秋の森の奇跡 (小学館文庫 は 5-3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094084290

感想・レビュー・書評

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  • 女性の三十代には2度の本厄がある。
    ちょうどその年代には、人生に大きな影響を及ぼす何かが起こりやすいのだという。
    自他共に、心身ともに。
    良くも悪くも。
    そして多くの場合は後者の確率が高い。

    私的に、これは結婚というシステムが及ぼす影響が大だと思っている。
    自分の人生に関係してくる他人(しかも複数人)が一時に増える。
    血のつながりがあってすら何もない、なんてことは少ない。
    それが他人ともなれば何もないほうがどうかしている。
    そして昨今の初婚(平均)年齢が上がっていることを考慮すれば、
    諸所の理由は割愛するとして本厄のピークは三十代後半~四十代半ばあたりにシフトしているのではないかと思われる。

    親、家族、夫婦、親子。あらゆる局面で顕わになる問題。
    子として、親として、妻として、女として。。。葛藤は尽きることなくあなたを苛む。

    ズルイなぁと思うんですよ。
    そんな人生の荒波のただ中にぽーんと放り込まれてもがき苦しんでいるときに
    力強く腕を引かれなんてしたら。
    優しい言葉と仕草で求められなんかしたら。

    出来すぎた偶然。
    最初からその人を求めるように仕組まれた必然。
    それはあなたにとっての奇跡。
    ・・・なんて陳腐な。
    でも最高の時間でしょう。
    少なくともその人といる時間、あなたは確実にヒロインでいられる。

  • 私にも出会いがあれば・・・妄想に浸れる一冊

  • 林真理子さんの小説は、ほとんど読んでいるけれど、これはイマイチだった。私とほぼ同年代、同じ年頃の娘をもつ主人公の設定に興味を持って読んだが、ほぼ共感できず。親の介護問題では多少共感できたけれど。自分もかなり恵まれている方の人間だと思うがこの主人公の設定には、それでもありえないだろうと思ってしまう。
    だけど、実際に林真理子が描く世界に出てくるような女性たちが、東京にはたくさんいるんだよな。

  • 主人公は40代の女性。
    女性としての自分に、自信を失いかけている。

    実の母は、認知症の初期段階。
    娘としては、母親が壊れかけていることを受け入れることができない。

    信頼していた夫は、どうやら自分を裏切って他の女性と不倫関係にあった過去をもつらしい。
    許せない。

    幸せな家庭をもっていると思っていたのに、
    ある日、その幸せはほころびはじめる。
    こんなのはイヤだ、こんなはずじゃなかった。

    主人公は、夫以外の男性にやすらぎを求めるようになる。
    そして、お互いに自分の伴侶を裏切りながら、「ずっとずっと続けていこう」と誓いあう。




    真の愛を手に入れた、ということですかね?
    それが「奇跡」ということ??
    ずいぶんわがまま勝手なような気がしますが・・・・。
    もっと他に、心の逃げ道ってつくれないのかな。
    確かに、自分の母親が、同じような立場になったら、
    それを現実として受け止めるのはきっと難しいと思う。
    だからといって、娘までいるのに、
    他の男に走った主人公の行動には疑問を持ちます。
    将来もっとつらい現実に向き合うことになると思うよ。



    何年も夫婦生活を続けていると、
    誰しもが心の奥底にもつようになる願望か?

    「介護」に関する部分。
    きれいごとが並べられているだけの気がします。

  • 林真理子さんの作品に出てくる女性は
    みんな傲慢で、計算高くて、ずるくて…
    でも嫌いになれない
    なぜなら自分もそうだからって
    いつも思っていました。

    どの林真理子作品を読むときも
    今回はどんな女性なんだろうと
    わくわくして読みます。
    今回もそうでしたが
    少し期待はずれな感じもしました。

    私は今回の主人公の女性には嫌悪感を
    抱いてしまいました。
    介護をめぐっての兄・兄嫁との問題
    自身の不倫、夫の過去
    正直読んでて気持ちいいものではなかったです。

    でもやっぱり林真理子さんの作品
    とても惹きつけられます。

    コスメティックのほうが私は個人的にすきです。

  • 101222*読了

    初、林真理子作品。自分がいつか経験するかもしれない、でもまだまだ未知の感情、体験を味わわせていただきました。親も老いていくんだなぁ、介護のことも考えとかないとなぁ、と現実を知らせてくれた作品。

  • 認知症、介護
    かなり期待して読んだ
    まあこんなものかな

  • 40代の恋愛を考えさせられた。他人事じゃなく。

  • あまり深くなかった

  • 輸入家具店店長の裕子は四十二歳、夫、娘と何不自由のない毎日を送っていたが、実母が認知症になったことから、その人生が大きく暗転する。母親の介護を巡る実兄との諍い、夫の隠された過去への不信感から逃れるように、裕子は妻子ある男との関係を深めていく。不倫ではない、浮気でもない、真の恋愛を求める裕子にとって、その男は、人生の秋に巡り会う“奇跡の恋愛相手”となるのだろうか。魂が触れ合う真の恋を、裕子は掴むことができるのだろうか。絶妙な舞台設定とハプニング続出のストーリー!“林真理子恋愛文学の最高傑作”と呼ばれる珠玉の純愛小説。

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著者プロフィール

1954年山梨県生まれ。日本大学芸術学部を卒業後、コピーライターとして活躍する。1982年、エッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』を刊行し、ベストセラーとなる。86年『最終便に間に合えば』『京都まで』で「直木賞」を受賞。95年『白蓮れんれん』で「柴田錬三郎賞」、98年『みんなの秘密』で「吉川英治文学賞」、13年『アスクレピオスの愛人』で「島清恋愛文学賞」を受賞する。18年『西郷どん!』がNHK大河ドラマ原作となり、同年「紫綬褒章」を受章する。その他著書に、『葡萄が目にしみる』『不機嫌な果実』『美女入門』『下流の宴』『野心のすすめ』『愉楽にて』『小説8050』『李王家の縁談』『奇跡』等がある。

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