あなたが殺したのは誰 (小学館文庫 ま 23-3)

  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094073300

感想・レビュー・書評

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  • 警視庁捜査一課の瞬間記憶能力のある三ツ矢秀平と警視庁戸塚警察署の田所岳斗のコンビが挑む事件第三弾。

    中野区東中野のマンションで永澤美衣紗23歳が殴打されて死亡。
    美衣紗の部屋は片づけられない女性の典型的な汚部屋で、十カ月になる娘のしずくがいなくなっていました。
    三ツ矢はしずくの行方を捜します。

    一方物語はバブル期の北海道鐘尻島では、「リンリン村」の開発が頓挫し、リンリン村の鉄塔で首つり死体が発見されたのを機にいくつもの不審な死が続きますが…。

    中野区の事件と鐘尻島の事件が交互に語られますが、この二つの事件に一体どんな繋がりがあるのだろうかと思いました。
    最後に二つの事件はぴたりと繋がります。
    偶然と勘違いから起きた事件。

    タイトルの「あなたが殺したのは誰」の意味もわかります。じめっとした暗い事件でした。

    三ツ矢の超人的な活躍は健在でした。

  • まさきとしか『あなたが殺したのは誰』小学館文庫。

    三ツ矢&田所刑事シリーズ第3弾。『一部 彼を殺したのは誰』『二部 彼女を殺したのは誰』『三部 あなたが殺したのは誰』の三部構成のミステリー。

    バブル経済の崩壊が狂わせた人びとの人生。現代で起きた殺人事件とバブル期の北海道で起きた事件とがどうつながっていくのか。複数の事件が複雑に絡み合う中、もつれた糸を解きほぐしていく三ツ矢秀平と田所岳斗。

    読み終えると、タイトルの意味が明確になり、言い知れぬ辛い気持ちになる。


    中野区のマンションの一室でシングルマザーのの永澤美衣紗という若い女性が頭部を殴打され、意識不明の状態で発見される。部屋からは生後10ヶ月の娘、しずくが連れ去られ、2ヶ月前に殺害された五十嵐善男という署名の入った『私は人殺しです。』と書かれた便箋が残されていた。この事件を捜査する変人ながら切れ者の警視庁捜査一課の三ツ矢秀平と警視庁戸塚警察署の田所岳斗のコンビ。被害者は程なく息を引き取るが、娘のしずくの行方は依然として不明であった。

    時は1990年代初頭に遡る。北海道の鐘尻島ではバブル崩壊により巨大リゾート『リンリン村』の建設が頓挫し、老舗料亭『帰楽亭』の息子、小寺陽介は将来に不安を感じていた。多額の借金をして別邸まで建てた父は大丈夫なのか。そんな折、工事が中断したまま放置された『リンリン村』の鉄塔で首吊り死体が発見される。

    本体価格900円
    ★★★★

    • ゆーき本さん
      これ三ツ矢 田所シリーズだったんですね!読みたい!
      これ三ツ矢 田所シリーズだったんですね!読みたい!
      2024/02/12
    • ことぶきジローさん
      三ツ矢&田所シリーズです。いつもながらストーリーが面白いですよ。
      三ツ矢&田所シリーズです。いつもながらストーリーが面白いですよ。
      2024/02/12
  • いやー今回もすごかった
    そうなるかー
    そしてタイトルに込められた意味な
    今回もやってくれた

    でもでもでも、三ツ矢の変人ぶりにちょっと慣れちゃったのよね
    うん、今回もめちゃめちゃ優秀でめちゃめちゃ変人なんだけど
    どうしても3作目ともなると新鮮味が薄れちゃうよね
    逆にいつもの三ツ矢だわ〜って変な安心感みたいなんが生まれちゃう

    そういう時はね
    相棒の田所くんがハジけないとね!
    もっと前に出て来ないと!
    でも今回は才能の片鱗を見せて終わり
    しかもどうやらこのシリーズは続くよう

    よし、次回こそ頼むぞ田所!

    • ひまわりめろんさん
      なぜポップティーンに詳しいのか?それは私がポップなティーンだか( ゚∀゚)・∵. グハッ!!
      なぜポップティーンに詳しいのか?それは私がポップなティーンだか( ゚∀゚)・∵. グハッ!!
      2024/03/25
    • ひまわりめろんさん
      土瓶さん

      僕ちいかわじゃないんですよ!
      土瓶さん

      僕ちいかわじゃないんですよ!
      2024/03/25
    • ひまわりめろんさん
      土瓶さん

      僕ちいかわじゃないんですよ!
      土瓶さん

      僕ちいかわじゃないんですよ!
      2024/03/25
  • 面白かった!
    全く別の時代に全く別の場所で起きた2つの事件。きっと繋がるんだろうな、と思いながら読んではいたけれど、なかなか繋がっていかなくて。後半、そう繋がるとは!と驚いた。2つの事件とも関わる人たちの心情とか背景とか詳しく丁寧に描かれているので読み応えも充分。なのにあっという間に読み終わる。読む手が止まらないスピード感もあった。
    三ツ矢刑事のシリーズはこれで3作目。普段シリーズものはあまり読まないのだけれど、毎作全く違う切り口で書いてくれるので、またこれね、という残念感はゼロ。おすすめしたい1冊でした。

