勘定侍 柳生真剣勝負〈三〉 画策 (小学館文庫 J う 1-3 小学館時代小説文庫 勘定侍柳生真剣勝負 3)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094068740

作品紹介・あらすじ

武士の剣術と商人の金策との一騎打ち!

大坂一の唐物問屋から柳生家の勘定方となった淡海一夜。

当主の柳生但馬守宗矩から百石を毟り取り、江戸屋敷で働きはじめたのはいいが、ずさんな帳面を渋々あらためる毎日だ。

しかも、足し算引き算も満足にできない武士たちに辟易するなか、伊賀忍の佐夜を女中として送り込まれ、さらには勘定方の差配まで任される始末。

そのうえ、温かい飯をろくに食べる間もなく、柳生家出入りの大店と商談しなければならないのだ。

家中の者と出入りの商人がしていた、いい加減な取引に呆れながら、一夜は大鉈を振るう。

一方、老中の堀田加賀守正盛は嫉妬心を剥き出しにし、柳生の国元に暮らす柳生左門友矩を的に密命を発した。

また他方では、一夜の祖父・淡海屋七右衛門が、一刻も早く孫を取り戻すべく、柳生家を脅かす秘策を練る。

三代将軍の家光までもが、ついに底意を露わにし、宗矩はさらなる危機に陥ってしまい……。

果たして一夜は、柳生家を立て直せるのか?

修羅場の痛快時代小説、シリーズ第三弾!


【編集担当からのおすすめ情報】
おかげさまで、シリーズ第一弾『召喚』、第二弾『始動』、ともに発売即大重版となりました! 大坂商人の主人公・一夜のセリフ回しが漫才のように面白い、最高のシリーズです!!

感想・レビュー・書評

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  • 一夜の周りには、美しい女たちが……

    画策 ― 勘定侍 柳生真剣勝負シリーズの3作目 
    2021.02発行。字の大きさは…小。

    将軍家剣術指南・柳生但馬守宗矩の隠し子で、大阪一といわれる唐物問屋淡海屋(おうみや)七右衛門の孫で跡取り一夜(かずや)の成長物語です。
    勘定方を任された一夜は、柳生宗矩の息子としてただで働くのではなく、柳生家の家臣として、百石(一万石の大名家で百石以上の家臣は数人しかいない重臣)で仕えることを選ぶ。そして名前も、柳生でなく淡海一夜と名乗る。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    一夜は、勘定方として、柳生家の食材をはじめ全ての仕入れ先を駿河屋に一本にまとめて、従来の仕入れ先を全て取引停止にする。調べてみると同じ店で店売りより二割から倍の高値で仕入れていた。これにより年間百両の節約になる。
    今回から門番の伊賀者・素我部一新の妹・佐夜(伊賀の凄腕の女忍び)が、伊賀から出て来て一夜の女中となるが、美人で、機転が利き、料理が上手く、なくてはならない存在になる。その佐夜が、一夜を落とすために裸になって覚悟を決めた所で今巻は終わりとなる。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    【読後】
    お金を下賤の物と考える武士(柳生家)は、なかなか商人(一夜)の考えに馴染めません。苦労しながら、早く江戸の仕事をかたずけて大阪へ帰りたい一夜ですが、次々に難問が現れます。この物語は、テンポが良く、進み具合が早いので読むのが楽しみです。

    ※シリーズの感想と読了日
    始動 ― 勘定侍 柳生真剣勝負シリーズの2作目 2021.04.12読了
    https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4094067973#
    召喚 ― 勘定侍 柳生真剣勝負シリーズの1作目 2021.03.31読了
    https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4094067434

  • 淡海一夜に惚れました
    上田氏の小説では珍しいタイプの主人公
    (聡四郎や数馬とは大違い)
    何を引き起こしてくれるのか楽しみです
    今回は将軍家光のエピソードが楽しめるようだし、このシリーズはやめれませーん

    追記
    知れば知る程徳川将軍家はドロドロ
    大河ドラマのお江様は何処へ?

