私はいったい、何と闘っているのか (小学館文庫 つ 13-1)

  • 小学館
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094070828

作品紹介・あらすじ

2021年12月安田顕主演映画化原作

家に遊びに来た長女の彼氏にいいところを見せるために考えたヘネシー作戦とは? 息子を野球とサッカーの史上初の二刀流に育てるための前代未聞の秘策とは? そして、念願のスーパー店長への長く険しい道の果てに待っていた、予想外の結末とは?
伊澤春男、45歳。スーパー勤務。一見平凡な日常は、きょうも彼の脳内で戦場と化す。
甘えも嫉妬も憤りも悔しさも、すべてを強がりのオブラートに包み込んで、男は深夜、なじみの定食屋のカツカレーを全力で喰らい尽くす。きょうも、妻が、娘が、息子が待っているはずの我が家が遠い―


【編集担当からのおすすめ情報】
2021年12月映画全国公開。
出演 安田顕 小池栄子 岡田結実 ファーストサマーウイカ
監督 李闘志男

感想・レビュー・書評

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  • 主人公の頭の中と実際起こっていることの境界がピチッとしてなくて、ちょっと読みにくい。が、堂々めぐりの春男の頭の中は共感したくないけど共感できるとこが多くて…。
    全然報われないけど、どうあれまた、明日は来ると思えました。

  • つぶやきシローは私が小学生の時にブームとなり、
    「ああー分かる」ってことをブツブツ呟くネタが結構好きだった。

    「缶のコーンスープの最後の一粒がなかなか出ないよね」っていうネタをすごく印象に残っている。
    当時、こういう日常の一コマがお笑いになるんだ、って思ったのを覚えてる。

    誰でも感じたことのある、世に発表するまでもない「つぶやき」みたいなのって、誰しも頭の中にある。
    主人公が妄想癖(そんなとこまで考えちゃう?ってとこまで暴走しがち)がある。
    そこまで考えちゃうからしんどいんだよな、空回りしちゃうんだよな、分かるよ分かる!って知らず知らずのうちに彼を応援してしまっていた。

    スーパーでの仕事や家庭のエピソードの中に
    人間の損得勘定や計算、
    はたまた良心、または嫉妬。
    主人公に色んな感情と妄想が入り乱れる。

    本来なら()して描くような事が、
    全面に出ている面白い視点の小説だと思った。

    主人公はしっかりしてなさそうで、なんとなくダメな奴っぽいけど、完全にダメダメじゃないところに励まされました。

    わたしも頭の中で自分が主役の情熱大陸、セブンルールごっことかしてるし、主人公には共感せざるを得ないな〜。

  • 初めはイタイイタイが強かったけど
    次第に背景が見えるようになって
    更に「まーそーなるかー」と現実との微妙なズレが
    哀しくもあり
    大事なところは守れてるならOKじゃね?
    イカの親子も出てきてくれて
    世界繋がってたんだと面白かった。

  • 家の明かりの数だけ幸せがあるのなら、家の明かりの数だけ悩みもある。(p118)

    帯に書かれた「映画化 安田顕」という言葉が目に止まり、著者がお笑い芸人ということもあり、面白そうだなと期待を込めて購入。

    だが、主人公の伊澤春男がやる事なす事すべてが裏目に出てしまい、文書を読んでて切なく感じてしまった…。
    少しくらい報われても良いのでは?と思うくらい、とにかくツイていない主人公だったが、映画で観るとまた印象が変わるのかもしれない。

    オッサン(主人公)の脳内で繰り広げられる妄想や、心情をより細かく書かれた小説だった。

  • つぶやきシローさん、こんなに面白い小説を書くんだぁとすごい感動。妄想がどんどんとまらなくなって現実はトホホな主人公に、苦笑いしていたけれどただのお気楽な人ではなかった。家族の絆に何度もホロリとさせられたし、最後までトホホさを保ち続けて、最高に楽しかった。

  • はじめは主人公の脳内思考に笑っていたが、途中から物悲しくなる。

    主人公の背景が出てきたあたりから この物語の見方が変わる。

    主人公はちょっと報われないけどいい人なのだ。

  • ほんとにこの人何と闘ってるんだ?と思いながら読み進めた。途中、少しイライラしたり…でも、だんだん愛しく思えてきたり。
    そして、この人の家族の成立ちを知ったところから、この主人公の見方が変わっていった。
    イライラしたところで、読むのやめよっかなーと思ったけど、最後まで読んでよかった!

  • 面白かった〜。
    最初は伊澤春男という45歳のスーパー店員にして、一人妄想おもしろ男の脳内思考に可笑しくて笑ってしまう。しかし第5話の「二人との出会い」で一変し、一気に切なくなる。ここでこの男の見方が少し変わる。伊澤春男は健気で、家族を愛し、カツカレーの食いっぷりが良いとてもいい男だった。

  • 2021.12.2

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著者プロフィール

(Shiro Tsubuyaki)1971年3月10日栃木県出身。愛知学院大学心理学科卒業。著書には、『3月生まれあるある』(さくら舎)、小説『私はいったい、何と闘っているのか』(小学館)、小説『イカと醤油』(宝島社)、『つぶやき隊』『みんなのつぶやき隊』『新しいつぶやき隊』(いずれもTOブックス)などがある。

「2022年 『こんな人いるよねぇ~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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