尾崎豊 覚え書き(小学館文庫) (小学館文庫 R す- 1-1)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 53
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094021011

作品紹介・あらすじ

二十六歳で急逝した尾崎豊。ロック・ミュージシャン尾崎が逝って五年たつが、その人気はいまだ衰えることを知らず、CDはあいかわらず売れ続けている。音楽プロデューサー須藤晃は、『反逆する十代の旗手』として、カリスマ的存在となった尾崎の才能を見いだし、育てた人物。アーティスト尾崎豊に、もっとも影響を与えた須藤晃が、尾崎との出会い、レコーディング秘話、知られざる素顔など、貴重な十年の歳月を克明に綴る。

感想・レビュー・書評

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  • 尾崎豊を担当したディレクター/プロデューサーの須藤氏の視点で、当時の尾崎との会話や須藤氏の見た尾崎豊を描く。

    改めて尾崎豊は頭が良い少年/青年だったんだろうなと感じた。

    ただ、本全体を通して須藤氏の感傷がとても強く感じられて鼻白んでしまった。逆にそのせいで冷静に読めたとも言えるか。

    客観的な尾崎豊のレポートではなく、あくまでもパートナーとして近くにいた須藤氏の視点で、須藤氏の見た尾崎豊の足跡が描かれている。須藤氏の感傷に共感できるのであれば大変良書だろう。

  • 尾崎豊の最初の3部作、そして誕生という名作を生み出してきたプロデューサー、須藤晃さんの手記。特に初期の尾崎豊のリアルな実像が感じられてよかった。

  • 橘いずみのベーシスト兼バンマスとして 信頼を担うになう 信濃町のソニー・スタジオ 随分と堅い哲学めいた話まで 断崖 自分が決めた戒律を犯すこと 双子のパラドックス 光が吸収されるブラックホール 愛にひざまず跪く=人間の行動パターンにすると祈る 自分と違う個だってことを認めざるを得ない マンモスを皆んなで狩りに行ったところから始まって スポイルされているものも 剥き出しにして 北陸の小さな田舎町 大仰な 近親憎悪のような複合感情 群衆を率いるジャンヌ・ダルクのように 焦燥感 著された 模倣から創造へと時代の潮流が変わった 勧善懲悪な鬼退治もの オブラートに包んで毒や鋭さを隠してゆく 薄絹のようにひらひらとはためいて 彼の諦観はある意味で老人じみていた 沢木耕太郎 非業の死 催された 一周忌 哀惜は胸を裂くような思いだった 訃報 吉岡秀隆 見城徹 世俗的な成功 風に吹かれて 沈黙という名の音 実はそれは法で咎められていることで、自分自身の掟を破ったことのほうが罪深いことだと話した。 禁猟区 彼が壊した扉の前で 諦観の中でしたり顔をしていた自分が情けなかった 眩いばかりの夢から覚めて 歩いて通った場所は自分の縄張りになるかのように 尾崎豊と須藤晃。ふたりはひと組で確実に「尾崎豊という創造体」でもあったのだ。

  • 尾崎豊については、曲を聴くばかりで、インタビュー等は読んだことがなかったけれど、創作に対してずいぶん自覚的なアーティストだったことを読んで面白かった。内省的に作曲し、また、リスナーにも内省を求めるというスタンスであったことには深く頷ける。
    アルバム『誕生』を聴き直したくなった。

  • 尾崎豊さんを育てた音楽プロデューサー・須藤晃さんが、出逢いから10年の歳月を綴った本。ともに闘い、苦しみながら生み出した名曲・名盤の秘話やインタビューが読めます。10代3部作アルバムは、ふたりの合作であったようです。それはとても興味深くはあるけれど、知るほどに痛ましい気持ちになりました。 『瞳のきれいな傷つきやすい少年』尾崎豊さんが、大人によって【尾崎】【OZAKI】に祭り上げられていく物語でもあります。むしろ、この本で感動的なのは、尾崎豊さんの素顔の部分です。


    尾崎さんの移籍後、須藤さんが入院したときにすぐ見舞いに来てくれたという場面。『須藤さん、治ったらいっしょにやりたいです!』と励まし、尾崎さんだと気づいた看護婦や患者が騒いでも嫌な顔ひとつせず、『あの、このひとをよろしくお願いします』と、みんなに頭を下げてくれた。須藤さんは〈アーティストOZAKIではない、21歳の普通の青年・尾崎豊だった〉と書いています。


    薬物依存にも触れています。〈扉を開けるとその先は崖だ、落ちるよと教えたが、扉を開けるなとは言えなかった〉〈いまだにそれ以上の言葉は見つけられない〉と書いています。


    尾崎豊さんは、『きみを愛してる』と『僕はきみの味方』と言ってほしかったのではないでしょうか。。。

    最後に須藤さんは〈彼の輝く瞳は夜空の星になったと思う。存在そのものが一時の夢であったかのようだ。僕はいつになったらこの眩いばかりの夢から覚めて、正しい答えを育むことを始められるのだろうか。いつになったら。〉と苦しい胸の内を書いています。


    NHKBS『大人になった君たちへ』という尾崎豊さんの番組に登場されていた須藤晃さんの、苦悩に満ちた険しい顔の理由が、わかった気がしました。


    私はこれからもずっと、尾崎豊さんの曲を聴き続けていきます。

    • bobaさん
      りなみさん。

      レビューをありがとうございます。

      須藤さんが尾崎豊さんと二人三脚で音楽をつむいできたことは知っていたつもりでしたが...
      りなみさん。

      レビューをありがとうございます。

      須藤さんが尾崎豊さんと二人三脚で音楽をつむいできたことは知っていたつもりでしたが、まだ彼が変わらず苦悩を抱えていようとは思いもよりませんでした。

      尾崎さんは須藤さんにはっきりと言葉にして言って欲しかったのでしょうか?

      言わなくても通じていると…

      きっとああ言えばよかった。こうすればよかった…

      須藤さんは今、何を思い、何を感じているのか…

      そんな須藤さんを空の上から見ている尾崎さんはどう感じているのか…

      そんなことを思わせる著書なのですね。

      一度手にとってみたいと思います。
      2012/12/03
  • 尾崎を聞き直したくなる。この本を読んで改めて「永遠の胸」を聞いた。さすがOZAKI。

  • 3/21に放送した成宮寛貴主演ドラマの原作になっている本です。
    http://ebook.shogakukan.co.jp/pr/ozaki/index.html
    今や伝説になっている尾崎豊という人の素顔が、音楽プロデューサーの視点から正直に語られています。本を読むと、尾崎豊は駆け抜けた人生を送ったんだなとあらためて感じました。http://sgk.me/ickKcO

  • 須藤さんの作品なのに全く本質ついてない!がっかり。

  • 136夜

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