完璧な家族 (小学館文庫 カ 3-3)

  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (556ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094068856

作品紹介・あらすじ

監禁小説の傑作『棺の女』、待望の続編! ある朝突然、何者かに銃撃された一家。思春期の次女と幼い長男、母親とその恋人は一瞬にして命を奪われた。二匹の犬とともに姿を消した16歳の長女ロクシーの行方と事件の真相を追うのは、ボストン市警の豪腕女刑事D・D・ウォレン。さらにもう一人――472日間にわたる壮絶な監禁事件から生還した女性フローラ・デインもまた、ロクシーを見つけ出そうとしていた。 果たして一家を襲ったのはロクシーなのか。彼女はどこにいるのか。やがて平穏に見えた一家の凄まじい過去が浮かび上がる……。 NYタイムズ紙ベストセラーリスト常連の大人気シリーズの新作にして、監禁小説の傑作『棺の女』の続編がついに登場!

感想・レビュー・書評

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  • リサ・ガードナー『完璧な家族』小学館文庫。

    あの『棺の女』の続編。ボストン市警の豪腕女刑事D・D・ウォレンと472日間にわたる壮絶な監禁・暴行事件から生還した女性フローラ・デインの二人の女性を主人公に新たな物語が描かれる。

    本作も読み応えのあるハードな物語だった。『完璧な家族』を願い続ける少女が抱える家族の闇。うねるような起伏に富んだストーリー展開。そして、哀しくも感動の結末。

    ある朝、平凡な家族が何者かに銃撃され、思春期の次女のローラと幼い長男のマニー、母親のホアニータとその恋人のチャーリーの4人の命が奪われた。唯一生き残った16歳の長女ロクシーは何故か2匹の犬とともに姿を消す。ロクシーが銃撃事件の犯人なのか……

    ボストン市警の女性刑事D・D・ウォレンは現場に駆け付け、事件を捜査する。

    一方、壮絶な監禁・暴行事件から生還し、女性を守る自警団を自認するフローラ・デインは何か問題を抱えている様子のロクシーとインターネットでコンタクトを取っていた。そして、フローラはD・D・ウォレンと共にロクシーの行方を追うことに。

    次第に見えてくる闇の正体……

    本体価格1,200円
    ★★★★★

  • 酒に溺れてはいけない。人との距離をはかってキープするのは難しい。まして、子どもであれば。保護されていなければ。相手の価値観を理解しがたければ尚。ページをめくる手を止められないほど面白かったですが、同時にとても悲しいです。

  • 今回はD・Dの葛藤部分が少なくて読みやすい、というか単純に登場シーンが少ないからか?フローラの方が共感できるのでそれもよかった。
    対峙するキャラを描き切れる作者の筆力が見事。

    犯人の特性をいかして先読みというか、何故殺人に至ったかを上手くかわすような展開だったな。

    作中に出てきた「ここには女性しかいない」という台詞が印象的だった。
    同じく虐げられた者同士の連帯というのがテーマだったように思うから。

    しかしこの里親制度ってどうにかならないのかね。
    人間の善性に頼った司法制度は無理があるしもう変えていかなきゃと思うんだけども。
    子育てを通して人間的に成長したい人は自ら産み出さなくても里親になればいいのでは?と思うがその様な人に育てられる里子のほうが迷惑な話かも。

    好きな作家の一人であるボストン・テランの作で「愛とは行動である」という文が出てくるのだが、作文の末章でロクシーが繰り返し語る「愛」も同じ様な事だと思う。

  • かなりしんどい内容。母親がシングルマザーでアル中。育児放棄とみなされ、施設に子供三人引き取られる。頑張って再生して、子供を引き取って新しいまともな恋人ともうまくやっていこうとしていたその時に、一家はある日銃で皆殺しにされる。16歳の長女を残して。大人が「これでいい」と思っている出来事がけして子供にいいとは限らず、子供と思っていても、体や心は大人の危険な環境と同じくさらされ、未完全なまま立ち向かわないといけないという。家族問題だけでなく、普通の大人の人間関係にも通ずる、痛い(ささる)内容だった。

  • 好きな人は好きだろう・・あいついで読むし、追いかけたくなる。
    でもその正反対にいる人もいる・・そう私。

    ネレ・ノイハウス、カリン・スローター・・何れも4,5冊読んだけど、もう読むことはないだろう。
    読んでるものがないどころか、被害者、加害者が求める世界、理想がアメリカでは受けるだろうが。


    完璧な家族はない、無理して作り上げるのが家族でないし、努力の元に見えてくる理想の社会の下には屍が横たわる可能性が大きい。
    そんなにして迄理想を求めるのがアメリカ、或いは欧州に多いのは宗教❓人種❔日本ではちっと受け入れられないのじゃないのか。

    賢明に努力と根気強さで執念のトロフィーゲットへ突き進む D・Dはさほど魅力は感じないし、共感のかけらすら覚えない。中性的な彼女は、やはりアメリカ的。

    リサ・ガードナーの乾いた文体は読んでいて、砂を噛んでいる感蝕。ねっとり感が無い分読み進められるけれど、昏さが無い分、こっちのメンタルがやられることもない。
    彼女の作品はもう手に取ることはないな。

  • ウォレン刑事部長のシリーズとしては10冊目らしいが、裏表紙の煽り文句通り『棺の女』の続編として読んだ。当初の混乱をよそに容疑者は着々と絞られていくので、犯人の予測は途中でついたものの、その動機については(犯人の視野狭窄もあって)予想外だった。殺すべき人間を選んで一気にかつ大量に殺してしまえる銃社会はやはり怖い。

  • いやあ一気に いい本はこんな感じ

  • これで皆殺し?ちょっと落ちない。

  • まぁまぁ。でも悲しい話だなと。

  • 「棺の女」に続き、熱血刑事D・D・ウォレンと一年以上拉致監禁され生還したフローラ・デインが登場。
    ある朝、母親と次女、長男、母親の恋人の計四人が家の中で射殺される。家族の唯一の生き残りである長女が犯人の可能性もあるが行方が分からず、警察が捜索する。一方事件の少し前に長女と知り合っていたフローラも、仲間と共に彼女を探す。
    実は母親が重度のアルコール依存症の時期に親権をはく奪され、3人の子供たちは1年間里親に預けられていた。幼児だった息子とは別の家に預けられた長女と次女は過酷な体験をする。
    話は、長女の行方を捜すパートと長女の一人称で語られる過去の話が交互に語られる。長女自身もまだ小さいのに、妹弟を母に代わって必死に守ろうとする姿が本当につらい。母親は一年で見事に立ち直り、再び家族は一緒になれてめでたしめでたしとなったはずだが、あまりにも酷い体験を経て損なわれてしまった心は元に戻らない。
    大人の事情に翻弄され傷つく子供たちが、成長して犯罪を犯す側になっていく負の連鎖に絶望的な気持ちになる。事件の真相もあまりに辛い。

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