森から来た少年 (小学館文庫 コ 3-3)

  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (601ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094068337

作品紹介・あらすじ

井上順さん絶賛、米国1位の傑作サスペンス ある日忽然と姿を消した、いじめられっ子の女子高生ナオミ。冠番組も持つ豪腕弁護士のヘスターは、ナオミの同級生である孫のマシュウから、彼女の行方を捜してほしいと相談を受けた。何かを隠しているようなマシュウの態度を訝しみつつも、ヘスターは孫のために尽力を約束する。そんな彼女が協力を仰いだのは、幼い頃にたった独り森で育ったという過去を持つ、謎多き天才調査員ワイルド。しかし二人の捜索は予想外の過去をあぶり出し、やがて巨大な闇へと辿り着く――。 主役二人の秀逸過ぎるキャラクター、全く先の読めない展開、衝撃の事実……アメリカで刊行されるや、主要メディアで軒並み初登場1位を獲得。過去作品はNetflixで次々に映像化され、世界にその名をとどろかせエンタメ界を牽引する大ヒットメーカー、ハーラン・コーベンによる傑作サスペンス! 解説は芸能界きっての海外ミステリ小説ファン・井上順さん。 【編集担当からのおすすめ情報】 「グッモー!」ではじまる毎日更新のTwitterが大人気の俳優・エンタテイナー井上順さん。そのTwitterの中で時々紹介しているのが大好きな海外ミステリ本で、ハーラン・コーベンのファンであることも、前作『ランナウェイ』を読まれた後に呟いていました。そんな井上さんが、「愛する海外ミステリの面白さを読者の方々と共有したい!」と文庫解説に初挑戦。本編と合わせ、海外ミステリ愛に溢れる解説もぜひお楽しみください。

感想・レビュー・書評

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  • ハーラン・コーベンさん、初読み。

    つまんな……、いやいや、合いませんでした(^^;

    まず。詐欺です。普通にタイトル詐欺(笑)

    このタイトルと表紙を見たら、この少年が出てくると誰もが思うでしょう。
    でも、出てきませーん。

    「ザリガニの鳴くところ」的な話を期待してる方も外れです。

    実はこの少年。一切の記憶がなく、推定6~8才の状態で突然に森で発見されたのですが、親も住所も自分の名前も森にいつからいるのかもまるでわからないオオカミ少年状態。
    その34年後のおっさんが主人公。

    なので本来は、「その昔「森から来た少年」と言われていたおっさん」というタイトルにすべきでしょう。

    邦題が勝手にいじくられてるのかと思いきや、原題もTHE BOY FROM THE WOODSなので、もう最初から狙ってますね。
    俺でもわかる簡単な英語で良かった^^

    人探しを知り合いの高校生に頼まれて、そこから事件に巻き込まれていく話。

    主人公はもう一人いて、高校生の孫がいるおばあちゃん弁護士なんですが、これがもうパワフル。
    敏腕で、自分のテレビ番組も持っていて、警察署長とのラブストーリーまである。

    話の印象は、アメリカンアメリカンしてんな~、って思った。
    まあ、アメリカの作家がアメリカを舞台にした作品を書いているんだから、そりゃそうかとも思うが、なんともいえない、うまく言えないけどアメリカ臭が強い作品でした。

    あとね。せっかくのキャラを生かしきれてないな、とも思った。

    主人公のおっさんは、森で発見された経緯があって、その後は里親に育てられて、特殊っぽい軍隊にも入って、もともと身体能力も高くて、現在も森の中で自作のエコハウスみたいなので暮らしているという癖の強いキャラなのに、作中は特殊な働きをみせるでもなく、まあまあ優れた調査員どまりの描かれ方しかしてないのがもったいない。

    もっと、こう、なんか見せ方あるだろうさ~。

    それで結局、最大の謎というか、読み手の最大の関心事でもあろう「なんでこの主人公のおっさんは34年前に突如森の中で現れたんだ?」という疑問はまったく解消されずに終わる。