  • いやー、今回も惹き込まれた!
    まさきさんの文章は読みやすいのよね。

    なかなか点のままで線にならないなー。
    勝手にいろんなことを想像して、こう繋がるんじゃないか?実はこの人が…とか思いながら読んだけど、ハズレー!!
    全てハズレでーす!笑
    後半になり、ようやく待ち望んでいたお名前が!!
    きたーーーー!!!
    そこからはもうとにかく一気読みをオススメ。

    三ツ矢さんシリーズは全てが悲しい。
    今回も特に過去の島パートはもう。
    全体的に悲しさが付き纏う。
    島という限られた土地柄なのか、みなさんが間違った思い込みをしていてもそのまま訂正されない事が、なんだか空恐ろしく感じられた。
    いまの世の中のみんな違って自由で良いよね!という考えがないところ。
    もしかしたら、そういったやや狭い世界で生きていることが今回の悲劇に繋がる一因だったのかもしれないな。
    とにかくやるせなかった。

    由香里さんは痛すぎるお母さんだったね。
    自分の理想や人生を子供に背負わせちゃだめだよ。

  • 今回も二つの事件が繋がる時のゾクゾクがたまらないけれど、それが前作よりも更にパワーアップしている。
    本当に殺したのは誰なのかという衝撃的真相に胸が苦しくなる。

  • 『あの日、君は何をした』
    『彼女が最後に見たものは』につづく
    「三ツ矢・田所シリーズ」第3弾!

    ✎┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
    中野区マンションの一室で、女性が何者かに殴打され意識不明の重体となる。女性は永澤美衣紗という名のシングルマザー。生後十ヶ月の娘 しずくは連れ去られ部屋にはいなかった。

    現場に駆けつけた田所は、キッチンで一枚の便箋を見つける。白い便箋に書かれた黒い文字に田所の心臓はせり上がり、血流の流れが早くなる。

    「私は人殺しです 五十嵐善男」

    五十嵐は、二ヶ月前に起きた強盗殺人事件の被害者だった。

    ✎┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
    1990年代初頭 北海道 鐘尻島

    「良い神様も悪い神様も海の向こうからやってくる」
    小寺陽介は幼い頃からそういい聞かされてきた。

    島は巨大リゾート「リンリン村」開発に伴い、あっという間に飲食店や宿泊施設が立ち並んだ。陽介の父が営む老舗料亭〈帰楽亭〉もその一つで、多額の借金をして〈帰楽亭別邸〉を建てた。

    しかし、「リンリン村」の建設は頓挫。

    陽介が、酔いつぶれて「もうだめだ」と呟く父を見た次の日の朝。教室に入った陽介にクラスメイトが近づき興奮気味に話しかけてきた。「今朝、リンリン村の鉄塔で首を吊ったひとがいるって」

    -もしや父ではないか

    ✎┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
    面白かった!
    三ツ矢と田所コンビのすれ違い愛も健在だった!笑

    美衣紗を襲った犯人としずくの行方。
    三ツ矢の推理で事件は思いもよらぬ方向へ進んでいって何がどーなってる?!と先を急ぎたくなるし、なにより三ツ矢が三ツ矢のままで、田所は田所のままなのが最高だった。相変わらず三ツ矢の発言に振り回されっぱなしの田所は、その心境がどうみても「片想いしてる女子」なのよ笑

    そして、陽介の章。こちらがめちゃくちゃ悲しい。「リンリン村」に翻弄された島の住人たち。それに巻き込まれる陽介。「海は悪い神様しか連れてこない」もう!神様はどうしてこんなに陽介に試練を与えるのか!ただ、お父さんの大切にしていた〈帰楽亭〉を守りたかっただけなのに (*ノД`*)・゚・。


    全っっ然 関係性のみえない二つの話が繋がりを見せた時「えーーーー!!」「マジか……」でした。(《良い小説の前では語彙力はポイ》という名言をyukimisake様から頂いたので)

    三ツ矢の母親を殺した犯人はまだ見つかってないし、田所の異動の話も出てきたし、
    ─これは続編、あるな((≖֊≖)✧


    注) わたしシリーズ全部持ってるからねっ

    • ゆーき本さん
      マキさん
      そうそう!私もはじめ男性だと思ってました´▽`)ノ
      中山七里さんは女性だと思ってたし笑

      このシリーズは集めたくてメルカリで買っち...
      マキさん
      そうそう!私もはじめ男性だと思ってました´▽`)ノ
      中山七里さんは女性だと思ってたし笑

