- Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094060485
作品紹介・あらすじ
『ゲノムハザード』と対をなす記憶ミステリ
その日のことは忘れない――誕生日を迎える娘・真希が事故に遭って、病院に運びこまれたという知らせが。そのことを境にすべてが一変した。吉祥寺にある病院に娘は入院していなかった。妻・伊都子には連絡さえつかない。もちろん自宅にも妻娘は不在で、飼い犬までも姿を消していた。妻の謎めいた書置き以外は、保管しておいた預金通帳も実印も家の権利書も会社名義の貴重品も見当たらず、さらには二年前に起業した南新宿のオフィスもスタッフも、すべてが消え去っていた。突如として四十二年間の人生と自らの存在が奪われてしまったその日から、麻宮達彦の孤独な闘いが幕を開ける。
娘が通う絵画教室の画家、闇金融の取り立て、高校の制服姿の女、弁護士事務所の旧友、美術商の女、バーテンダーの男……誰ひとりとして信じられず、不鮮明な記憶と知覚崩壊に翻弄されるなか、やがて麻宮達彦本人に妻殺しの容疑がかけられる――。
ノンストップでたたみかけられる謎の果てに、主人公は“日常”を取り戻すことができるのか? 西島秀俊主演で映画化された著作『ゲノムハザード』と対をなす、記憶が崩れた男の闘いをサスペンスフルに描いた、司城志朗氏の傑作ミステリ!
【編集担当からのおすすめ情報】
多くの謎が描かれ、それらが最終章までであっと言わせるかたちで解決されます。謎解き小説として愉しめるばかりでなく、人生や家族やアイデンティティといったテーマも内包された作品です。2001年『存在の果てしなき幻』のタイトルで刊行された作品を、現在の時代背景と照らし合わせて全面改稿、タイトルも新たに、初めての文庫となります。
感想・レビュー・書評
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娘が事故で死んだ。夫は仕事に逃げ、夫婦仲は悪くなり妻とは別居するが、その妻が行方不明となる。妻はどこに行ったのか。錯綜する記憶。
何が本当なのか。自分が見たもの、感じたものは本当だったのか。
「存在の果てしなき幻」を改題したもの。詳細をみるコメント0件をすべて表示