    いやいや、そりゃないでしょう。

    タイトルにも「森から来た少年」なんて使っておいて、ほとんど触れずに終わり?
    がっかりでーす。

    600ページ近くあるわりには地の文が少ないせいかサクサク読めます。

    筋書きは、ちょっとモヤっとした終わり方かなぁ。
    そしてそれをカバーしようとするようなアメリカン的な展開を最後にくっつけた印象。
    映画化意識かな。

    まあでも評価の高い作品だし、本当に俺がへそ曲がりなだけで一般受けはしそうですよ。

    ほら、あれ「自由研究には向かない殺人」とか、「ザ・プロフェッサー」とかが好きな人なら楽しめるのかもと思った。

    • 土瓶さん
      ヾ(o´∀`o)ノワァーィ♪
      ヾ(o´∀`o)ノワァーィ♪
      2024/03/16
    • みんみんさん
      謎が解けないなんて(꒪⌓︎꒪)
      謎が解けないなんて(꒪⌓︎꒪)
      2024/03/16
    • ひまわりめろんさん
      吾唯足知(いやなんとなく)
      吾唯足知(いやなんとなく)
      2024/03/17
  • Harlan Coben "The Boy from the Woods (Wilde #1)" あらすじ・レビュー - ゆずの本棚
    https://ybook.hatenablog.com/entry/Harlan-Coben-The-Boy-from-the-Woods

    森から来た少年 | 小学館
    https://www.shogakukan.co.jp/books/09406833
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    恐怖感と郷愁をたたえた『塩の湿地に消えゆく前に』に◎! - 新刊めったくたガイド|WEB本の雑誌
    https://www.webdoku.jp/mettakuta/yoshino_jin/20220418080000.html

  • 幼い頃に独り森で育った過去を持つワイルドが主人公。なので、彼の出自やら、大人になって社会との溝やら、そういった話も盛り込まれていると思いきや、あまり関係なく…その部分は残念だったけど、別の面白さが十分にあった。
    後に疑問も残らず、さっぱりとした読後。
    現実逃避できる読書として、最高でした。

    海外ミステリーは日本物と違いあっさりしてますね。

  • テンポもいいしキャラクターもいい。
    読後にもやっとした部分が残らない。
    この作者の作品は初めて読んだが、他の作品も読んでみたい。

  • 書店でたまたま森の中の少年に目にとまり買った文庫本。ワイルドがとにかく格好良い。ミステリーは展開が読めないことはないが、ハラハラどきどきさせてくれる。事件の傍らで展開される、ヘスターと息子のデイビットのこと、オーレンとの新しい関係のこと、ワイルドと女性関係、ワイルドの出自……常に先が気になりあっという間に読みすめた。結局最後までワイルドの出自はわからなかったのが気になるが、またどこかでワイルドに出会えるのであればぜひ出会いたい!

  • 久々におもしろい!!とはまった海外ミステリ。
    ネタバレになるから詳しく書けないのだが、たしかに先が読めないし、ほう!!きみが!!!ほう!!!そうなの!!!となります(わかりにくい


    この方の他の作品も気になるので即ポチしました!

  •  前作『ランナウェイ』の主人公サイモン・グリーン、またこちらも前作に登場した女性弁護士ヘスターのTV番組収録シーンが序盤に展開する。ヘクターおばあちゃんは、本作では何と、そのままダブル主人公の一翼を担ってしまう。サイモン・グリーンの事件『ランナウェイ』と、本書は時期的にかぶっているらしい。

     連作ではないのだろうが、ファンサービスか、作者の遊び心なのだろう。ちなみにハーラン・コーベンのノン・シリーズ2001年作品『唇を閉ざせ』では50代のへスターが登場するらしい。へスター・ファンとしては、件の作品は早速取り寄せねばならないだろう。

     前作に続き、本書も全編に渡って作者の遊び心に満ち溢れているように見える。むしろ、それこそが円熟期とも言えるハーラン・コーベンの真骨頂なのかもしれない。

     『ランナウェイ』では十代男女の殺し屋コンビ、アッシュとディーディーの殺人街道が、本編とは何の関わりもないかのように、本編に挿入されていた。そうした独特な場面転換によるあの不思議な構成は本作でも生かされている。

     多数の多次元的な物語が、一つの小説のうちに交互に展開されるというディープかつ卍な構造が、徐々に全体を縦糸と横糸で編み上げてゆく構成と相まって、総体的に何とも言えぬ緊張感をじわじわともたらしてゆく。視点の転換。仕掛けられたいくつもの伏線と意外性。

