- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094064186
作品紹介・あらすじ
心が救われる、最強のブックガイド
1900年前のローマ皇帝が綴った孤独から、ドストエフスキーの描いた嘘、カフカの渇望、そして村上春樹の自画像、角田光代の家族、吉田修一の恐怖まで、最近出版された本と、古典と呼ばれるものを2冊併せ読む書評エッセイ。『セックスボランティア』で鮮烈なデビューを飾り、『ウスケボーイズ――日本ワインの革命児たち』で小学館ノンフィクション大賞を受賞した著者の、人間の深部を見つめる鋭い視点で、100冊の名著の魅力が語られる。
「古代から書かれ、読まれ、受け継がれてきた本。いつもそこには同じ絶望を持った人がいる。人が生まれ、絶望し、希望を持ち、死んでいく。幾億回繰り返されてきたその営みに、私たちは支えられている。間違いなく、絶望に効く何よりの特効薬は本である。ようこそ、絶望に効くブックカフェへ」(「はじめに」より)
感想・レビュー・書評
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「孤独」「死にたい」「人間関係」「恋愛」「家族の絆」「不条理の苦しみ」「逃避願望」それぞれに効く本を紹介した本です。
どの章の本が1番気になるかで、自分が今もっている絶望の種類がわかるかもしれません。
ちなみに私は「死にたい」の章がいま合っているらしく、その章の本を書き留めることが多かったです。
この本の前に「遺品整理屋は見た」という本を読んだせいでしょうか…
確かに今は「生き方」とか「死んだあとの現実」に興味があるので、そうした本が目にとまりやすいです。
私はブログで本の紹介も書くので、こんな紹介のしかたもあるんだな、という目でも読み、参考になりました。 -
失ってなお、私の中に根を張る思い。
思い出になると思ったら甘かった。
執着ともちがう。ただ…。
いや、この先は書くまい。
ともかく、この本にさえ目が向かず、
やっと手が伸びる状況になり…。
ページを捲るのも苦しく、何日もかけて読んだ。
結果として…
押し付けがましくなく、良いブックリストである。
変に救おうともしていない。淡々と紹介されていく本。
本ごときでどうにかなるものかとは思うが、あれか、これかと差し出された中に、はっと読んでみようかと思うものがあるのはさすがだった。
筆者ご自身もかなりの読書家であろうし、選んだ本の抄録は、確かに、紹介された心理に添うものがある。
どれがあなたの苦しみに、伴走してくれるかは、わからないが…少なくとも、ろくに読んでいない本でなく、ちゃんと内容をわかって勧められる本ばかり、気になるものがあればご覧になると良い。
私が読書案内的な本を、無意識に好むのは、自分の気づかない、何らかの明かりを、こっちはどうかな?あっちはどうかな?と差し出され、自分がそれをためつすがめつする間に、自分でも色んな道を探って自分の心に降りていくからかもしれない。
まして、絶望している折。
本を読んでもマシにはならない。
まえがきを裏切って悪いが。
それでも…どうにか二週間でやっと一冊。息も絶え絶えでも読んだ私を、私は抱いてやりたい。
同じだ、という方がいらしたら…よかったらお試しあれ。変な前向きになる本より、ずっといいから。 -
いろいろな悩みに対して、古典作品と最近の作品を紹介している。
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感想
絶望。無力感。なぜ私はこんなに小さいのか。あの英雄も、あの偉人も。皆が同じ絶望を抱く。人類の歴史が肩を押す。そして私も未来を支える。 -
古典+近刊のセットで1つの書評記事としているところがユニーク。目次を見て、買ってみたくなった。
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絶望に効くかしら。
様々な人生を仮想体験できる読書。
他人の気持ちを我がことのように、他人の体験を我がことのように。
そして自分を見つめ直し、対比し、さらに考えることができる。
その行為が絶望を和らげるのかもしれない。
根本的に解決しなくてもね。
ただ、その体験の全て、人との出会い、それさえできなくなった今のこの世界の絶望は、そうそう和らげられるものでもないだろうなと思った。
それはともかく。
「〇〇だった件。」の「だった。」は過去形というよりは、「気づいたらこうだった」というような、現在の状況を半ば客観的に眺めた言い回しではないかと思いますよ。
著者の解釈を否定するものではないけれど。 -
一箱古本市
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面白かったです。
最近は地の底まで凹んだりすることはあまりなくなりましたが、ここで紹介されている本があればこれからもなんとかなりそうです。
読んだ本読んでない本…一周目では、マルクス・アウレリウス「自省録」、辺見庸「もの食う人びと」、G、ガルシア=マルケス「予告された殺人の記憶」、アントニオ・タブッキ「インド夜想曲」、スティーブン・ミルハウザー「魔法の夜」が読みたいです。
著者の言葉も優しくて落ち着きますし、購入して手元に置きたいです。