弱キャラ友崎くん Lv.7 イラスト集付き特装版

  • 小学館
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本棚登録 : 112
感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094517897

作品紹介・あらすじ

「友崎くん」初の公式イラスト集!

「友崎くん」初のアートワーク・イラスト集が、満を持して登場!

・全点、描き下ろし&単行本未収録イラスト!
・Twitterのみで公開された超レアカットも。
・初期デザインをまとめた「初期キャラ友崎くん」収録。
・屋久ユウキ先生の熱烈コメント&フライ先生のあとがき付き。

ファン垂涎の仕様でおくる、豪華イラスト集付き特装版!


【編集担当からのおすすめ情報】
渾身のミニ画集できました! 各ヒロインたちの描き下ろしもばっちり収録しておりますので、売り切れる前にぜひゲットしてくださいね!

感想・レビュー・書評

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  • 菊池さんが尊い。

  • あまりに内容が濃いし、ページ数が500ページ近いしどう感想を纏めて良いのか困る第7巻。
    第6巻で行われた衝撃的な告白展開から、たった1巻でよくもあの展開まで纏めたものだと歓心してしまう

    この巻では友崎が現時点で気になっているみみみと風香のどちらかに好意を持つのかという大目標を設定しつつ、文化祭劇をどう成功させるのかという中目標が設定されている
    その中で友崎は「相手を好きになるとは、付き合う意味とは何なのか」を幾人もの相手に問いかける。高校二年生にもなってなんて質問してるんだと思わなくもないけれど、これまで弱キャラとして生きてきて自分に誰かを選ぶ権利があるなんて考えたこともなかった友崎にとっては必要な問いだったのだろうね
    ただ、その問いの答えは人の数だけ有るし、誰かのそれらしい答えがそのまま友崎にとっての答えになるわけでもない。その問いへの答えは参考になりつつも友崎にとって明確な指針とならないまま物語は進む

    それもあってか、ストーリーとしては劇の脚本をどうするのかという風香との相談がこの巻におけるメイン展開となっているかな?
    脚本は風香が書き、友崎はアドバイスする立場。だからこそ、二人は何度も内容に関して推敲を重ねるのけど、ここに登場するクリスが風香の在り方を写し取ったようなものになっているだけにその推敲は単純に内容を良くしようとするだけの意味に留まらず、風香の物事の捉え方にも及んでいく流れはとても好きなもの
    また、作中に登場するリブラは友崎を写し取ったような存在でも有る。つまり、友崎と風香の二人が脚本の推敲を重ねることはそのまま友崎と風香の心を近づけ互いの落ち着きどころを探す行為にも繋がるわけだね
    どこか「好意」を理論だって捉えたがっていた友崎にとっては丁度いい方法になったのかもしれない。そして、脚本作りの合間にみみみとの漫才練習が挟まれることで友崎にとって二人がどのような存在であり、そこに違いが有るのかも少しずつ描かれていく構成は本当に素晴らしい

    だからこそ、その中で描かれるみみみの様子が色々と甘酸っぱく感じられる
    彼女の状況は第6巻で奇襲的な告白をしてそれに友崎が何も返していないまま。だから開始数十ページは何とも言えない空気感が二人の間に横たわる。けれど、そこでみみみが友崎の負担にならないようなフォローをしてきて……
    この巻でみみみは他にも幾つものフォローをしているね。
    友崎の「やりたいことを真っ直ぐな気持ちのままやっている」姿が好きなみみみとしては自分の告白によって友崎のそういった面の負担になるようなことはしたくなくて、友崎が動きやすいようにフォローする。それが結果的に自分が振られてしまう流れになるのだから、不憫だと感じてしまいそうになるが。
    みみみのフォローによって友崎は中目標としてのやりたいこと=劇の成功に全力を出すことが出来、それが大目標としてみみみと風香のどちらに好意を持つのかという着地点にも辿り着けるのだから
    本当に友崎はみみみに感謝してもしきれないよね
    そして、友崎を支えるそれだけの想いを見せつけてくれたみみみという少女はこの巻でとても輝いていたように思う

    そして、みみみと風香との交流の中で自分なりの「好き」を明確な定義としないままでも持つようになり、それを「やりたいこと」として風香に伝えようとしたのだけど……
    劇のシーンではちょっとした戦慄が走ってしまったよ…。そう来るか、と。そして、その後で語られた風香の真意についても納得できるもの
    そうだよね。ここまでクリスとリブラを現実に居る二人の写しとして描いてきたなら、そういう発想にもなるか
    そのある意味ゲームオーバーとも言える局面から友崎が見出した打開策は良かったな。これまで風香と培ってきた経験が活きているものであり、同時に風香の意志を尊重した上で彼女の望む方向に導いている。その上で自分の想いをはっきりと友崎は風香に伝えた
    この後の二人の仲睦まじい様子を含めてこれ程までのハッピーエンディングが有るだろうかと感じてしまうほどの素晴らしい展開。
    いや、日南に言わせればこれはあくまで一つのスタートなんだけど

    遂に恋人同士になった友崎と風香、これからこの二人がどのようにして距離をさらに縮めていくことになるのか、楽しみだね


    そういえば、この巻においてメインの役どころとはならないんだけど、日南も印象的な発言をしている
    パーフェクトヒロインとして物語に君臨しあらゆる発言や仕草が制御されたものだと感じさせる日南。それだけにどの発言が彼女の「真意」に繋がるのか判りにくい部分が有る。
    その中で「自分の感情が自分でもわからない」という友崎に自分もだと呟くように返した日南の言葉はどれ程真意に通じるものなのかな?あと、日南の妹に関する情報は何を意味するのだろう?これこそが日南のパーフェクトヒロインになろうとした動機にも関係しているのだろうか?

    また、作者の視点で全てを見通すような風香が脚本の中で日南の写しであるアルシアをあの様な形で描き、そしてアルシアにはリブラでないと駄目だと語った「理想」はどこまで現実に即したものなのかと気になってしまうね

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