- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094025064
作品紹介・あらすじ
マッカーサーも認めた「東京裁判の不正」を問う不朽の名著復刻。
「私は真実を真実と認め、正しき法を適用したにすぎない」。判事11名の中ただ一人日本無罪を主張した唯一の国際法学者、パール判事。国際法に拠らず、事後法によって行われた東京裁判を戦勝国による「リンチと何ら変わらない復讐」とし、違法だと非難した彼の主張は、その後世界の識者に高く評価された。本書は、パール判決文を中心にマッカーサーも認めた「東京裁判の不正」を問う。戦後日本人の歪んだ贖罪意識にメスを入れる、不朽の名著復刊!
感想・レビュー・書評
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極東国際軍事裁判でただ1人日本の無罪を主張したインド代表のパール判事の判決文を基にして書かれた書物。東京裁判は国際法を無視した裁判だったと批判し、満州事変から太平洋戦争の事実を国際法と照らし合わせながら検証し、その違法性を具体的な見解を添えて厳しく追及している。私達日本人ですら誤解していた部分が少なくなかった事にショックを受けた。私には、戦争が正しかったとも間違っていたとも断言する事は出来ない。ただ、過去の歴史を正しく理解する義務は過去を受け継いで現代の日本を生きている私達にあると思う。15年戦争を、今一度見直す必要がある。
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本全体の趣旨については賛同している。ただし例えば「この条約にこう書いてある」みたいなことを改めて条約本文を読むと、そう解釈は出来るだろうが、ちょっと揚げ足を取られるような書き方をしている。この手のことが多く、書いてあることをそのままの言い方で誰かに言ったら突っ込まれるスキを与える。故に東京裁判について知りたかったら他に良書があると思う。本書を必読書とするのは危険性を孕む気がする。それでもこの昭和38年という時代にこの本を出しているという価値は色褪せないのだろう。
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ただ一人のインド人判事だけが、この復讐裁判に手を貸さなかった。
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ううむ。こういうのを読むと、自分がいかに自虐史観のなかで教育されてきたのかがわかる。今のようにインターネットのさまざまな情報と照らし合わせることで自分を再教育できる時代は幸せだ……と、ふと思ったのだが、現在60歳以上で戦争を知らない自虐史観ずぶずぶの世代で、ネットも使えぬ情弱世代がいまだに「日本は悪いことをした」と思うのは仕方ないことなのかもしれない。
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第二次世界大戦後の東京裁判の実録。
名のある日本人を公開処刑する為に平和と正義の名の下に行われた裁判で、
唯一、全ての被告日本人に無罪の判決を下したパール博士の、法治社会への冷静で力強い希望が印象的でした。
私は、連合国の振りかざす「正義」がどれほど卑怯で野蛮で腐っていようと、そんなものかと思うだけですが、
パール博士は、人類の積み上げつつある良識を踏み躙る行為だと憤慨し、ひとつひとつを検証して反論する、英雄的な姿勢を貫いた。
こういう、人の精神性を見限らず凛としている人を知ると、自分ももう少し頑張らないとなぁ、と思えます。
日本はまだ、こういう人に「敬愛する」と言ってもらえる国でしょうか。
噂話に惑わされず、自分で判断できる人間でありたいものです。 -
日本人必読の書。
自虐史観に陥っている日本人に光を与えてくれる。
読み進めると怒りがふつふつと湧き上がる。東京裁判の欺瞞をパール判事の判決文から暴き出している。
小中高とサヨクがかった教育を受けてきた自分にとって、目からウロコだった。 -
これまで学校や本・新聞で得て信じてきた歴史概念を壊され、激しいショックを受けました。戦争は日本が全て悪いという戦前の全ての否定と、自虐的思念や罪悪感は、連合国と戦後教育に植え付けられたのだと知り、事実自分がそのように信じてきた事を思って、ぞっとしました。国際法の専門家としてただ一人公正だったパール判事。その主張がどのくらい正当だったのか現在の私の知識では判断できませんが、日本人として歴史の真実と功罪は正しく見直さなければならなりません。現代日本人が知らない、現代に続く『歴史』に光を当てる、ぜひ読んで欲しい本。
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この本に出会えてよかった。
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これはまさに、イデオロギーを超えて日本人必読の書。社会保障だとかリスキリングとか、目先の話はもちろん政治として大事だけど、過去を直視すること、客観的に評価すること。
単なる敗戦国への同情でなく、法とはなにかを国際社会に示してくれた彼の功績に報いるには、日本人はもう少し精神的な「独立」について、考えなくてはならないと思う。 -
小学館文庫は巻頭に小林よしのりの「推薦のことば」があり、新書の新版には百田尚樹の解説がある。腑に落ちない改版だ。皇位継承の女系容認をしたあたりから小林のファンが離れた経緯はあるにせよ、『戦争論』『天皇論』の功績を無視することはできない。
https://sessendo.blogspot.com/2019/06/blog-post_15.html