食と酒 吉村昭の流儀 (小学館文庫 た 40-1)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094070491

作品紹介・あらすじ

人気作家・吉村昭に迫る書き下ろし文庫。

没後15年を経て、
いまだに広く愛読されている国民的作家、吉村昭。

膨大な史料の博捜と綿密な取材で、
日本人の知られざる歴史と
庶民の生活を描いた作家の唯一の楽しみは、
「食べること、呑むこと」だった。

吉村昭と、夫人で芥川賞作家の津村節子の生活の細部を、
二人が書いた随筆、小説、対談などから紐解いて、
吉村昭が愛した日本の食と酒、
そして取材旅行で訪れたさまざまな町の味を紹介する。

吉村文学の原点である戦争体験と療養生活、
夫婦で北海道をさすらった不遇時代の記憶などが、
吉村昭の「食と酒」への執着とどう関わっていたのか。

下町に生まれ、
人との関わりを何よりも大切にした吉村昭にとっての
「いい旅、いい味」とは何だったのか。
夫婦ともに多忙な作家だった吉村家の毎日の献立は?

吉村昭の食と酒、そして旅を通じて浮かび上がる夫婦の絆と愛情を、
作家・谷口桂子があますところなく記す、完全書き下ろし文庫。

巻末解説は吉村昭と交友があった直木賞作家、出久根達郎氏。

感想・レビュー・書評

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  •  吉村昭、津村節子ご夫妻の作品がお好きで、未読の方にはお薦めです。食と酒を切り口に、人間吉村昭(昭2生)を、その妻津村節子(昭3生)を、チャーミングな人となりを描いた秀作。谷口桂子「食と酒 吉村昭の流儀」、2021.8発行。章立ては5つ。①食いしん坊のルーツ(戦争と大病)②唯一の楽しみは酒 ③下町の味 ④旅の味 ⑤吉村家の食卓。「私は、ごはんも炊けないし、お味噌汁を作るのも知らないのよ」「そんなことは、一切かまわない。君は、小説さえ書いていればいいのだ」新婚旅行から帰った翌朝、食卓には美味しい朝ご飯がw。

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000054193

  • 吉村昭と夫人で芥川賞作家の津村節子。妻から見た夫の視点を中心に、吉村昭の食と酒について考察する。

    没後も人気の衰えない作家吉村昭。深刻なテーマの小説とは別に多くの食、酒、旅に関するエッセイを残している。綿密な取材の副産物としての地元料理など、吉村昭の流儀が丹念に描かれる。

    二人共に大作家という夫婦の絆、心温まるエピソードも楽しめる。

  • 日本人の知られざる歴史と庶民の生活を描いた人気作家・吉村昭の唯一の楽しみは「食べること、吞むこと」だった。吉村昭と、夫人で芥川賞作家の津村節子の生活の細部を語る作品。

  • 吉村昭さんと夫人で作家の津村節子さんのエッセイの中から主に食と酒に関わる部分が集められています。

    そこに著者の谷口桂子さんの解説と感想が加えられ、吉村昭ファンであってもなくても十分に楽しめる食と酒、旅行、夫婦の絆の本です。

    谷口さんが‘’はじめに‘’で

    文学に、人生に、真摯に向き合った、チャーミングな人となりに触れていただければ幸いです。

    と書いている通り、チャーミングな吉村昭を知るきっかけにもなりました。

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著者プロフィール

谷口桂子

作家・俳人。1961年、三重県四日市生まれ。東京外国語大学イタリア語学科卒業。2000年3月『エイク』で小説デビュー。以降、小説やノンフィクションなどの本を出版。著書に『食と酒 吉村昭の流儀』のほか、『一寸先は光』『越し人 芥川龍之介最後の恋人』『崖っぷちパラダイス』『祇園、うっとこの話「みの家」女将、ひとり語り』『夫婦の階段』(インタビュー集)など多数。

「2022年 『吉村昭の人生作法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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