      このシリーズは集めたくてメルカリで買っちゃいました〜

      積読本問題かぁ
      うるとらさんも何百冊と積み上がってるっていってたなぁ笑
      2024/05/09
    • bmakiさん
      何百冊の積読って、えげつないですね( ̄∀ ̄)
      私は13冊くらいなので、ウルトラマンさんと比べると、可愛いものですね( ´∀`)
      何百冊の積読って、えげつないですね( ̄∀ ̄)
      私は13冊くらいなので、ウルトラマンさんと比べると、可愛いものですね( ´∀`)
      2024/05/09
    • ultraman719さん
      はい!
      積み上がったまま、減りません(−_−;)

      順番通り、読むとは!!(◎_◎;)
      はい!
      積み上がったまま、減りません(−_−;)

      順番通り、読むとは!!(◎_◎;)
      2024/05/09
  • 北海道の離島で起こった一連の悲惨な事件と
    東京で起こった殺人事件。
    この二つがどんな形でリンクしていくのかが最大のポイントだったんだけど、まあー、きれいに回収されました!
    一部、二部、三部と結末が明らかになるたびに
    「えーーーっ⁈」と驚きの声をあげてしまった。

    シリーズ3作目。
    毎回家族にまつわるドロドロや
    因縁のようなものが描かれていて、
    辟易としながらも、読むことをやめられない…
    作者は物語の進め方が本当にうまいと思う。

    事件解決に挑むでこぼこコンビ、
    空気読まない超マイペース人間三ツ矢と、
    彼を慕うあまり乙女化する田所。
    全体的に重い空気を纏う作品の中で
    息抜きとなるようなコミカルなシーンが目立ち、
    わたしはそれがあまり好きじゃないんだけど、
    3作目ともなるとそれにも慣れてきて、
    言うほど嫌じゃなくなってきた。
    次作もありそうですね〜。

  • 名コンビ、天才刑事 三ツ谷と岳斗刑事が事件と謎に迫る第3作目。

    まさきとしかの作品ではお馴染みの
    一見、関係の無い二つの事件の謎と関連性が謎を膨らませ続け鳥肌を立たせながら納得の回収をしてくれる作品。

    今回はバブル時代の90年代初頭に翻弄される北海道の離島で発生した事件と
    現在の東京のマンションの一室での殺人事件がリンクする!?

    人の鬱蒼とした心境、シリアスで淡々と推理していく描写、三ツ谷と岳斗の成長に微笑ましくもなるバランスの取れた作品でした!

  • 図書館に早くから予約しておいたので、早目に借りられた。ありがたい。

    著者は他にも沢山の作品を書いていらっしゃるが、私はたまたま三ツ矢&田所刑事シリーズだけを読んでいることになる。
    本書はシリーズ3作目であり、今後もまだまだこのシリーズは続きそうである。

    実は前2作の内容はほとんど覚えていないのだが(それはいつものこと)、それでも自分のレビューと非公開メモを読み返して考えてみると、本作が一番没頭したように思う。

    この2日間、本書にのめり込んだため、他には最低限の家事しかしていない。
    この自分の状況を客観的に見ると、お勤めや子育てしながら読書の時間を捻出しておられる方々には申し訳ないなと、後ろめたく思ったくらい。
    そしてそういう、読書の時間がなかなか取れない本好き(特にミステリー好き)の方が本書を手にしてしまったら大変だろうなぁと心配になった。
    これ本当に、途中でやめられなくなるから。
    私ののめり込み具合は、解説に書かれていた正にその通りの状態だった。(本書では読了後に解説を読んだ)

    殺人事件なのでもちろん内容は全く楽しいものではないが、私の苦手なグロいシーンは無いし、三ツ矢&田所刑事(プラス切越さん)の箇所では時にクスッと笑ってしまうようなところもあり、それが程良い緩衝材となり、読者(私)の気持ちを少しホッとさせてくれる。
    ただ、シリーズ化していく中で、田所の心中のツッコミやリアクションをこれ以上あまりコミカルにし過ぎたり、三ツ矢を大好き過ぎる田所の気持ちを、まさかのBL寄りにするのだけはやめて欲しい。
    (BLを否定しているのではない。
    ただ、この三ツ矢に対する田所の気持ちはloveではなく、男同士・人間同士の仕事上のlikeで描いて欲しい。)
    本作でも、シリアス場面との落差がやや大きかったので、ほどほどがいいな。

    本書で私が誰に同情してしまったのか、誰を一番嫌悪したか、を書くとネタバレになってしまうので、それはまた非公開メモに残すことにする。

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著者プロフィール

1965年東京都生まれ。北海道札幌市育ち。1994年『パーティしようよ』が第28回北海道新聞文学賞佳作に選ばれる。2007年「散る咲く巡る」で第41回北海道新聞文学賞(創作・評論部門)を受賞。
著書に『熊金家のひとり娘』『完璧な母親』『大人になれない』『いちばん悲しい』『ある女の証明』『祝福の子供』『あの日、君は何をした』『彼女が最後に見たものは』などがあり、近刊に『レッドクローバー』がある。

「2022年 『屑の結晶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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