オン・ザ・ライン (小学館文庫 く 11-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094061840

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  • 活字オタクの主人公、侃があるきっかけで、高校のテニス部に入る。初心者のため、最初は思った通りに出来なかったが、練習に練習を重ねてどんどん上手になっていく。
    憧れの女子、三角関係、ライバルとの競争、高校生の部活ならではの話題は、懐かしさ、胸キュン、いろんな思いが溢れてくる。
    あるとき、自分の不注意で部活の大事な友達に怪我をさせてしまう。そこからテニスが続けられなくなり、侃は心を閉ざしてしまう。
    そのとき、侃が辿り着いた場所は田舎に住む自分の祖父の家。認知症なのかどうなのか微妙な態度のお祖父ちゃんと暮らし、田舎の子供たちと接し、改めて、自分としっかり向き合うようになる。
    美しい田舎の風景は、読んでいて、どんどん想像できた。
    緑色の木々、広い海。これらが、侃のカチカチに凍った心を少しづつ溶かしていく。
    中学生や高校生が読むと、自分と重ね合わせ、無理難題にぶつかったときに、自分の心の栄養剤として、とてもいい本だと思った。
    大人が読んでも、当時のしょっぱさ、甘酸っぱさが味わえる、ザ・青春がたくさん詰まった本です。

著者プロフィール

広島出身。被爆2世。
デビュー作『かはたれ』(福音館書店)で児童文芸新人賞、日本児童文学者協会新人賞、産経児童出版文化賞受賞。その後『彼岸花はきつねのかんざし』(学習研究社)で日本児童文芸家協会賞受賞。『風の靴』(講談社)で産経児童出版文化賞大賞受賞。『光のうつしえ』(講談社)で小学館児童出版文化賞、福田清人賞受賞。『あひるの手紙』(佼成出版社)で日本児童文学者協会賞受賞。ほかの著書に『引き出しの中の家』(ポプラ社)、『月白青船山』(岩波書店)、『八月の光 失われた声に耳をすませて』(小学館)などがある。
近年では、『光のうつしえ』が英訳刊行され、アメリカでベストブックス2021に選定されるなど、海外での評価も高まっている。

「2023年 『かげふみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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