ソニーの法則 (小学館文庫 Y か- 1-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094161113

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  • ソニーの経営には、圧倒的なスピード感がある。
    意志決定のスピード、開発のスピード、
    そして撤退のスピード、
    すべてにスピード感があふれている。

    <つくる-売る-たばねる>
    でまとめ上げたソニーの法則は、
    実にうまくそのソニーができている。

    ○おもしろい人間がおもしろい商品をつくる。

    大曽根幸三 1933年11月生 ソニー副社長
    ○目標は必要性と必然性によってきまる。
    ○熱しやすく、さめにくい。
    ○商品の値づけは、原価計算も、
    一応でてきた数字を見ますが、
    基本は「売れる値段」をつけることです。
    商品のクオリティと値段というのは、
    会社のフィロソフィのあらわれだと、
    私は思うのです。

    ○如何に明快なコンセプトがあるかで、
    その商品の生命はほぼ決定づけられる
    のではないでしょうか?

    ○明快なコンセプトなどというものは、
    机の前で考えていても自然にでてくる
    ものではありません。
    自分が、もしこういうものがあったらいいな、
    欲しいな、どうにかしてつくれないかなと、
    強烈に思うことが必要なんです。

    開発の心得
    ○客のほしがっているものではなく、
    客のためになるものをつくれ。
    客のほしがっているものを追いかけるのではなく、
    客のためになるものを先取りして
    提供するのが、私たちの仕事だと思います。

    ○サイズやコスト目標は可能性で決めるな。
    必要性、必然性できめろ。

    ○市場は成熟しているかもしれないが、
    商品は成熟などしていない。

    ○できない理由はできることの証拠だ。
    できない理由を解決すればよい。
    できない理由がはっきりしているなら、
    それを解決すればできるじゃないか

    ○商品の弱点を解決すると新しい市場が生まれ、
    利点を改良するといまある市場が広がる。

    ○絞った知恵の量だけ、付加価値がえられる。
    プロダクトプランニングの段階で、
    知恵を絞って、イメージを突き詰めなければなりません。

    ○企画の知恵に優るコストダウンはない。

    ○後発での失敗は、再起不能と思え。

    ○ものが売れないのは、高いか悪いかのどちらかだ。

    ○新しい種(商品)は、育つ畑に負け。

    ○可能と困難は可能のうち
    世の中には、可能と不可能の二つしかないのです。
    その中間に「困難」というポジションが
    あるかのようにいうんです。
    「困難」は「可能」のうちです。
    「不可能」でないものは、
    「困難」だろうがなんだろうが、
    みな「可能」なんですね。

    ○市場は調査するものではなく、
    創造するものだ。
    世界初の商品を出すのに、
    調査のしようがないし、
    調査しても当てにはならない。

    VIO 夢をつなぐデジタル生命体

    ○デザインを道具にしてビジネスを考える。
    ○人の受け売りではなく、
    自分自身が納得する必要がある。

    ○「説得工学」
    ものをつくるプロジェクトにおいては、
    まず目標を明確に定めて、
    人を集めて、彼らにやる気をおこさせる。

    リーダーは、如何にチーム全体にやる気をおこさせ、
    集中させるようにうまく説得するか、
    そういう方向へ導くかが大事だ。
    プロジェクトは7割方成功だ。

    ○something new something defferent

    ○買う人がお金を払いたくなるような商品を
    つくらなければいけない。
    セールスマンのいらんような商品をつくってくれ。

    ○セールスは、エデュケーションだということでしょうか。

    ○広告屋は、広告しなくてもすむような
    商品だけ広告すればいいんだよ。

    大賀典雄;実に私が私がという人であった。
    ○デザインはそれ以上小さくしても大きくしてもだめ。
    ○イメージづくりも、商品のデザインも、
    すべてはよりよいプロダクトをつくることに
    昇華していきます。
    みんなが本当に欲しくなるようなプロダクツを
    つくることに、私は邁進してきました。

    ○ソニーは変化をおそれないというか、
    変化は趣味みたいなものです。

    ○アリスは、「なんで、みんなせわしく走っているの?」

    「ここではみんな動いているのよ。
    だから、走っていなければ止まっているのと
    同じことになってしまうのよ。」

    出井伸之
    ○学者でなくとも、企業人でも、
    専門分野を持つことが、
    これからの時代は要求されるだろう。
    企業の中のエコノミストスタッフをめざそうと
    かなり明確なコンセプトをもって、入社したのです。