  • 中々、上田秀人の時代小説にない発想です。時代背景も豊かに退屈しない展開です。

  • 時代小説が、好きである。
    ふと、目にしたのが、この本で、読んでいないシリーズだと、手にしてしまった。

    第三であるのだが、最初で出だしから、柳生家の兄弟での木剣の対峙から 始まる。

    読み出したら、設定も面白く、家光が、家康をどれほど、尊敬していたのか迄、理解出来る。

    秀忠は、朝井長政の娘 お江与と結婚したけど、秀忠が、隠れてお手付きをして、男児が、誕生したけど、お江与の嫉妬と憎みは、その子への仕業が、凄く、先日 3歳児に内縁の男が、熱湯を浴びせて死亡させた事件が、頭に浮かんできて、怖さが、ヒシヒシと伝わって来た。

    大坂商人から柳生の勘定方になった 淡海一夜は、当主 柳生宗矩から100石で、江戸屋敷に暮らし始めたのだが、足し算・引き算でさえ 杜撰な帳面で、改革をしないと、予算は、赤字に・・・
    そんな中、伊賀のくノ一 佐夜が、一夜の女中に・・・

    一夜が、ポンポンと、柳生家を食い物にして来た大店に、大阪弁で、話をつけていくところが良い。
    ただ、その時だけの口上でなく、これ以上の事が、起きても、対処の仕方を考えている所が、先見の眼をもっていて、読んでいても快い。

    そして、佐夜の色仕掛けも、上手くかわすところ等、・・・ソロバン相手、何処まで、一夜は、頑張れるだろうか?
    そして、いつ大阪へ返り咲くであろうか???と。

    第1召喚,2始動を読んで無かったのだが、面白さが、よくわかった。
    次は、第4か?それとも、1から読んでみるか・・・・と、悩んでいる。(笑)

  • 第三弾
    出入りの商人との手切れの対決、監視役に付けられた伊賀のくノ一佐夜は!
    柳生の里には別の甲賀の刺客が

  • くのいちも登場。益々面白くなってきました。

  • 上田先生の戦国モノをいくつか読むと、どうして
    コノ結果になったかロジカル時代小説家らしい部
    分に目がいく
    元々、武士が格式や権威の仕組みの中で言質をと
    られたりマウントを取る様を強調する小説だが、
    その根底には関ケ原の戦いや神君の行為こそが聖
    典のように絶対視した論理が絶対だった

    本書は戦国の遺風が薫る時代であり、上田先生の
    他の時代との差を楽しめるのでご一読を
    (´・ω・`)本書の感想書いてないw

  • 江戸初期のこの時代にこれだけ優秀な商人がいたのかな?

  • 相変わらずおもしろい

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著者プロフィール

上田秀人
一九五九年大阪府生まれ。大阪歯科大学卒。九七年小説CLUB新人賞佳作。二〇〇一年作家デビュー。歴史・時代小説を中心に活躍。主な文庫シリーズに「闕所物奉行 裏帳合」(中公文庫)、「禁裏付雅帳」(徳間文庫)、「聡四郎巡検譚」「惣目付臨検仕る」(光文社文庫)、「奥右筆秘帳」(講談社文庫)、「町奉行内与力奮闘記」(幻冬舎時代小説文庫)、「表御番医師診療禄」「高家表裏譚」(角川文庫)、「日雇い浪人生活録」(ハルキ文庫)、「辻番奮闘記」(集英社文庫)、「勘定侍 柳生真剣勝負」(小学館文庫)など。一〇年『孤闘 立花宗茂』(中央公論新社)で第十六回中山義秀文学賞を受賞。二二年「百万石の留守居役」
シリーズ(講談社文庫)で第七回吉川英治文庫賞を受賞。『翻弄 盛親と秀忠』(中公文庫)など著書多数。

「2023年 『夢幻(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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