色にや恋ひむ ひひらぎ草紙 (小学館文庫 C み 4-2 キャラブン!)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094068153

作品紹介・あらすじ

後宮で複雑に絡み合う恋を描いた平安恋草紙

同じ屋敷に暮らす妹に婚約者を奪われてしまった淑子。公卿である父親が勝手に決めた相手だったとはいえ、妹は恋の勝者と勝ち誇り、女房たちは腫れ物に触るような態度をとってくる。厄介な状況に疲れ果てた淑子は、家を出て、典侍として後宮で働こうと決めた。
そして月日がたち――生真面目な淑子は、愛嬌がなくて刺々しい『柊の典侍』だと煙たがられながらも、いまや後宮を仕切る立派な典侍に成長。女同士の争いが日常茶飯事な後宮で、揉め事解決になくてはならない存在になっていた。
ある日、典侍として仕事上のやりとりが多い五位の蔵人に、二人の新任者がやってくる。そのうちの一人が妹の夫となった元婚約者だと知り、憂鬱になる淑子。彼と顔を合わせないようにと願いながら、蔵人所に向かった淑子は、もう一人の新しい蔵人、源誠明と対面する。誠明は、東宮の嫡子でありながら臣籍降下した人物。宮中では難しい立場の誠明だが、なぜか淑子のことをよく知っている様子。そのうえ、誠明は唐突な言葉を淑子に告げた。私と、結婚してください――。
後宮を舞台に複雑に絡みあう恋を描く、深山くのえの平安恋草紙!

感想・レビュー・書評

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  • 面白かったな。昨日の本は大当たり!

  • 雅な時代には恋愛は自分から始めるものではなかったのね。いきなり結婚が当たり前だった時代。

  • すごく好みな平安恋物語。
    ちょっと大人な落ち着きと諦観、からの真面目な男女同士のまっすぐな恋愛がよい!

    淑子は婚約者を妹に取られ、家に居づらくなって典侍となる。そこでは周りに頼られ喧嘩の仲裁をしつつも「柊の典侍」などという不名誉なあだ名をつけられている。
    そんな折、新しく任官された蔵人がかつて自分を裏切った元婚約者と知り憂鬱になるが、もう一人の新任蔵人から突然のプロポーズ! 彼は淑子が女儒たちをいつも気遣っている姿をちゃんと見ていて……。

    二人の距離とか淑子の心の揺れを一緒に味わううちに、ああもうこの二人早く幸せになって! と思わずにはいられない。そしてお仕事小説としても楽しい。女御達の争い、先輩のサボりの尻拭い、根回しと観察と状況把握。
    ちゃんと真面目に周りを気遣いながら仕事をしていた淑子が報われてよかったです。

  • 平安時代の恋愛のいいとこ取りをしている話でした。真面目で損な役回りをしているをしている主人公ですが、ちゃんと見てる人は見てる。それが同じく真面目で誠実なヒーローでした。という鉄板の恋愛です。平安時代の女の人は男の人のもとへほいほい会いにいきにくい時代ですので、そのへんのもどかしさと話が進む時はサクッと結婚に至ってしまう社会の上手いところをついた話でした。
    良い恋愛を摂取いたしました。

  • 更衣も可哀想なんだよね。脳天気な帝に腹が立つよね。若い時思い出して浮かれてるってことでしょ?
    元婚約者ももっとギャフンと言わせて欲しかった。
    でも、気を張って生きてきた二人が力を抜けるお互いと出会えて幸せになってください、なれるよと良い読後感。

  • 前作の数年後。
    主人公同士にまったく繋がりが無いから、結婚したってことだけだね。
    女主人達のことは書いてあるけど。
    主上も状況的に皇太子を早く決めたいけど、確かに政治的には難しいよね~。
    まだはっきり能力に差がつくほどの年齢じゃないし。
    淑子は前作の主人公同様、性格もしっかりしているし共感できる女性。
    更衣は、主上に望まれたから来るしかなかったんだろうけど、嫌がらせがあるってことは予想できただろうに。。。

  • 真面目な二人の恋愛物。淑子が仕事は出来るんだけど自己肯定感が低いせいで、なかなか恋愛に踏み出せないため糖度は低め。
    しっかり者の淑子と無口で真面目な誠明、どちらも好感が持てるキャラでお似合いです。

  • 2021年の読み納め。今年の100冊目でした!
    前回に引き続きトレンディ!!
    そうか、宮仕え典侍さん、今で言うところのOLさんだわな…そして女だらけで愛憎がダイレクトに目眩く後宮で、これだけ気高く強い淑子ちゃん可愛いなぁと思いました。

    平安テイストと働く女子の大変さと王道男子のど直球告白と盛りだくさんで、しかも読みやすい。

    最後の最後にちょっと幸せ気分になれた良き読書でしたー。2022年も良い本とたくさん出会えますように!

  • 良かった。
    主人公の素直さや気に入らないことがあっても受け入れて頑張ろうとするところにとても好感が持てた。
    やっぱり一筋縄ではいかずに波乱がありますがそれが関係を進める後押しとなって、にやにやしました。


  • 前作のかんなり草紙よりも断然好み
    堅物な男性と刺々しい女性の恋絵巻
    働く女性の感じがとても好ましい
    噂好きの女性たちに囲まれて揉まれながらも芯を通す淑子さんのこと、本当に尊敬してしまう!
    仕事のできる女性は本当に素敵でカッコイイと思う

    今巻は2人とも不器用で、不器用ながらも思いあっていて……つい頬がニヤついてしまう

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