私が先生を殺した (小学館文庫 さ 40-2)

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094072501

感想・レビュー・書評

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  • イケメン先生が、教室で女子生徒と抱き合ってる動画が出て、その後飛び降り自殺をする。

    頑張って推薦を取った女子生徒がいたが、裏金を学校が別の男子生徒の親から貰い、その推薦はなかったことになった。
    その作業を校長と同期の一般教諭が延々とやってきたが、イケメン先生に引きつごうとして、イケメン先生の正義感によりトラブルに。抱き合ってる動画とかを撮られた。

    決めては、イケメン先生自身も実は裏金進学組で、それを知ってしまい、一般教諭を殺して告発して自殺した。

  • 私が先生を殺したってそういうことかー!

  • なかなか面白かったし、何故先生が殺されたのかという謎が解ったし、教室現場の闇が垣間見れた1冊でした。何度も、読み返したくなりました。あと、黒板に書かれた「私が先生を殺した」というメッセージが物語の鍵を握るキーワードになっています。

  • イヤミスだったわ。
    最後の校長の話吐き気がした。
    正しい人が報われないなんて・・
    許せない。

    奥澤先生の自殺を巡る生徒3人による回想。
    そこに至るまでの経緯はあっても、その後はなくて。
    真実はタイトルまんまでやられた〜っ!という感じ。
    高校生、受験生って人生の中でも最大級に自己中だなぁ。でも、そのときにちゃんと自己中になれるか、ってところが大切なのかもなぁ。
    とにかく大人の汚さに子どもを巻き込むことは最低!!

    悲しい・・・

  • 章ごとに違う生徒の目線で先生の死までが語られる構成。おじさん先生、実は良い人だったってオチを期待していましたが、違ってました。
    あとエピローグが若干物足りなかったです。

  • 色んな人の視点で進むのが映画 怪物を見た最近だったのであ〜なるほどねってなった
    エピローグあるけどせっかくだから事件の後の生徒の話とか心境とかももうちょっとあったらいいな〜と思った というかちゃんと事実出たんだねえ…の気持ち 校長いなくなってるし どれだけ明るみになったんだろうねえ…

  • 同時系列で5人の主人公の目線で考察していく。
    学生時代を彷彿させる観点で面白く、読みやすかった。描写が上手い。
    しかし結末が想像以上に最悪な流れと結果だった。
    こんな悪代官が犯人で吐き気すらした。

    主人公が変わるたびに出てくる登場人物にルビがふられ、新鮮味を感じさせる書き方をされている。

    1.砥部 律
    進学校についていけず脱落。SNSにハマり、腫れ物扱い。奥澤先生の不貞を配信する。

    2.黒田 花音
    成績優秀で指定校推薦をほぼ確状態だが、何故か自分より劣っている小湊にシフトチェンジされてしまう。その真意を奥澤先生に詰め寄る。

    3.百瀬 奈緒
    英語教師の奥澤先生を恋愛感情として見ている。その為、英語の成績だけは抜群。たまたまの事故により胸に手が当たってしまい、奥澤先生に迷惑をかけてしまう。その為、自分のせいだと傷を負う。

    4.小湊 悠斗
    華麗なる一族に生まれるが、自分は追いつけず。それなりの人生を歩もうと考えている。突然、黒田が指定校推薦を受けていた大学に推薦されることになる。

    5.奥澤 潤
    高校時代から始まり、先生になり、自殺までの経緯。最終章。
    学校の経営不振により、生徒の人生をコントロールする杉坂校長と永束先生。それに加担するよう指示されるが、断る。
    証拠を探し、不正行為をぶちまけるよう考えるが、すでに時遅しで何もできず。そんな中、永束先生をトロフィーで殺してしまい、永束先生も先生という職務も殺してしまい、自殺。

  • 読みやすくてサクサク読めた。
    多視点から一つの事件について語られていて、みんな高校生ならではの苦しみの中にいて読んでて苦しくなった。特に黒田さん、可哀想すぎる。

    そして最後に先生視点。途中から流れは予想できたけど、まさか殺人をとは思わなかったからちょっとびっくり。タイトルは正にそのままだった。
    でも、そのものずばりの意味以上に、自分の父親がお金で不正をやらせたせいで“真っ当な先生”を“殺して”(変えて)しまったって意味でもあるのかなと思った。

  • 奥澤先生…
    切なすぎた。
    最後の校長先生の言葉がとてもよかった。
    少しずつ真実に近づいていく感じがすき。
    おもしろかった。

  • 私は“善人”か、それとも“悪人”か

    「ねえ……あそこに誰かいない?」。全校生徒が集合する避難訓練中、ひとりが屋上を指さした。

    そこにいたのは学校一の人気教師、奥澤潤だった。奥澤はフェンスを乗り越え、屋上から飛び降りようとしていた。

    「バカなことはするな」。教師たちの怒号が飛び交うも、奥澤の体は宙を舞い、誰もが彼の自殺を疑わず悲しんだ。

    しかし奥澤が担任を務めるクラスの黒板に「私が先生を殺した」というメッセージがあったことで、状況は一変し……。

    語り手が次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りになる。秘められた真実が心をしめつける、著者渾身のミステリー!


    スマホを離さずに授業の妨害をする男子生徒。指定校推薦を勝ち取るためにずっと努力をしてきた女子生徒。ずっと教師に恋をしてきて教師に気に入られようと担当教科を頑張ってきた女子生徒。成績はあまり良くないが指定校推薦をもらえた男子生徒。そして、屋上から転落した教師。それぞれの目線で、この事件というか事故が語られていく。


    教師にかけられた身に覚えない淫行教師という疑い。SNSで拡散された動画。どんな状況なのか分からなかったけど、話が進んでいくうちに、そういうことだったのかと。そして、指定校推薦を勝ち取れなかった女子生徒の理由。かわいそすぎた。


    炎上した動画は、誰が撮ったのか分からなかったが、話が進んでいくうちに分かる。最初は、その動画のせいで、追い詰められて先生は投身自殺をしたのかと思った。あんなけ拡散されて、身に覚えがなかったとしても、あんなのが拡散されたら社会的に死ねる。教師だしな。


    しかし、動画が撮られた真相が、もう本当に信じられなかった。もう炎上した「淫行教師」なんて霞む。罠に嵌めるというか、あんなに奥澤さんを追い詰めてまで自分たちの私腹を増やしたのか。「学校のため、在校生のため、卒業した生徒のため」といってどんどん追い詰めていく。


    「私が先生を殺した」の本当の意味。先生が屋上から飛び降りた意味。悲しかったなぁ。でも、最後のエピローグで先生は救われたのかな。だったらいいんだけど、彼女はずっと引きずってしまったんだろうな。あのあとのクラスは大変なことになっただろうし。


    もし、高校生のときに奥澤さんみたいな先生に会えていたら、少しは違っていたかなぁとか思ってしまった。まぁ、こんな事件が起こるのは嫌だけど。


    2023.9.11 読了



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著者プロフィール

2013年、第19回電撃小説大賞で大賞を受賞した『きじかくしの庭』でデビュー。21年、コミカライズ版『塀の中の美容室』が、第24回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。著書に、『幻想列車 上野駅18番線』『殺した夫が帰ってきました』など多数。本書は、相続を通し、バラバラだった家族が過去の軋轢や葛藤を乗り越える期間限定の家族の物語。

「2022年 『相続人はいっしょに暮らしてください』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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