- Amazon.co.jp ・本 (503ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094088083
作品紹介・あらすじ
テレビ技術の父・高柳健次郎、開局の椅子取りゲームを制した読売新聞社社主・正力松太郎、お茶の間にテレビを浸透させた力道山、系列化を推し進めた田中角栄…。多分野にわたるさまざまな人々の欲望を呑みこんで膨れあがったテレビというメディア。その全体像をつぶさに照らし、今に至るネット社会の到来を予見した画期的な日本近代論。
感想・レビュー・書評
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第二次世界大戦から現代に至るまでの道程の中で、テレビという特異なメディアがどのように生まれ、どのように育まれ、現代へと繋がってきたのか。電気信号開発者から、日テレ創始者、力道山まで、複数のアーキテクト(仕掛け人)の生き様を辿りながら明らかにしていく人間ドラマ発の社会観察。
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テレビの歴史だけではなく、戦後の日本の歩みにも実感を持って近づける、そんな良書。作者自身の教養も深く洞察が鋭い。しかし出しゃばることはなく、参考文献のおおさからもその誠実さが垣間見える。
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全く色褪せない名作。
テレビという「機械」が誕生した瞬間からテレビが私たちを侵食して行ったプロセスに光を当てる。
まるで大河ドラマ。正力松太郎、力道山、田中角栄にヒトラーなど。テレビというメディアを軸にしたときに見える社会の姿。
情熱や利権や野望がバラバラに輝く中でテレビは巨大メディアとして成長し、我々の生活の芯にまで近づいているのか。
宮崎勤の部屋の中で終わるこの作品が余韻として残すテレビメディアの果ては、今は別の形で増殖しているのだろう。
ドラマとしてもミステリーとしても思想としても読める猪瀬文学の最高峰である。 -
今、少し話題の都知事の作第2弾を読む。これは面白いノンフィクションだった。TV業界の黎明から90年初頭に至る興亡&攻防を、俗視点で記述。高柳博士の話などは、まさに泣けるもの(全然世代も違い、本書を読むまで博士のことはほとんど何も知らなかったが)。それほど小難しい言葉や言い回しもなく読みやすいし、ネタの深度もあるし。
3部作の最後とのことなので、前2作も読みたいところ。 -
映像メディアの発祥から衛星放送登場までの、生々しい人間ドラマを描く。帯・新しいあとがきなど以外で、今日を席巻している「インターネット」というワードが本編文章には出てこない時代の書物。「ネット」という言葉が…(以下続)
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20年以上前に書かれた本書であるが、中身は未だ色褪せず。
「ミカド」シリーズの最終作。
現代を鋭く見透かしている。名著。