ディアレスト ガーデン (小学館文庫 と 9-2)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 30
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094061826

作品紹介・あらすじ

少年期との決別を描く切なくほろ苦い物語

天才画家と言われた父が客死した時、ひとり息子の茜は12歳だった。たったひとりの身寄りとも言える父の後妻・爽子は、そのとき20歳。遺された「家族」として、亡き人の思い出を分け合いながら身を寄せるようにふたりは暮らしてきた。そして7年。19歳になった茜の前に、爽子に求婚しているという男が現れたーー『マンゴスチンの恋人』の遠野りりこが少年期との決別を切なく描く、ビタースウィートな物語。

感想・レビュー・書評

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  • 過去は良くも悪くもどこまでもついて回る。
    だけど過去よりも幸せな未来はきっとあるはず。
    変化しないものは大きな安心感はあるけど、それではずっと過去に縛られてしまう。
    痛みを伴うような繋がりだからこそ先に進めることができる。
    茜と爽子さんは確かに母と息子ではなかったけれど家族ではあったような気がする。
    無条件に相手の幸せを願ってしまうのは、切ないけど優しい繋がりだと思った。
    サオリと宮本さんが好きだった。

  • 天才画家の父を事故で亡くしてから、後妻の義母と暮らしていた少年茜。2人の年の差はわずか8歳。7年が経ち、2人は19歳と27歳になっていた。

    許されない恋の物語?の展開を想像していましたが、茜君の成長、再生の物語でしたね。

    茜の心情を事細かに説明しているので、まどろっこしい感じも受けましたが、徐々にそれにも慣れ、繊細で傷つきやすい青年の気持ちを手に取るように感じることが出来ました。

    茜を取り巻く人々がとても良くて、それが随所で物語に働きかけます。
    壊すことで終わらせようとした2人の関係を、きちんとした形で後始末させる展開に繋げたのもそのひとつ。
    謎の人と感じられた宮本が、こんな風に生きてくるとは。
    最初から最後まで、無駄がなかったと思います。
    全ての登場人物に意味があった、そんな気がします。

    良作でした。




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