梨本宮伊都子妃の日記〔小学館文庫〕: 皇族妃の見た明治・大正・昭和 (小学館文庫 お 26-1)

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (581ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094083255

作品紹介・あらすじ

侯爵鍋島家に生を受け、皇族梨本宮家に嫁ぎ、そして太平洋戦争後は平民となった伊都子妃。明治・大正・昭和の各時代を、七七年間にわたって綴った日記が、その波瀾の生涯を紡ぎ出す。近代日本の歩みを読み解く道標となる本、待望の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 先ず、明治大正昭和とずっと日記を書き綴った事に敬服。明治時代はお姫様のような生活をされていて、本当に時代に翻弄された人と思う。娘さんは李方子さん、姪に秩父宮妃がいる華麗な家系。
    私の祖母は彼女よりずっと年下だけど、白木屋の火災や関東大震災の事を話してくれた事、思い出した。
    身の回りから新聞に掲載される事柄まで、思うままに書いていた事がわかる。大きなお屋敷だったろうが、渋谷に居を構えていた事も興味深い。
    私は年代に沿って読みたかったけれど項目によって年代が交錯していたのが残念。時代背景や社会情勢の記述があったのは良かった。
    ちょっと戸惑ったのが、166頁、子供の余興出し物に小林幸子の名前。え??明治45年だけど・・・。

  • 宮廷内外に目配り 小田部雄次編『梨本宮伊都子妃の日記―皇族妃の見た明治・大正・昭和ー』(小学館)
     日露戦争はともかく、第一次世界大戦、関東大震災を結構、細密に記載.

     それにしても明治天皇崩御も、関東大震災も、昭和の敗戦も.見聞ではなく、現場に立ち会う立場にあった.
     これから読了を迎える読みかけ中.

     佐賀・鍋島家の息女から、<宮家整理>で皇族から臣下に転ずる.
     その息女・方子という女性も満州国皇太子に嫁ぐが、こちらとて国家政策の方向で<悲運>と申すほかない.

     <転変>を予測して記載を始めたとはおもえないが、<華族>の内と外を筆致の文で描き出す.
     確か「病弱と伝えられる大正天皇の毅然とした姿」を「記載の文あり」と、読んだことがある.本書であったか.該当箇所に接した.

     編者・小田部雄次氏の解説に好感.時系列ではなく、ひとりの女性の関心事にあわせ、原典引用とその解説で構成されている.解説を読むだけでも、筋がみえてくる、か.

  • 「最後の貴婦人」が書き残した、膨大な日本近代史の資料だ。

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著者プロフィール

1952年東京都生まれ。静岡福祉大学名誉教授。立教大大学院文学研究科博士課程後期単位取得退学。国立国会図書館海外事情調査課非常勤職員、静岡福祉大社会福祉学部教授などを経て、現職。専門は日本近現代史。主な著書に『皇族 天皇家の近現代史』(中央公論新社)、『肖像で見る 歴代天皇125代』(角川新書)など多数。

「2019年 『幕末 志士の作法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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