    ○「勝てば官軍」という色紙

    ○日本という国は、足し算の文化だと思うのです。

    これまでは、1998年に書いた メモである。
    輝いていた ソニーは どこに行ったのだろう。

  •  何しろ1998年に書かれた本なので、今のソニーとはちょっと雰囲気が違っていて面白いですね。

     p.277 だから、MDはCDより音質がある程度悪くなければならない。

     デジタルコピーと著作権の問題が念頭にあるわけですが、音質を妥協するのは哀しいです。もう少しいい方法がなかったのか…残念。

  • 1998年出版。"Degital Dream Kids"と銘打って、AV+ITを志向した頃のソニーの話。出井氏の「収穫逓増の法則」、生産規模が大きくなるとそれ以上に利益が大きくなる(ex.半導体産業)という視点から、…「アップルコンピューターを買いましょう」という提言をしました…という刺激的な話までが満載。ソニーの勢いは、東通工時代からの戦後生まれのAVメーカー(国内には、東芝、日立、松下など既に競合があった)中で、外に土俵を求めて闘わざるを得なかったという点が大きく、国内「で」ダントツ、ソフト「メーカー」としての縛りが発生した段階から、硬直が始まったとも言えるのではないか、と今更ながら思った。メモ。1.大曽根部隊の開発18か条(1)客の欲しがっているものではなく、客の為になるものをつくれ(2)客の目線ではなく自分の目線でものをつくれ(3)サイズやコスト目標は可能性で決めるな、必要性、必然性で決めろ(4)市場は成熟しているかもしれないが、商品は成熟などしていない(5)出来ない理由は出来ることの証拠だ。出来ない理由を解決すれば良い(6)よいものを安くより新しいものを早く(7)商品の弱点を解決すると新しい市場が生まれ、利点を解決するといまある市場が拡がる(8)絞った知恵の分だけ付加価値が生まれる(9)企画の知恵に勝るコストダウンはない(10)後発での失敗は再起不能と思え(11)ものが売れないのは高いか悪いかのどちらかだ(12)新しい種(商品)は育つ畑に蒔け(13)他社の動きを気にし始めるのは負けの始まりだ(14)可能と困難は可能のうち(15)無謀はいけないが多少の無理はさせろ。無理を通せば発想が変わる(16)新しい技術は必ず次の技術によって置き換わる宿命を持っている。それをまた、自分の手でやってこそ技術者冥利に尽きる。自分がやらなければ。他社がやるだけのこと。商品のコストも全く同じ。(17)市場は調査するものではなく創造するものだ。世界初の商品を出すのに調査のしようがないし、調査しても当てにはならない(18)不幸にして意気地のない上司についたときは、新しいアイデアは上司に黙って、まず、もの(プロトタイプ)をつくれ。2.「急ぎの仕事は忙しい奴に頼め」3.弟子が師匠を追い越さなければ技術には進歩がありません。師匠が失敗した事に弟子がもう一度チャレンジして成功を修めることによって技術は進歩していくのです。‥開発においては目標設定と同時に期間設定が短いことも重要な要素だと思います。‥「開発したひとが製造すべし」

  • ソニーにいる人/いた人がソニーがどんな会社かを提示している。
    ただ、90年代に入るまでがどんな会社だったかはよくわかるものの
    今は多分そうじゃないだろう、と思うことがしばしばある。
    しかし出井さんのここ何年か(2010年くらい)に関する先見の識は
    純粋にすごいと思った。

  • ビジネス書は一見小難しげなことがつらつらと書き綴られているように思われがちで手に取るのをためらわれる人も多いかと思いますが、文学小説やミステリー小説に比べたら全然簡単に読めます。<br>これはソニーヲタクだった当時に手に取った1冊ですが、世界に誇るソニー製品の開発に携わった人や、無名のMADE IN JAPAN 製品を外国市場に売り込んでいった人の苦労話です。<br>些細なことで世界的ヒット商品が生まれる話は読んでいて痛快でした。<br>2000年辺りを境にソニーは落日のごとく失墜しておりますが、ソニーだからこそこれはという素晴らしい商品が開発されることを願ってやみません。<br><br><br>話は飛びますが、結構最近のソニーゴシップネタに、ソニーとマイクロソフトのWiki編集戦争がある。元からWikiは全然信じるに値しないものだけどさ、内部の人間が揃いも揃って何やってるんですかとちょっと呆れたニュースだった。

  • 現職、OB、若手からトップまで、年齢・性別・職種の異なる14人のソニー・マンへのインタビューから、変化の時代にとるべき法則が見えてくる。

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著者プロフィール

片山 修(カタヤマ オサム)
ジャーナリスト
愛知県名古屋市生まれ。経済、経営など幅広いテーマを手掛けるジャーナリスト。鋭い着眼点と柔軟な発想力が持ち味。経営戦略、マネジメントにも造詣が深く、長年の取材経験に裏打ちされた企業論、組織論、人事論、時代論には定評がある。2001年から2011年まで学習院女子大学客員教授を務める。
『時代は踊った――オンリー・イエスタディ‘80s』(文藝春秋)、『ソニーの法則』『トヨタの方式』(以上、小学館文庫)、『本田宗一郎と「昭和の男」たち』(文春新書)、『ふるさと革命――“消滅”に挑むリーダーたち』(潮出版社)、『社員を幸せにする会社』『技術屋の王国――ホンダの不思議力』『豊田章男』(以上、東洋経済新報社)など、著書は60冊を超える。

「2021年 『山崎正和の遺言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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