     本書のタイトルともなる主人公、その名もワイルドは、6歳から8歳と思われ、文明と離れた森の中で育った野生の少年として発見されたにせよ、本作スタート時点は、その34年後、文明社会に馴染み切った中年の男性として登場する。元は野生の生い立ちであったにせよ、今では孤独という名のこれ以上ない警戒心を抱え込んで、先端技術である警備システム、スマホと種々のアプリ、機械類など、野性とは真逆と思われるあまりに現代的な道具を駆使するテクニカルな隠遁者のような生活を送っている。

     生活各所における警戒心と緊張と危機管理意識の細やかさは並ではない。日々の生活は、ゆるめては緊張させ、またゆるめる。異性との楽しみ、文化・技術への渇望、そうしたことへの躊躇は見えない。発達した独立自我のリズムで奏でられる見事な生活を信条としているかに見える。

     一方で描かれるのは彼の生きる世界が、多くの瑕疵で綻びを産んでいる事実。少年少女たちの間で生まれる差別、虐め、失踪、暴力。大統領選を見据える野望を持つ男。取り巻き連のそれぞれの立場。TVメディア。メディアを操る者たち。過去の殺人。人種差別を下地とする冤罪事件。あってはならぬ悪と、未だ遂げられずにいる正義。本書のなかの世界は、様々な矛盾と不安定ささで燻り過ぎている。

     野生の少年であった今や中年男のワイルドは、その中でひたすら優しさと明るさを維持しているかに見える。かくも頼もしく信じられるキャラクターの存在が、ともすればダークになりがちな作品を救済していくように見える。それは作者の優しさなんだろうとも思える。だからこそ多くの布石を回収してゆくストレートでカタルシス豊富な揚力があるのだろう、本作には。

     本書ではワイルドと同等、あるいはそれ以上に印象的な闘志を見せるヘスターが目立つ。前作『ランナウェイ』でも頼り甲斐のあるベテラン弁護士として活躍して見せた彼女は本書ではワイルドと主役を分け合う存在感と魅力に満ちている。ハーラン・コーベンの最大の創造力を形に表した存在として、象徴的な存在だと思う。

     本日、札幌オンライン読書会で様々な情報を仕入れました。ハーラン・コーベン初心者としては相当参考にさせて頂きました。深謝。

  • 大好きなハーランコーベン。しかも前作『RUN AWAY』のキャラが出てきて、ファンにはたまらない出だし。
    でも…なんだか消化不良な読後感。
    さらにここから物語を紡いでくれないかなー。

  • 図書館で。
    何作か出ているシリーズの途中から読んじゃったのかな?と思いましたがそうでもないらしい?他の作品にも祖母は出ているらしいけど。

    個人的には助けてもらいたい割には情報を出さなすぎる孫息子に「お前がどうにかしろよ」と思いました。ホント、お前さぁ…。まぁでも祖母としては孫に頼ってもらって嬉しかったんだろうなぁ。ウン。

    お話云々よりも森で暮らしていた(元)少年というインパクトの方が強すぎて、本筋はなんだったっけ?とちょっと考えちゃうレベルでした。えーと。いじめられっ子女の子は結局ああなったので、あ、そうか。誘拐事件と過去の殺人事件だった。

    話が壮大になった割には、それほど取っ散らかった感じにならず、きれいに収まったなぁと読み終わって思いました。他の作品も読んでみようかなぁ。

  • ある日忽然と姿を消した、いじめられっ子の女子高生ナオミ。冠番組も持つ豪腕弁護士のヘスターは、ナオミの同級生である孫のマシュウから、彼女の行方を捜してほしいと相談を受けた。何かを隠しているようなマシュウの態度を訝しみつつも、ヘスターは孫のために尽力を約束する。そんな彼女が協力を仰いだのは、幼い頃にたった独り森で育ったという過去を持つ、謎多き天才調査員ワイルド。しかし二人の捜索は予想外の過去をあぶり出し、やがて巨大な闇へと辿り着く――。

    ついにヘスター弁護士が主役に。しかも、前作ランナウェイと同じ時間軸の物語。もう一人の主役、ワイルドが超人過ぎ。

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