真犯人 (小学館文庫 し 6-10)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 358
感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094065435

作品紹介・あらすじ

41年目の誘拐再捜査! 連続ドラマ化!

東名高速道路の裾野バス停付近で、高齢男性の遺体が発見された。事件を捜査する静岡県警裾野警察署の日下悟警部補は、被害者・須藤勲の長男・尾畑守が、昭和49年に誘拐死体遺棄事件に巻き込まれていたことを知る。誘拐事件は、時効直前の昭和63年に再捜査が行われていた。日下は、再捜査の陣頭指揮を取った当時の管理官・重藤成一郎元警視に捜査への協力を願い出る。 平成と昭和、時代を越えた刑事たちの熱い思いは「真犯人」に届くのか。二度敗北を喫した静岡県警の意地と矜持を賭けた三度目の捜査が始まる!



【編集担当からのおすすめ情報】
上川隆也主演で、待望の連続ドラマ化!
WOWOW連続ドラマW「真犯人」、9月23日(日・祝)スタート。
毎週日曜夜10時放送(全5話)。

感想・レビュー・書評

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  • 再読。初めて読んだのはけっこう前だったが、結末が印象的だったのかよく覚えていた。再捜査、再々捜査に携わる刑事たちのひたむきさみたいなものが感じられて好きな作品だ。

  • 時効目前の事件の洗い直し。出世と保身が全てのキャリア。ベテラン刑事の深い人間観察。警察物としてはお約束のオンパレードで、派手なアクションもなく地味なネタ。
    しかし特別捜査班の捜査活動をきめ細かく丁寧に描写しているので面白い。そこがこの作品の魅力。

  • 現在起きた死亡事件から未解決事件に関わる者の死だと解った所から始まる。現在の捜査から始まり、過去の捜査陣の話しになる。よくある話ししかし中々良く内容は練られたものがあり、客観的にも…どのように行くか…犯人は誰か最後までわからなかった…過去の捜査陣の話しは背景的にはよくあるものだが…再捜査の犯人を捜査していく内容は素晴らしい!ちっと惜しいのが少しアッサリし過ぎかなー^ - ^
    現在に戻り犯人を割り出して行く…
    過去と現在を上手く掛け合わせながら物語は進む。中々読みやすくてどうなるか気になる本!

  • 過去の事件が現在の事件に繋がっていく
    なかなか真相に辿り着けんもどかしさとかが
    伝わってきた
    犯人は予想できんかった

  • 『誘拐児』に続いて翔田作品、2作目。
    少年は、まだ、冷たい川底にいる...

    昭和49年8月、誘拐された男児の遺体が発見される。
    時効を1年後に迎えた昭和63年7月、静岡県警は、特別捜査班を編成し、再捜査を開始する。
    そして、平成27年8月、男児の父親が遺体で発見される。

    複雑に絡む3つの時間軸のいたるところに、伏線が...
    二度の敗北を喫した静岡県警は、三度目の捜査で、『真犯人』を探し出すことが出来るのか?

    二転三転するストーリーに、ハラハラドキドキの連続です。また、関係者の『業』に、辛くなりますね。

    しかし、40年をかけた多くの刑事たちの想いが叶い、最後に本当の真実に行き当たる場面は、感動必至です。
    別の翔田作品も、読みたいと思います。

  • 翔田寛『真犯人』小学館文庫。

    某有料衛星放送で連続ドラマ化されるようで、例により番宣でかでかオーバーカバーの暑苦しい厚着仕様。

    41年前の男児誘拐殺人事件で二度の敗北を喫した静岡県警が意地と矜持を賭けて真犯人を突き止めるという警察小説。横山秀夫の『64』のような風合いもあるが、そこまでの重厚感は無い。描かれるストーリーの中心は二度目の捜査で、事件の解決編である三度目の捜査はやけにあっさりとしている。従って、何故に過去の二度の捜査で真相に辿り着けなかったのかという大いなる疑問を残す読後感であった。

    東名高速道路の裾野バス停付近で高齢男性の他殺死体が発見される。被害者は41年前に男児誘拐死体遺棄事件の被害男児の父親・須藤勲だった。高齢男性他殺事件を捜査する静岡県警裾野警察署の日下悟警部補は41年前の誘拐事件との関連性を調べるうちに時効直前の昭和63年に再捜査の陣頭指揮を取った当時の管理官へと辿り着く。

  • 誘拐事件がテーマの作品は多いですが、本作は刑事の地道な捜査をメインに描いた堅実な作品です。
    少年の誘拐事件、その14年後そして現在(と言っても少し前になりますが)と3つの時代をまたいでのストーリーです。

  • 子供が誘拐され殺された事件がもうすぐ時効になる。
    そんな時、その父親が殺された。

    過去に繋がりがある所で、繋がりがある人物が…という
    確実に関係がありそうな状態です。
    これを必死で探す刑事もすごいですが
    これを邪魔しようとする内部もすごい。
    プライドで生きて行っている感じがします。

    そうして見えてきた真実には驚きですが
    納得もしました。
    子育てと、愛情のかけ方も。
    進むか止めるか立ち止まらせるか、大事です。

  •  読ませる。特別捜査班の部分は。
     どうしても、事件の真相の究明は、こんな風になってしまうんだろう。

  • 事件発生時、事件発生から14年後、41年後の三つの時間を描く。
    本編は14年前の捜査に多くを割いている。
    新たな証拠が上がるから操作が進展するのではなく、新たな視点から事件を眺めることによって、事件の新たな筋を見つけていくという事件にも、操作陣にも照明を当てた物語。
    操作陣に設けられたのは悲しい最後、事件の結末は悲しいものだが、たくさんの謎を一つ一つ丁寧に解いていく様子を緻密に描写していく文章をたどっていくと、やっと本当の真犯人、結末にたどり着いたというため息が出る。
    達成感というのとも、感動というのも違う、のめり込んでいるが客観的に見ている気がして、ちゃんと終わったことを見届けたという感じが他の作品では味わえない感覚だった。
    飽きさせない謎や人間関係等がストーリーに散りばめられていて飽きることなくエンディングまで一気に読めた。
    本作のような面白い作品に会えて良かった。

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著者プロフィール

1958年東京都生まれ。2000年「影踏み鬼」で第22回小説推理新人賞を受賞し、デビュー。01年「奈落闇恋乃道行」で第54回日本推理作家協会賞(短編部門)候補となる。08年『誘拐児』で第54回江戸川乱歩賞受賞。14年「墓石の呼ぶ声」で第67回日本推理作家協会賞(短編部門)候補に。17年『真犯人』で第19回大藪春彦賞候補になり、18年にWOWOWで連続ドラマ化。他の著書に『人さらい』『左遷捜査 法の壁』『左遷捜査2 迷宮入り事件』『冤罪犯』など多数。

「2022年 『時効犯』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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