梨本宮伊都子妃の日記〔小学館文庫〕: 皇族妃の見た明治・大正・昭和 (小学館文庫 お 26-1)
- 小学館 (2008年11月7日発売)
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- Amazon.co.jp ・本 (581ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094083255
作品紹介・あらすじ
侯爵鍋島家に生を受け、皇族梨本宮家に嫁ぎ、そして太平洋戦争後は平民となった伊都子妃。明治・大正・昭和の各時代を、七七年間にわたって綴った日記が、その波瀾の生涯を紡ぎ出す。近代日本の歩みを読み解く道標となる本、待望の文庫化。
感想・レビュー・書評
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宮廷内外に目配り 小田部雄次編『梨本宮伊都子妃の日記―皇族妃の見た明治・大正・昭和ー』(小学館)
日露戦争はともかく、第一次世界大戦、関東大震災を結構、細密に記載.
それにしても明治天皇崩御も、関東大震災も、昭和の敗戦も.見聞ではなく、現場に立ち会う立場にあった.
これから読了を迎える読みかけ中.
佐賀・鍋島家の息女から、<宮家整理>で皇族から臣下に転ずる.
その息女・方子という女性も満州国皇太子に嫁ぐが、こちらとて国家政策の方向で<悲運>と申すほかない.
<転変>を予測して記載を始めたとはおもえないが、<華族>の内と外を筆致の文で描き出す.
確か「病弱と伝えられる大正天皇の毅然とした姿」を「記載の文あり」と、読んだことがある.本書であったか.該当箇所に接した.
編者・小田部雄次氏の解説に好感.時系列ではなく、ひとりの女性の関心事にあわせ、原典引用とその解説で構成されている.解説を読むだけでも、筋がみえてくる、か. -
「最後の貴婦人」が書き残した、膨大な日本近代史の資料だ。
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