いが、やっぱり桐島洋子さんの文章に惹かれる。彼女の人生は到底まねできるものでもないし、考え方も自分とはまるで違うし、破天荒すぎて羨ましいとは思えない。けれど、そのドラマチックな人生を、嫌みもなくチャーミングに書いてしまう彼女はきっと文章以上に魅力的な方なんだと思う。