そして陰謀が教授を潰した: ~青山学院春木教授事件 四十五年目の真実~ (小学館文庫 は 22-1)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094071085

作品紹介・あらすじ

教授による教え子強姦事件は有罪か、無実か 本作は、1973年に青山学院で起きた「教授による女子学生強姦事件」の真相を、元新聞記者である著者が執念をもって追いかけた45年の集大成となるノンフィクション。青山学院法学部・春木猛教授(当時63歳)が、教え子の同大文学部4年生の女子学生へ、3度に亘る強制猥褻・強姦致傷の容疑で逮捕される。春木教授は懲役3年の実刑が確定し、一応の決着とされるが、教授自身は終生「冤罪」を訴え、無念のまま亡くなった――事件当時、新聞記者だった早瀬氏は、事件の裏にある、女子学生の不可解な言動や、学内派閥争い、バブル期の不動産をめぐる動きなど、きな臭いものを感じ、45年かけて地道に取材を続けます。有罪なのか、冤罪なのか、事件だったのか、罠だったのか……。本書は、その取材の記録と、早瀬氏なりの「事件の真相」に迫る作品。小説家の姫野カオルコ氏による文庫解説も必読です。 【編集担当からのおすすめ情報】 大宅壮一ノンフィクション賞受賞作家でもある早瀬氏は現在84歳ですが、本書の文庫あとがきを執筆されるにあたり、事件の関係者の自宅を調べ上げて取材するなど、「記者魂」は今もなお全く衰えることがありません。現在では「古い事件」となってしまっていますが、かつては、ハルキといえば、村上でも角川でもなく「春木教授」のことを真っ先に思い出した人が大勢いたはずだ、と本書の解説原稿で小説家の姫野カオルコ氏はお書きになっています。欲望と悪意うずまくこの事件のことを知らない世代にこそ、早瀬氏の記者魂をお読みいただきたい、執念の一作です。

感想・レビュー・書評

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  • 本の雑誌・ノンフ特集から、だったかな。45年前の事件につき、今なお、疑問をあきらめない姿勢は凄い。その結晶ともいうべき本書であり、内容も興味深い。性被害においては、生物学的特性などから、基本的には女性が被害者。これは多分大前提で、男性にとって不利という言い訳にならない。ただ本ケースでは、教授というある意味微妙な立場や、女性と愛人関係にあった方面からの恫喝など、単純に男女関係に帰依できない諸問題が絡んでくる。となると浮かび上がってくるのは、やっぱり司法判断への疑問ですわな。

  • 文章が読みにくい。著者の自意識の高さが滲み出ており、必要がないように感じる著者の過去話などが挟まれ話にまとまりがない。
    ノンフィクションと帯に書いてあり期待して読んだが、ほとんどが既出の雑誌記事や本の引用。著者の取材による新たな事実はほぼなかった。
    著者による推測が多く、事実を扱ってるいるか疑問。

  • 昭和48年3月3日、青山学院大学法学部の春木教授は女子学生への強制猥褻罪等の罪で逮捕される。
    当時も今も残念ながら事件としてはたびたび見聞きする性質のものだが、この事件は筆者をはじめとしたジャーナリストたちに大いなる違和感を与えた。
    事件の背景に一体何があるのか。複雑な人物相関図の中を行ったり来たりで読んでいるとやや混乱、ところどころ脱線気味にも感じたが、単にノンフィクションを読み慣れていないせいかもしれない。
    大学組織の膿とバブルと、教授の気の緩みが偶発的に起こした事件。
    思わぬところで林真理子氏の「アッコちゃんの時代」が出てきてまたそちらも読み返したくなった。

  • 早瀬圭一『そして陰謀が教授を潰した 青山学院春木教授事件 四十五年目の真実』小学館文庫。

    1973年に起きた青山学院大学の教授による女子学生強姦事件の真相に迫るノンフィクション。

    非常に読みにくい。テーマに向かって真っ直ぐに証拠や証言により論理的に推論が展開される訳ではなく、あちらこちらと話が逸れ、何度も同じことが繰り返し描かれる。

    大学内の派閥闘争の果ての冤罪と結論付けているようだが、結果的に冤罪を証明している訳ではなく、あくまでも著者の推測の域であるようだ。

    1973年に当時63歳の青山学院大学法学部の教授、春木猛が教え子の文学部4年生の女子学生を強姦したとされ、逮捕される。懲役3年の実刑が確定し、事件は決着したが、春木は冤罪を訴え、無念のうちに亡くなる。

    本体価格780円
    ★★

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