図書室の神様たち (小学館文庫 C さ- 3-2 キャラブン!)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094065855

作品紹介・あらすじ

過去と現在が交錯する図書室で出会った二人

居心地の悪い家に帰りたくない爽風は、放課後の時間を潰すために、学校の裏庭に建つ三階建ての古い図書室へ向かった。誰もいない図書室で本を探していると、物陰からひとりの男子学生が現れる。彼、笹木誠は同じ学年らしいが、まったく顔を知らない生徒。そして優しい笑顔を見せる彼の口元には、誰かにつけられたであろう痛々しい青痣があった。
「この世界の神様になりたい」と呟く不思議な誠。彼に何が彼に起きているのか聞けないまま、爽風はその後もたびたび図書室で誠と会い、しだいに二人の心は寄り添っていく。
だが、ある日偶然手にした数年前の卒業アルバムに、爽風は誠の姿を見つける。そして、かつて誠の担任だったという教師から、驚愕の事実を知らされて……!?
時間が交錯する不思議な図書室で、繋がったふたりの「いま」。爽風は誠を未来の“死”から救おうと、事なかれ主義だった自分を奮い立たせる。諦めを希望へと変えるために――!
胸がふるえる感動の青春ストーリー!!

感想・レビュー・書評

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  • 自分の周りで揉め合っているときや他人が悩んでいそうなとき、「自分には関係ないから」「自分が動いたらそれが裏目に出て余計に悪化する」と思ってただ傍観することが一番気楽だと思っていたが、この本を読んで誰かのために自分から動くことの大切さを学んだ気がする。いじめの標的にされてでも自分の存在価値を確かめる誠の気持ちに少し寂しさを感じた一方で、誠のおかげで爽風が変わっていく様子にすごく感動した。

  • 少女漫画のような話かと思って読み始めましたが、それだけではなかったかな。人の事情に立ち入らないのは現代の流れではあるけれど、そこをあえて立ち入る勇気の話にもなっていました。最初は失敗して拒絶されるのもリアル。

  • 一歩を踏み出せない爽風が勇気を出して踏み出した先が頑張って良かったと思えるもので安心しました。高校生の人間関係って本当に繊細で、良かれと思ってした事が裏目に出たりするうえ、逃げ場が無いので本当に良く頑張ったと思います。

  • 背ラベル:913.6-サ

  • 去年君が落とした青空を読んで以来の櫻いいよ作品でした!基本的に読みやすくて、さくさく行ける感じ。
    図書室で本を探してる途中に知り合った男の子が実は…的な内容。ラストが見えるけどそれでも結構面白かった。
    そろそろ高校生とかのお話は合わないかも知れない笑

    自分が幸せになると、誰かが不幸になるようにできてるんじゃないかって思うんだ。
    誰かの幸せの向こうにある誰かの不幸。
    この考えでいるから、このセリフはぐっときたなあ。

  • 「神様になりたい少年」
    図書館で出会った。
    普段全く接点が無いとはいえ、行った時には必ず居る事に対して疑問を持ったことはなかったのだろうか。
    驚きの事実を知らされた後、また会うことになったら反応で直ぐにバレてしまいそうだな。

    「神様を目指す少年少女」
    当時の様子を知る。
    自分を守る為に見て見ぬ振りをしていたのだろうが、客観的に見たら虐めに加担してるのと変わらないな。
    気に留めず平然とした様子で居たとしても、心のどこかでは苦しい想いをしているのでは。

    「神様なんていらない少女」
    いつもと違う行動。
    ずっと気になっていたのかもしれないが、何も前触れなく関わりを持ち始めたら誰しもが困惑するのでは。
    自分の行動が後にどうなるのか、少しでも考える事が出来たら結果は変わっていたかもな。

    「もう神様だった僕ら」
    未来を変える為に。
    自分から関わりを持つことも必要だろうが、相手の気持ちに寄り添って行動に起こした方が重要だろうな。
    ギリギリの所で話をすることが出来たからこそ、同じようで違う未来に辿りついたのかも。

  • 序盤から中盤はどきどきハラハラの展開で、主人公の行動と過去の交わりに注目して楽しめる。
    しかし一方で、オチが少し甘く、予想できてしまう。がっかりという印象が強く残り、全体として急ぎすぎた展開に思えた。
    とはいえ、キャラクター性や設定はすごく好みの作品。

  • 拗らせている。とても拗らせているんだけどそれこそが青春、だったりするのかな。
    自分が何かしたって何も変わらない、流れに身を任せる、そんな生き方をしてきた爽風の気持ちがよくわかる。自分の世界はちっぽけで、余計なことはしないで過ごしたほうがいいんだろうと私も思う。
    でも最後の終わり方は前向きでよかった。笹木誠との図書室の会話も好きだったな。

  • 正直、あまり期待せずに中身の確認程度に読み始めた一冊だった。

    ところがところが。

    主人公の爽風も、その仲良しの真由子も、クラスでハブられてる増田さんも、昔笹木誠をいじめていた如月さんも。
    それぞれの気持ち、思い、葛藤が、自分も少なからず経験をしているもので、なんとも言えない苦しい気持ちになった。

    けれど、彼らのほとんどは、強く健かに成長していく。爽風も、時を止めかけた笹木誠をこの世に留めるぐらいに、強くなっていく。

    乙一さんの「きみにしか聞こえない」と対にして読むといいかなと思った作品。

  • 期待しないで読み始めて、
    とてもすっきり入ってくる文章に入り込んでしまった。
    とてもよかったです。

    生きている年月がズレているパターンには
    既視感はあるけど気にさせない展開。
    最後がきちんとハッピーエンドで終わってくれて。
    主人公がいろんな問題にきちんと向き合って。

    とってもよかったです。(にかいめ)

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著者プロフィール

2015年、スターツ出版文庫創刊を飾った『君が落とした青空』が22年に実写映画化。また17年からロングヒットの「交換ウソ日記」シリーズは累計40万部を突破し、10代女子を中心に人気を博している。他著に『わたしは告白ができない。』『世界は「」で沈んでいく』『世界は「」で満ちている』など人気作多数。

「2023年 『小戸森さんちはこの坂道の上』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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